秋田県横手市増田町 千葉建築のブログ

秋田県の県南、横手市増田町の工務店、(有)千葉建築のブログです。
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考古学のはじまり

2010-06-18 08:36:23 | 建築日記
6月18日(旧暦5月7日 三碧 大安 己亥)


おはようございます。横手市増田町の工務店、千葉建築です。

北東北は梅雨入りしましたが、昨日は「五月(さつき)晴れ」の一日となりました。

そのおかげで屋根工事も目途が着き、次の段取りへと順調に進めそうです。


まもなく季節は「夏至」を迎えます。

一般には「昼の時間が最も長くなる日」ですが、正確には太陽の高さに関連があります。

詳しくこの説明をしてしまうと、6月21日の話題が無くなってしまいますのでやめておきますが、たびたび話題にしている二十四節気もこの「太陽高度」が根拠となっています。


その3日前の「6月18日」、つまり今日の日付で検索すると、昔あった出来事がいろいろと出てきます。

有名どころでは1815年、ベルギーのワーテルローで皇帝ナポレオン1世のフランス軍がイギリス・オランダ・プロシアの連合軍に撃破され、やがて退位へと追い込まれた「ワーテルローの戦い」がありました。

しかし、今日はその話題とは別のものをご紹介したいと思います。


1877年(明治10年)、日本にある一人のアメリカ人が来日しました。エドワード・モースという動物学者です。

彼は特に貝類に関しての研究に熱心でした。

また当時は、1859年にチャールズ・ダーウィンの『種の起源』によって進化論が発表されていました。

モースは進化論に影響を受け、貝の起源を「腕足動物」という海の動物に求めました。

腕足動物 シャミセンガイ 仙台市科学館


そして上記の77年に、腕足動物の多い日本に研究のために私費で訪れました。

まずは文部省を訪れ、その採集の許可を得ることが先決でした。

到着から2日後の6月20日、彼は横浜から東京・新橋に向かうために列車に乗りました。


途中、大森駅を通過してまもなく、彼はふと線路そばの崖を目にしました。

その崖には貝がらの層が露出しており、その様子からそれは古代人の生活の証「貝塚」に違いないと、彼は思いました。

貝塚にも心惹かれながら文部省を訪れると、彼にとっても幸運な依頼を受けました。

モース来日の2ヶ月前、初の近代大学として東京大学が開設されており、彼にそこの理学部(動物・生物学)の教授に就任してもらえないかということでした。

こうして先の腕足動物の研究と、貝塚の発掘調査の可能性を得ることが出来ました。


同年9月から始まった発掘によって、縄文式土器をはじめ石器類や人骨・獣骨などが相次いで掘り出されました。

こうして日本において、初となる本格的な考古学研究が始まりました。

また彼によって、「進化論」が日本で紹介されたり、2500冊以上の蔵書を購入して東大図書館の基礎をつくるなど、さまざまな貢献がありました。


考古学は、文字の無い(使われていないか記録が残っていない)時代を知る上でも、重要な学問となっています。

一つのかけらや跡から全体像を捉え、使用方法やつくられた経緯、時代背景といったものに「考え」を広げていきます。

またいろいろな分野の学問に関連して、結論もさまざまなものが導き出せると思います。


公共工事などで事前の調査や、着工後の大規模な掘削中などに、思わぬ遺跡や遺構が発見されることもあり、研究対象はあらゆる地面に埋まっている可能性があるといえます。

そして新たな発見によって定説が覆ったりと、とても興味深い分野でもあります。


小学校の授業では現在「縄文時代」を教えていないとのことでしたが、先日のニュースで、2012年度からはまた記述を復活させるとのことでした。

4月17日の記事 恐竜でも述べたとおり、若い世代に興味を持ってもらうことと、その環境づくりはとても大切なことだと思っています。

50年後の日本の教科書はどのようになっているのか、注意深く見守る必要があるのかもしれません。

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