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ふらり七尾の街歩き~其の二 in 石川県七尾市

2017年12月23日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・石川県

紅い欄干の仙対橋から御祓公民館まで、約450mほどの「七尾一本杉通り」。600年以上の歴史を持った街道は今も往時の面影を忍ばせ、訪れる旅人に優しく語りかけてきます。明治から昭和期に建てられた七尾町屋には、国登録有形文化財の建物が幾つか残されています。一本杉通り町屋の中では珍しい、木造二階建の看板建築「多田邸 旧上野啓文堂」

昭和7年頃の建築で、万年筆とインク壷の形態を造形化したユニークな外観が扱う商品をしっかりアピール。

紺の暖簾の奥から香ばしい香りを漂わせるのは、木造二階建・土蔵造の「鳥居醤油店」。藩政時代から商家として和菓子製造を営んでいましたが、明治38年の七尾の大火で消失、明治41年に再建されました。現存する七尾町家の数少ない一つとして、道行く人の足を止めさせます。

2015年の訪問では店内に「花嫁のれん」が飾られていて、ひとしきり素敵なお話を伺わせて頂きました。こうした美しい風習は、地域の伝統であり文化でもあるもの、大切に守って欲しいと思います。

道の駅に展示されていた「花嫁のれん」

のと鉄道七尾駅の構内に掛けられていた「花嫁のれん」。美しい郷土の伝統、大切に大切に受け継がれていきますように。

明治43年築の「高澤ろうそく店」。石川県で唯一、和ろうそくを製造するお店だそうです。七尾の大火後に普及したという、土蔵造りによる七尾:町家。その典型的な形を伝える商家建築です。

お店の表に架けられた赤い和蝋燭の看板と、蝋燭の門灯。いずれも店舗と共に長い歴史を培い、しっかりと商いを主張しています。

これまで紹介した町屋の中で唯一、明治38年の七尾の大火を免れたのが「北島屋茶店」。木造二階建、明治37年頃の築とされる建物は、伝統的な腕木構造を伝える典型的な七尾の町家。

歴史のある町並みに溶け込むような「高澤勇吉商店」。屋根の下に並んだ銅版の看板は迫力があり、つい足を留めて見上げてしまいます。 文字の感じからしてそんなに古いものではないようですが、それでも三枚並んだ様子は圧巻。

創業八十年という「昆布海産物處・しら井」。お店の構えだけ見ればもっと老舗な感じ。白い帆布の暖簾が重厚な黒漆喰の壁にとてもマッチし、ついつい誘われて・・。

「花嫁のれん館」でお会いした「御菓子処・花月」の奥様。お誘いに甘えてお店の中を見せて頂きました。

吹き抜けの天井の重厚さに、さすが老舗の佇まいと心の底から感心した事が忘れられません。

「花嫁のれん館」には、小さな仏間がしつらえられ、その前に花嫁のれんが架けられています。花嫁は、仏間の入り口に架けられた花嫁のれんを潜って嫁ぎ先のご先祖様にご挨拶をします。

でもその前にもう一つ、大切な儀式が残されています・・・それがこの竹筒に入った「合せ水」。花嫁はまず玄関先で、持参した実家の水と婚家の水を半分ずつ杯に入れて飲み干します。そのあと杯は割られ、花嫁は嫁ぎ先の玄関を潜り、花嫁のれんを潜って婚家の人となるのです。この美しくも固い誓いを思わせる日本の風習。ああ・・・日本ってなんて美しい国なんだろう。

訪問日:2011年10月18日&2015年5月20日

 


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