巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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黒と白

2017-04-20 18:04:46 | 
黒の世界
僕は脱出する機会を伺う
嵐の前のような静けさに僕達は怯えながら
明日にも訪れる悪魔の存在を忌み嫌う
僕達を取り巻く未来は
この世界に似て黒く汚れてしまうから
僕達は雑巾がけする手を止めてしまうんだ

僕達は未来を見ているようで
足元しか見ていない現実に辟易する
僕達は過去を振り返ることなく
同じ過ちを犯しながら
現在を繰り返している
積み重ねた過去、それが現実
もしかするとそれが未来かもしれない

白の世界
何色にも染まらない無色透明の世界には
辿り着かないことに僕達は気付いてしまった
漆黒の夕闇の中で映える一点の白
それが僕達が生を積み重ねる舞台
この世界の狭さに絶望する僕達は
人類という真っ黒な存在の一部であることを思い知らされてしまう

僕達は産まれながらに黒?
それとも無色透明に産まれ
様々な色を経て黒に転じた?
いずれにせよ僕達は総じて黒
僕達は黒白の由縁も知らず、この世界を浮遊する

真っ黒な存在
薄汚れた存在
ちっぽけな存在
消えゆく存在

それが僕達のすべて、今日も昨日も明日も
僕は愛す、すべての色を
黒も白も無色透明も

僕にとって自由とは

2017-04-20 14:14:41 | 
僕にとって自由とは
何なのか考えてみる

柔らかな陽射しを受け
微風に心地よく揺れて
直立する花々を見ては
その生涯に思いを馳せるのだ

君は既におおよそ解体済み
昨年までの活躍が嘘のよう
データはすべて丸裸だけれども
僕は遠い異国を戦いの地に選んだ
君の決断を全面的に支持しよう

肉体から精神を解き放て
僕が彼に何度も言ってきたこと
君は気付いてはいるけれど
すべてを受け入れるほど
君はまだ大人ではない

僕の心臓が脈打つ
生の証
君の復活を見ずして
僕は次の道へ歩めない
旅立ちの瞬間はすぐ先に
迫っているというのに

空が青に変わった
僕は黒の支配から青の象徴へ
変わる瞬間を見届けて
新しい挑戦の地に旅立つのだ
久しぶりに眠らなかった夜
僕はある妄想にとらわれた

僕にとって自由とは
君が独り立ちすることなのだろう

絶対覇権者の憂鬱

2017-04-20 00:06:12 | 
誰も彼もが憂鬱気分
今日は今日で新しい一日が流れるけど
頼りない自分を許して
力なく今日を生きるのさ

高層階のタワーマンションから
蟻んこの君達を見下ろしてみる
僕は絶対覇権者のように
すべてを操作してしまう

もしも地球の動きを止めたなら
もしも太陽を西から昇らせたら
もしも天地をひっくり返したら
誰もが空に墜落するよね
もしも、もしも、もしも

君だけは僕を裏切らないよね
こんな世の中でも信じてるから

僕達の理想は
僕達の希望は
僕達の運命は
僕達の祈りは
誰にも伝わらない、叶わないから

半ば諦観にも似た感情で
僕はハッシュドビーフを食す
都心のホテルレストラン
僕にはちょっとした贅沢
ガラにもないシチュエーション
時にはお洒落に決めて
独り身の侘しさを忘れたい

僕は都会の片隅で
運命の誰かを探して、誰かが現れて
そんな夢や妄想を抱く毎日
今日は明日への滑走路
何も起きなかった今日
明日こそは翔び立ちたい
誰も見たことのない高みへ