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平成22年度整備売上概要-2.作業別売上

2011年02月24日 | 業界動向

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、平成22年度整備売上概要の作業別売上高、です。

作業別整備売上は、車検整備が2兆850億円(前年比101.4%)、定期点検整備は3,128億円(前年比110.1%)、
事故整備が1丁2,071億円(前年比108.8%)、そしてその他整備が1兆8,820億円(前年比94.3%)となった。

その他整備である一般整備が唯一マイナスになったのは、入庫台数が減ったのか、単価が減ったのかが概要では
分からないために、原因がはっきりしないが、概要の解説では、リーマンショックの影響で、カスタマイズ需要マインド
が後退したとしている。

私は、それらの理由に加えて故障修理が減っているのではないかと推察する。
走行距離が減っているし、品質の向上による不良故障なども減っているのではないかと推測する。

また、電子化によって本来不調をきたすような現象でも、コンピューターが補正してしまって、故障が明確に
現れないようなことも、故障修理を減らしているのではないかと考える。

エアーバックでは100台に1台、ABSでは17台に1台の割合で不具合が見られると、BSサミット事業組合の
統計が出ているという。こうした不具合はスキャンツールを使わないと、発見ができない。

スキャンツールの整備業界普及率は、お寒い現状の様で、これではますますその他整備は減っていくばかりである。
定期点検や車検の保安基準項目として設定されるといったことも、必要になってきていいるときだけに、他社よりも
早く導入し、売上面の対策ばかりではなく、お客さまへの安心メッセージを届けるといった、本来の整備業の
使命を果たすことが必要ではないだろうか。

さて、定期点検が前年比で二桁の伸びとなった。
この大きな要因がディーラーによるところが大きい。整備専業は前年比ー0.3%、兼業工場は同ー18%、自家工場は
-12.4%と三業態ともマイナスだったが、ディーラーは+20.1%と一人勝ちであった。

この結果、定期点検のディーラーの売上シェアは67.3%となり、約7割がディーラーの売上である。
昨今の新車ディーラーの営業マンは、車検獲得よりも定期点検の獲得に力を入れている。

その結果が前年比二桁の実績となった。TIO21ブログで何度も繰り返しているが、定期点検は、
点検の整備売上といった側面だけはなく、車検の予約に直接結びついたり、代替の潜在的な予約客になったりと、
他の影響の方が大きい。

ディーラーは、そのことを十分理解していて、営業マンに定期点検の獲得にハッパをかけているのだ。
専業工場や兼業工場は、このことを十分に理解し、今一度定期点検の入庫促進推進に万全を期する
必要がある。

車検整備を業態別見てみると、専業工場と自家工場が前年比プラス、ディーラーと兼業工場が同マイナス
となった。ディーラーや兼業工場は、エコカー減税・補助金などによって、21年より後半から新車販売が
好調で車検を取らずに代替したユーザーもあったことが要因として考えられる。

専業工場の車検整備売上高は9,038億円(前年比106.0%)、ディーラーは8,130億円(同101.0%)で、
専業工場の方が売上シェアは高い。専業工場は、この実力を定期点検でも発揮して欲しい。


株式会社ティオ
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