おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備売上の要素は6つあったの6回目です。
整備売上6つの要素の「入庫機会×対象台数×入庫促進×提案品質×買上単価)×CS」の5つ目「買上単価」は、管理客、新規客も同じ検討課題である。
買上単価は、前回のTIO21ブログで述べた買上点数を増やすことも単価アップになる。点数を増やすのはオーソドックスな方法で、「クロスセーリング」と言われ、関連商品を販売することだ。エンジンオイル交換に、フラッシング、オイル添加剤などを販売するのが、その一例である。
ラーメンに煮卵・コーン、ハンバーガーに飲み物・ポテト、牛丼にお新香・卵、お蕎麦にかき揚げ・卵などが思い浮かぶ。また、○○セットというように、予め関連する商品をまとめて販売するなどが、クロスセーリングに当たる。
買上単価とは、このクロスセーリングではなく、商品単価を高めることで売上アップを図ることを指す。したがって検討課題として「品揃え×レート」が対象となる。
品揃えは、商品のランクを揃えることだ。エンジンオイルで言えば、一般的な「10W-30」だけではなく、省エネ型オイルの「5W-30」や「0W-30」などを揃え、購買単価をアップさせる。俗にいう「松竹梅」的な品揃えだ。
ブレーキフルード、ブレーキパッド(スポーツパッド)、バッテリー、LLC、ワイパーブレード・ゴムなどの商品をランク(品質)ごとに品揃えして、お客さまの運転特性や車両によって、お勧めできるようにしておくことだ。
また、品揃えの一部になるのだが、提供の仕方(付加価値)で買上単価を上げることも可能だ。その一例を紹介する。宮城県の旧古川市にある小さな認証工場では、エンジンオイルの種類を20以上も揃えてある。社長は、もう3から4種類増やしたいという。この工場のエンジンオイル交換料はオイル代込みで1.3万円前後になる。
これだけの料金がいただけるには、秘訣がある。オイルは、ペール缶か4リッター缶でしか仕入ない。ドラム缶では仕入れていない。ペール缶は封を開けた缶には、必ずビニールで囲ってチリやゴミなどが入らないように管理している。
エンジンオイルは、完全に抜く。そのために、エンジンフィラ―キャップを外し、ここから自社で開発した治具でエアー圧力を掛けて、一滴残らずオイルを抜く。
新エンジンオイルを注入するのも、オイルジョッキーでガバガバと目見当で量を入れることはしない。メモリーがついた計量カップで量を正確に測ってから注入する。当然、オイルグレードは、走りの癖とエンジン特性に最適なオイルを選んでいる。コンサルティングセールスによって、単価アップを行っているのだ。
在庫経費や管理に負担がかかる懸念もあるが、お客さまに最適な商品を提案できるという、会社の特徴作りになり、仙台市内やそれ以上の遠方からもお客さまがオイル交換にやってくる。
品揃えのもう一つは、車検や点検整備などは、どのクルマも同じ点検内容ではなく、過走行車や低年式車は、点検箇所・点検方法を、従来の点検の他に加えると同時に、別な基本料金を設定して販売することも検討してほしい。これも品揃えの一つである。
さて、もう一つの検討課題のレートとは、レバレートのこと。今皆さんの整備工場で設定しているレバレートは、利益が出る額になっているだろうか。値上げをしろと言うことではなく、適正な額であるかをまず見て欲しいのだ。
地域相場的なレートでも利益が出る額であれば問題ないが、ちょっと怪しいと思うのであれば、きちんと自社の現実の数字を使って、計算して確認することだ。
デフレで上げる価格改定が出来にくい昨今だが、利益が出ないのではお客さまに十分なサービスを提供できないことになる。値上げが出来ないのであれば、サービスや経費を削ること。
保有台数が減少する現在、この単価は整備経営にとって重要なファクターになってきている。売上減少をカバーするには「量」が望めない時代では、「単価」をキープする・アップしてカバーするしか方法はない。
その方策は、前回のTIO21ブログの買上点数を増やすか、買上単価をアップする二つしかないのだ。新しい商品の導入なども今まで以上に積極的に進めて行く必要がある。
あしたは、最後の6つめ「CS」について考えたい。
株式会社ティオ
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