女社長のブログ《伴海日記》

おかげさまで今年は10周年を迎えます
伴海エンタープライズ株式会社の社長であり歌手
浜砂伴海の日記

華麗なるエロス

2011-06-23 | 素敵

エロスとは何か。

それはギリシャ神話の「愛の神」の名前。

アフロディテの子。

ローマ神話でいうところの、キューピッド。ヴィーナスの子。

翼を持ち、弓矢を持っている。

 

などと書いたが、唐突に何故エロスかというと、

逢ってしまったの。

「金子國義」氏の絵に。

そして、金子國義さん、そのひとに!

彼の公式サイトのタイトルが、

《華麗なるエロス》 なのである。

 

「エロス」と言うと、性的な響きがあるけれど、

意味を決めつけて、薄っぺらなものにはしたくない。

なんと言ったら良いのかなぁ。。。うーむ。

私思うに、

「エロス」無しには、芸術は有り得ない。

ということなのではないかしら。

(それは、辻村寿三郎さんのお人形を見ても、いつも思う)

美しいものへの愛情、情熱、こだわり・・・

こうやって書くと平べったくなって嫌なんだけど。

エロスというもののなかに、根源的な命、エネルギー、血、熱を感じる。

 

銀座の、ある小さなクラブの壁に、この絵はあった。

ドアを開けたとたん目に飛び込んで来た。

別の壁には、美しい舞妓さん、芸妓さんの、墨絵があった。

私が馬鹿みたいにこの絵の前に突っ立っていると、

「あの方が、この店の絵を描いた方ですよ」と教えられる。

「えっ!?どの絵ですか?」

「全部です」

えええええええええっ!じゃぁ、

「金子國義さんですか!?」

 

あとは、あたふたしてしまい、

私は女学生の様に頬を染めた(ような気分であった)。

壁の絵を写真に撮って良いかとお訪ねすると、

「一緒に撮りましょう」

ああ、こんなことならちゃんとお化粧して来るべきだったぁ~(涙)

さらに、ポストカードにサインもくださり、感謝感激。

 

 

私の青春の時代に、とても好きだった、憧れの女性、

「安井かずみ」さん。

彼女の詩も、エッセィも、顔姿、センス、ライフスタイルも、

そう全てが、かっこ良かった。 成功した女性。

彼女の当時のご主人「加藤和彦」氏の

“あの頃、マリー・ローランサン” というアルバムを好きで好きで、

どれだけ聴いたかわからない。

全曲、安井かずみ作詞。加藤和彦作曲。

そして、レコードのジャケットが、金子國義氏の絵であった。

あの頃のほろ苦い思い出と、音と、歌詞と、そして金子氏の絵が、

私の心の中には一緒くたになっているのだ。

 

私が安井かずみさん、加藤和彦さんの名前を出したら、

見せてくださったのがこれ。どんぴしゃ。

婦人画報の7月号(即、買いました)の記事「安井かずみがいた時代」

「彼女とはソウルメイト」とおっしゃる金子氏がインタビューに答えている。

貴重な、お二人のツーショットも載っている。

 

金子國義さんに逢って、なにかが蘇ったみたい。

今よりずっと若くて細くて、未来も何も見えなくて、

夢見がちであると同時に冷めてもいた、扱いにくい私を、

人生の意味もわからなかった頃の私を、

思い出し思い出し、家路についた。

人生の意味なんて、いまだにわからないけれど、

あの頃の私が、確実に今の自分の芯の部分にいることだけは、わかる。

 

 

あの日、あの時間、あの店に行かなかったら、逢えなかった。

金子國義さん、そしてあの日あった全ての方に、感謝します。

 

《華麗なるエロス》金子國義公式サイト