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整備売上の要素は6つあった(3)!

2010年04月14日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備売上の要素は6つあったの3回目です

整備売上6つの要素の「入庫機会×対象台数×入庫促進×提案品質×買上単価)×CS」の二つ目「対象台数」は、管理客と新規客によって「検討課題」は違ってくる。

管理客の検討課題は「管理台数×入庫率」の二つがある。管理客とは、何らかの取引があり顧客データとして残っていて、車検や点検のDMを発送したお客であることが前提になる。

この前提のもと、まず管理台数だが、顧客データが残っていても、それが正しいデータでなければ意味のない台数である。正しいデータとは、お客さまがデータ上の所在地に住んでいて、データー上の車両を継続使用していること。したがって、代替したり、廃車してしまったり、営業圏外に転居したデータを、小まめにメンテナンスして、現状一致した生きた顧客だけにしておくことが大事になる。

入庫率は、対象となる管理車両が実際に入庫した割合だ。この比率は、計算ですぐに求められるが、入庫率よりもその裏返しである「未入庫率」の未入庫理由を把握し、その理由を潰していくことが必要だ。このことによって、入庫率は改善され、対象台数が多くなる。

未入庫の理由を車検で見てみると、「他社車検」「義理車検」「他社代替」「自社代替」「その他」となる。義理車検とは、管理客の家族・親戚や友人が整備工場などに勤務していて、車検をその整備工場に出した場合を指す。この義理車検は曲者で、体のいい断りに使われていることも多いので、真偽のほどを調べる必要がある。

これ以外が、他社車検となる。この他社車検は、何故他社になったかの理由を明確にすること。値段に難があったのか、入庫促進活動が不活発だったのか、絆造りができなかったのか、接客その他に不満があったのか、技術的に見劣りしていたのかなど、理由を出来る限り明確にすることが、次回の入庫率を改善することになる。

次に新規客の場合だが、新規客の検討課題は「商圏対象台数×反応率」がある。商圏対象台数とは、商売する範囲に乗用車が何台、軽自動車が何台という単純な保有台数ではない。乗用車のうち「独身が保有している台数」とか、「シルバー世代の保有台数」などといった、ある程度セグメントされた台数を指す。

つまり、どの客層をターゲットにするかで商圏対象台数は変わってくるし、広告宣伝なども変わってくる。このターゲットを明確にしないで、やみくもに広告宣伝しても対象台数は増えない。

商圏内対象台数は、地域の所得層別人口、年齢別人口、性別人口などの地域特性データをもとに、商圏攻略データを作成し、ターゲットを最終決定をすることになる。最近は、商圏攻略データを提供している会社もあるので、利用するとよい。

対象となるターゲットが決まれば、もう一方の検討課題である反応率を高めることを考える。ターゲットの嗜好やライフスタイルに合わせて、広告媒体(地域コミュニティ誌、フリーペーパー、チラシ、ラジオ、テレビ、ポスティング、野立看板、交通広告など)、キャラクター、基調色、キャッチコピーなどを決めていくことになる。

新規客の開拓は絶対に必要だが、優先するのは管理客台数だ。したがって、入庫率をしっかりと把握し、未入庫の理由に改善のメスを入れて、管理客の対象台数を増やすことを重点に取り組むことだ。それが、結果的に新規客の潜在的なファンを作ることになる。

明日は「入庫促進」について考えたい。


株式会社ティオ
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