日本ではもう桜が咲き見頃を迎えているのですね。
桜、長いこと見てないなあ。
で、いろいろと思い出してみると
春の思い出は、ちょっと淋しい不安な気持ちに満ちている。
寂寞という言葉がぴったり。
日本の春は、別れと出会いが同時にやってきて、
毎年、誰と別れることになるのか、新しく出会う人はどんな人なのか、
不安と期待が入り混じった複雑な気持ちで過ごしていた季節。
これって日本独特なのかなあ。
年度初めが4月だからね。
春という季節のある他の国の人々にとってはどうなのでしょう?
今、グリーグ「春に寄す」やパルムグレン「五月の夜」といった
北欧の作曲家の曲を練習していますが
(次回のコンサートのテーマは「春」なのです)、
日本人の感じる春とは大分趣が違うような気がします。
たぶん、春~4月や5月~になっても雪は残り、
なかなか沈まない太陽、突然始まる雪融けとそのあとに現れるお花畑。
グリーグはデンマークでの演奏旅行中にホームシックにかかり
故郷ノルウェーの春を思い出してこの曲を作ったそうです。
ショパンの歌曲集にある「春」も弾く予定ですが、
これもメロディーは大変切なくて哀愁に溢れています。
祖国ポーランドの春を懐かしく思い作曲したのかと思うと、
ポーランドに帰れないショパンのさびしい悲しい想いが垣間見えそうな曲です。
生命力に溢れる、春の喜びを歌い上げている曲もありますし、
どちらかというとこういう曲のほうが日本人の春というイメージとは合うのかと思いますが、
私の春の思い出とグリーグやショパンの曲は大変近いような気がします。
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