腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



お待たせしました!「ROLEXの秘密シリーズ好きです」という声もチラホラいただく今日この頃。久々の第5弾。

今日はROLEXを買うと必ず付いてくるインターナショナル・ギャランティ(国際保証書)について。ROLEXのオーナーじゃない人は「なんや!おもろないな!」と思うかもしれませんが、まぁ聞いて。

国際保証書と言うから、たいそうご立派な物かと思いきや、ペロンとした薄っぺらなB5サイズより小さな紙切れです。
この紙切れにリファレンスNO.(型番)が記入してあり、シリアルNO.(固有番号、製造番号)が小さい穴でパンチされています。そして販売店のスタンプと購入日の日付。ここまでは他のメーカーの保証書とほぼ同じ。
しかし、ROLEXの保証書にはもう一つ3桁の数字が左上にパンチされています。(写真参照)これなんだ?
これは、カントリーコードと言って、スイスの工場からどの国に出荷したかが判るように出荷国の番号を入れているのです。

そのカントリーコードの一覧は
010 フランス
018 フランス
022 スウェーデン
036 オランダ
100 ドイツ
110 スイス
119 コメックス(フランスの潜水会社)
133 ベトナム
160 ロンドン
228 アメリカ
253 アメリカ
400 香港
413 韓国
430 シンガポール
440 台湾
527 中近東
700 カナダ
720 メキシコ
781 サンチャゴ
810 オーストラリア
888 香港
900 日本

まだまだ他にもあるみたいですが、上の表から、百の位が0~1がヨーロッパ、400番台がアジアらしいですが、一概にそうとも言えないみたいです。特にROLEX側もこのカントリーコードに関しての正式ものは公表してません。
というか、このコードだけではなく、ROLEXという会社はもの凄い秘密主義。生産に関するデータや工程はもちろんのこと、新製品の発表まで完全に秘密。デザインの小さな変更も販売店が入荷時のチェックで初めて知ることも少なくありません。なぜベトナムのコードが133なのか教えてくれるはずがない!

で、日本に入ってくる並行輸入品のほとんどが香港出荷のもの。7~8割くらいではないでしょうか?販売員をしていた頃は、ちょっとROLEXを知っているお客様が
「おにいちゃん、このROLEXのギャランティ見せて!」と言って、
「なんや!香港か!ヨーロッパ無いの!?」って聞いてきたりしました。
「はぁ?」どこの国も同じです。逆に言うと、ヨーロッパ出荷の物よりアジア出荷の方が丁寧に管理・保管されているので、ケース本体やブレスの小傷が少ないのですよ。ヨーロッパの販売店ってROLEXよりも高級な時計を扱いなれているからか、ROLEXクラスの時計の扱いが結構雑だったりします。アジアではROLEXはステータスシンボルですからね。大事に大事に保管します。それを「なんや!香港か!」って無知もはなはだしい。
もう一度、ベースランニングからやり直しですわ!「はい!ベーラン20周!」

ヒートUPしてきたので、今日はこのへんで。

ROLEXのギャランティだけ3枚も持っている腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。なぜ持ってるかは言わない。

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