巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
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僕達のインタラクション

2017-04-26 22:46:45 | 
僕を取り巻く無色透明の空気
目に見えない重力と圧力
僕は畏れの感情を隠せない
闇を切り裂く君の叫び声
僕が帰る道はただひとつ

悲しみは何千倍、喜びは何万倍

僕達は人生に何を描くのだろう
君はこの世の謎ばかりかき集める
僕の辞書には何だって書いてある
君はページをめくり謎解きに必死

抽象化すれば答えなんて全て出ている

氷水をぶっかけられたような顔して
君は何を期待していたのか
僕が彼女を携えて現れたときの狼狽ぶり
僕達の関係を邪推しないでほしい

糸を巻き取るような感じで
僕は君の関心を惹きつける
そして君の心の中のある一点を指差す
ほら、落し物だよ
僕にしか見えない君がそこにいる

感情のスローモーション
君は僕のいじられキャラ
もっともっと僕を追い込んで
僕のモチベーションを上げてくれ

相反する二人の存在

2017-04-26 00:08:55 | 
割れ物注意のラベル
僕はガラス細工の人形
君が振り下ろすハンマーで
音を立てて崩れ落ちる

一日を乗り切ることは
そんなに楽じゃない
今日もどれだけ耐えたことか
表情には出さないけれど
プレッシャーで破裂寸前

贅沢は言わないから
僕の不安を拭い去って
我が儘な言い分だけど
ほんのちょっとでいいから
僕が生きる手助けをしてよ

君はヒューマニズム欠落者
問答無用に僕を切り捨てる
まるでクレジット決済のように
巧みにこの世を動かすけれど
僕みたいに不器用な人もいる
そのことをわかってほしい

君なしで生きられないけど
君の存在自体が僕の不要論
僕は結局どうすりゃいいの
不要物の烙印を押された獣

街の灯りが涙で滲む

皆様、今日は閉店します
明日は臨時休業したいです
さすがに許されないかな?
なんだかんだで僕は一日の約半分を
事に仕えることに浪費する時食い虫

ロマンス無用の一人旅

2017-04-25 00:36:22 | 
僕は機上の人
最果ての島へ向かう

ロマンチストは幸せになれない

なんて誰か言ってたっけ
そんなのとは無縁の僕
男の一人旅にはロマンスなど無用

強がりばかり言い放って
傷付いた君をそのままに
自分も傷付いたフリして
偽りの哀愁を漂わせる

もしかして君が追ってきて
なんて浅はかな考えで
Instagramで写真を一枚アップ
恥知らずの女々しい男
「こういう奴になりたくない」
という反理想像に最接近する僕

海岸に敷き詰められた白砂
僕はキュッ、キュッと鳴る砂浜を
ビーサンで一歩ずつ踏みしめては
人差し指で地面をなぞり
付着した星砂を見つめる

僕達二人の関係はこの星砂と同様に
刺々しくイガイガしていたけれど
こんな可憐な姿には成り得なかった
だから別物、星砂にはなれっこない

餓鬼の戯れ言に夢中になる間に
鮮やかな夕焼けが水平線を覆う
別れ際のセンチメンタル
今日が終わる、明日もすぐ終わる
僕の滞在期間は実は決めてある

君がInstagramに写真を一枚アップ
思いの外、短く終わるこの一人旅
結局、僕には君がお似合いなのか
切っても切れない関係に苦笑い

明日から賑やかになりそうだ
クールに決めるのは今宵だけ
南の島のフルーティーなカクテルで
君を口説く予行演習をしよう

コンマ零秒の世界

2017-04-24 18:57:19 | 
成長の証を部屋の柱に刻み
君はどこまで駆け上がるの
君の伸びしろは無限大
じきに君の姿は見えなくなる

夢を持てない時代の中で
僕の時間は失われてゆく
コンマ零秒の短時間で
僕はどんな夢を描こう

夢など棄ててしまうがいい

時代からの無情な宣告
有無を言わせぬ絶対的存在
釈明の言葉など通用せず
僕は未来に限界を感じた

お前に未来を語る資格などない

造物主の怒鳴り声が聞こえる

不均衡な僕達の関係
この世は複雑だけれども
僕達二人の関係は単純な構図だから
君を愛する理由も、愛さない理由も
あってないようなものさ

さあ、君だけに道が開かれた
招かれているのは君ひとり
君はどこへ羽ばたくのだろう
時間的制約のない世界の中で
どこまでも遠くへ旅立つのか

君がスタートラインを跨いだ瞬間に

宇宙が分裂した

君が住む宇宙、僕が住む宇宙
時間軸の異なる二人が
同じ時空間にいたのが不思議
これが常態だと言い聞かせる僕は
コンマ零秒の時間を食い潰してゆく

幼稚な愛憎の果て

2017-04-23 19:34:43 | 
冷たい雨が霧のように柔らかに、気が付けば身体中ずぶ濡れに、すべては涙を隠すため、私は泣き顔を見せる訳にはいかないから
この涙の理由、貴方は今言えますか?

責めるべき誰かがいる訳でなく、貴方がそばにいてくれたなら、それでいいと自分に言い聞かせ、納得させる、心をアイスのように溶かしてしまう
そんな自分が時々嫌になります

貴方はそんな風に私を許す訳がないから、私は途方に暮れてしまうのです

幼稚な愛憎、責任を追及する貴方、限界に達した怒り。無限大の愛とあなたが拡大解釈しても、私は等身大でしかないのです
貴方の野蛮な愛に耐えるほどタフじゃない

もし鋼の心臓を持つ貴方が不用意な言動で私のデリケートな部分を傷付けたなら、もう一人の私が黙っていないわ
私はチャンネルを変える、まるで多重人格者のよう

貴方は何をしているの、人生を無駄に使わないでください
本当に大切なことは、貴方自身がしていることの価値でしょ

私は綴る、文字を綴って心を語る
私の言葉を愛する貴方のために、私自身のために