コロナを打ち破るPGA
アメリカの不屈の精神
日本は、早く世界水準に急げ
コロナの影響で、世界のゴルフは停滞していたが、さすがアメリカ、USGA をはじめ、USツアー、PGA, LPGAが無観客でも動き始めたのは、周知であろう。USツアーをはじめ、選手の生活をさせる点では、国家以上の働きをしている。それは、財政的にも豊かである証拠でもある。今年のメジャーは、PGA選手権よりスタートを切った。5月に組まれていたこのPGA選手権は、8月に伸びて、にぎにぎしくスタートラインに立ったわけだ。PGA選手権は、ツアー選手のランキング100位までと、PGA Americaのクラブプロ(通常、ゴルフ場のマスター室に在)の選抜選手権で、予選を括り抜けた猛者がPGA選手権にエントリー可能でプレーをしている。職業がツアープロではないが、一歩も引けを取らない技術は、高く評価されて、上位に着込む力を持っている。彼らは、クラブに戻ると、クラブの切り盛りを任されていて、日本の経営者のような高い位置にある。クラブのコアといってもいい。今年の102回選手権は、サンフランシスコのハーデイングパークはオリンピッククラブの隣の会場である。7250ヤードと長くはないが、パー70は、選手には、かなりの高等技術が要る。ジェイソンデイが初日を5アンダーにしてトップをいく。タイガーを筆頭にノータブルが顔を出す。ケプカの活躍をもまた、ゴルフファンに期待を持たせるメジャーに強い選手である。 石川遼は、ワンストローク不足で、ステンソン、ザックジョンソンやリッキーファーラーとともに予選通過ならずとも、手ごたえがあった試合であったと推察する。見習うべきは、最後の精神高揚であろうか。
ワン―オーバーまでの選手が通過、36ホール目、長い10メートルをたたき込んで、フィルミケルソンは、通過、JT (ジャスチントーマス)もタイガーウッズもきちんと決勝へコマを進めた。英樹は、余裕の3アンダーとして16位で決勝へ、メインイベンターの存在を顕著にした。トップは、中国のリーパヲトンで、8アンダーで並み居る強豪を抑えて堂々の首位に立った。デイ、ケプカ、ローズを優勝候補に挙げていたが、やはり牙城に迫る勢いは朽ちない。飛ばし屋が有利ではないハーデイングパーク、グリーンサイドのスクランブルリンクが物を言う、本物志向のPGA選手権である。世界一のプロゴルファーを目標に各選手が鎬を削る4日間、160名から半数以上が落脱、メジャーの開門には、並々ならぬ闘志と実力が備わっていないと触れることさえできない。日本のプレヤーがメジャーを戦うためには、経験値が高いクラブの存在が、わが国にないので、不利な要素が多すぎる。ゴルフ技術が進歩していない現在を考えると、メジャーがまさに遠く感じるのは、記者だけか。松山英樹だけに日の丸を背わせるのは、いささか気が引ける現状である。檄致でも論評してきた通り、日本のゴルフの世界水準への挑戦は、始まったばかりであるにしても、世界水準の狼煙を揚げるのは、各ゴルフの識者がこぞって研鑽し全アングルからプロゴルファーの徹底した教育指導をする意気込みを忘れてはならない。世界水準に達する選手育成には、技術を磨くコースが提供されなければ、絵にかいた餅になろう。体、精神、技術、知能、判断力、決断力、語学、資金、おしなべて、それぞれが必要であろう。一人の努力で、マスターできない範疇であるがために、国家戦力と思考しても差しつかえない。 大学生になってからでは、遅い。小学生のころから、徹底した英才教育を促し、国家プロジェクトの中に、未来の像を作っていく心がまえを期待する。すでに、世界は、ジュニア教育に時を待たない。 この点だけでも、わが国は、遅れている。一応、JGAやPGAなど組織がお飾り的にレッスン教室と試合を挙行しているが、めぼしくない。理由は、教育の「根本原理を理解していない無手勝流的な上からの押し付けであるからだ。ジュニアで育っても、日本のプロになるだけで、とても世界水準どころか、アジアの水準にも届かない欠陥性教育で欠落がはなはだしい。だから、第2の松山英樹は、誕生しない。松山さえ、英語に苦心して今一つ、波に乗り切れない状況を理解してほしい。
語学は、前述の如く、体、精神、技術、語学と位置付けてもいいほど、プロが世界で活躍するためには、情報の収集が自由に手に入らなければ、試合に集中できない。これはあくまで、わが国のプロではなく、諸外国で活躍するプロをターゲットにした話であるから、誤解しないでほしい。(古賀剛大)
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