今日は、整備工場の中古車販売成功の秘訣ー5の在庫管理の徹底です。
本シリーズの最後になる「在庫管理」は、中古車販売の「肝」と言ってもいい。中古車販売店がつまずく最大の理由が「在庫管理」が不徹底ゆえに、資金繰りを悪くしてしまうことだ。つまり、在庫管理は販売管理とイコールといえる。
資金繰りを悪化させないためにも「在庫管理」は徹底することだ。在庫管理には、二つの意味がある。一つは、展示車の維持管理と、もう一つは在庫基準管理だ。
在庫基準管理とは、長在車を発生させないための在庫管理をするこで、言ってみれば賞味期限のようなもだ。例えば、自社の長在車は、在庫何日間かを決めることだ。90日なのか70日、120日なのかを決めること。私は60日と考えている。展示した日から60日が賞味期限だということだ。
理由は簡単、「営業利益」を出すためだ。一日の在庫経費は、金利・地代家賃・水道光熱費・広告宣伝費・自賠責保険料・重量税などの費用と価値の目減りなどで1台当たり数千円かかる。仮に一日1,500円としても60日在庫したら、90,000円の在庫経費が必要だ。これでは、営業利益は飛んでしまう。そうならないためには、どんなに譲歩しても60日が限界ではないだろうか。
この60日をキープするために、在庫基準を段階的に決めることを提案する。例えば、
・~25日以内在庫車=通常販売
・~35日在庫車 =積極販売車(プライスダウン、商品化)
・~45日在庫車 =営業割当車(営業マンに割り振る)
・~60日在庫車 =見切り車(アウトレットコーナー展示)
・60日~在庫車 =処分車(底値プライス)
といった在庫日数に応じた営業活動・施策を決めること。このことによって、長在車の発生を防ぎ、平均在庫日数40~45日をキープすることで「営業利益」を残すこと。
しかし、これが中々出来ないのも事実である。徹底するためには、自社の一日1台当たりの在庫経費を把握し、営業マンに周知徹底することから始めて欲しい。
次に、在庫管理ボードを用意し、どの在庫車が在庫何日目なのかが一目で分かるようにした「見える化管理」を導入することだ。こうしたことが徹底できないようだったら、中古車販売は止めた方がいい。在庫管理は、それほど大事である。
儲かったことは記憶にとどめておくが、損したことは忘れるのが人間である。儲かったことよりも、損しかことの方が経営には大事だ。損しない方策をとることが経営だからだ。
中古車販売は、売れればお客を増やすことに繋がるし、自社の顧客を作ることにもなる。また、販売することでメンテナンス、保険などの付加価値が生まれる。その意味で、車両販売は車両利益だけではないメリットが整備工場として期待できるのだが、販売はたやすいことではない。失敗しないためにも、今までのシリーズを踏まえた体制作りを整えていただきたい。
株式会社ティオ
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