特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

叶刑事主演作リスト(その1)

2010年06月04日 23時15分56秒 | Weblog
ずいぶん長く放置してしまって誠に申し訳ありません。
連休明けから続いてきた忙しさがようやく一息つきましたので、今さらながらではありますが、予告していました叶刑事主演作リストを掲載していきたいと思います。
実際にまとめてみると、特に本ブログ開始以前の初期編については、予想外に時間がかかってしまい、今回は初年度となる1980年のみとさせていただきます。
余り間をあけず、順次、年度ごとに更新し、最終的には私的セレクトによる叶刑事BOXの収録リストについての妄想を語りたいと思いますので、よろしくお付き合いください。

余談ですが、最近ファミ劇で再放送中のエピソード(第460話あたり)については、2009年2月ごろに記事がありますので、興味のある方は是非ご一読ください。

以降は叶刑事主演リスト第1弾です。作品データの末尾、DVD-BOX収録情報のあとの数字は「ファンが選んだエピソード」の順位(②とあるのは第2回アンケート)です。万一、データに不備があった場合は、コメント欄でご指摘くだされば幸いです。


1年目:1980年(昭和55年)
年度概況:放送開始から4年目、殉職した津上の後を受けて、叶が特命課に加入する。加入当初は神代、橘、桜井、紅林、吉野、滝と叶の7名体制で、同年の夏に滝が退職して船村が復帰。年間48話のうち叶主演作は以下7本で、うち5本がDVDに収録済み。ちなみに最多は紅林の11本で、次が吉野の8本。

(1)第148話「警視庁番外刑事!」
2月6日放送、脚本:長坂秀佳、監督:青木弘司、BOX4収録(53位)
連続狙撃事件の現場に常に居合わせる謎の男。その正体は新宿中央署の叶旬一刑事だった。事件の裏を知りつつ単独捜査を続ける叶に、神代は特命課入りを命じる・・・。孤児院育ちというプロフィールとともに、弱者へのいたわりとエリートへの憎しみという叶のキャラクター性が印象的に示され、しかもそれらが事件と密接に関わり合うという、登場編に相応しい力作。当初は敵対心むき出しの叶が、橘をはじめとする特命課刑事の姿勢に何かを感じ始める姿に、今後の成長が予感されます。

※次の叶主演回まで8話と、ちょっと長めのインターバルがありますが、その間に第152話「手配107・凧をあげる女!」で叶と桜井の激しい対立が描かれているのが個人的にはポイント。最終回で特命課が二課に別れた際、叶は橘班(特命第一課)ではなく桜井班(特命第二課)に配属されるのですが、その背景には、この話や第323話「二人の夫を持つ女!」などを通して描かれる、二人の反発と信頼の歴史があるのではないか、などと勝手に想像しています。

(2)第157話「ドレスメーカー女学院強盗殺人!」
4月9日放送、脚本:横山保朗、監督:宮越澄
叶と強盗犯の銃撃戦。警備員を死に至らしめたのは、どちらの放った銃弾なのか?人を殺したかもしれないという不安にかられる叶を救ったのは特命課の仲間たちだった。「拳銃は凶器」という神代の台詞に象徴されるように、刑事という仕事の重みを描くと同時に、特命課刑事たちとの信頼関係を描く上でも重要な一本。

(3)第167話「マニキュアをした銀行ギャング!」
6月18日放送、脚本:長坂秀佳、監督:田中秀夫、BOX8収録(98位)
何の接点もない凶悪犯3人が協力して銀行を襲った。その背後には、革命グループ「黒の十字軍」の存在があった。十字軍の女闘士の魔手に落ち、銀行の支店長とともに人質となった叶。その機転によって事態を察知した特命課と女闘士との激しい知恵比べの行方は・・・。長坂脚本ならではのサスペンスと細かなトリックの連続による見応え十分の一本。

※第169話「地下鉄・連続殺人事件!」を最後に滝が退職。共演期間が短かったせいか、叶と滝のからみはあまり印象が残っていません。それはともかく、次回から船村刑事を加えて、以降5年以上にわたる不動の陣容が確立します。

(4)第170話「ビーフシチューを売る刑事!」
7月9日放送、脚本:塙五郎、監督:天野利彦、BOX2収録(28位)
連続暴行事件を追う叶だが、逮捕した男は無実と判明。男の母親は自殺してしまう。やがて真犯人を突き止める特命課。真犯人の元彼女は、退職した船村が営むビーフシチュー屋で働いていた。誤認逮捕と母親の自殺にショックを受ける叶を叱咤する船村だが、捜査への協力はかたくなに拒む。人を逮捕するという「怖さ」に直面して苦しむ叶と、その「怖さ」を知り尽くしているがゆえに、再び直面することを拒む船村。この後長きにわたって描かれる両者の師弟関係の端緒となる一本。

(5)第175話「ナイター殺人事件!」
8月27日放送、脚本:池田雄一、監督:田中秀夫、BOX10収録(23位②)
叶の引っ越した団地で起こった銃殺事件。当初は子供の悪戯によるライフルの暴発と見られていたが、叶は子供の母親の態度に疑問を抱く・・・。団地内という独特の社会に構築される人間関係のえげつなさと、叶の子供に対する視線が見所。

(6)第186話「東京、殺人ゲーム地図!」
11月19日放送、脚本:長坂秀佳、監督:田中秀夫、BOX6収録(52位)
男女を交互に狙い、被害者の服のボタンを奪うという異常な手口の連続通り魔事件が発生。さらなる事件の発生と、捜査の難航を予告する評論家は、叶の元上司だった。マスコミを通じて警察の無能を糾弾する元上司の言葉に反発し、必死の捜査を続ける叶。ようやく突き止めた犯行動機は、想像を絶するものだった・・・。長坂秀佳の特異な発想と巧妙なストーリーテリング、そして叶の悲壮感あふれる捜査が光る傑作。

(7)第190話「償い」
12月17日放送、脚本:石松愛弘、監督:佐藤肇
第179話「面影」、第184話「慕情」に続く小泉純子3部作の完結編。「面影」でも重要な役割を占めた叶ですが、今回はより深く事件に関わります。
サラ金の強引な取り立てによる犠牲者が続出するなか、背後に暴力団の存在を察知して捜査に乗り出す特命課。足を洗おうとしている取立人に接触し、捜査への協力を依頼する神代。偶然、事件と関わった純子は、かつて同様の捜査方法の犠牲になった父親の姿を重ね合わせ、取立人を救おうとするが・・・。
純子役の女優の演技に生理的嫌悪を覚える人は少なくないと思いますが、このエピソードを抜きに三部作の評価は語れません。先の2作がDVD収録済みなだけに、早期の収録が待たれるところです。

叶刑事主演作リスト(その2)につづく