tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

春日大社のカフェ・ショップ 鹿音(KAON)

2016年11月25日 | グルメガイド
昨日、春日大社にお参りした。「奉祝落語」を聞くのが目的だったがランチタイムだったので、できたばかりの国宝殿に併設されたカフェ・ショップ「鹿音(KAON)」で食事をいただいた。運営するのは中華料理の「桃谷樓」だ。ここで私は「四季御膳」(税込み1,600円)をチョイス。京阪神エルマガジンのサイト(10/20付)によると、


この上が国宝殿。刀剣などの展示が充実している

春日大社、新国宝殿に憩いのカフェ
10月1日にリニューアルした「春日大社国宝殿」(奈良市春日野町)。従来よりもミュージアムとしての特色が強くなったその敷地内には、カフェ・ショップ「鹿音(KAON)」もオープン、連日賑わっている。



こちらは、奈良の中華料理「桃谷樓」が運営。そのコンセプト「滋味無窮」のとおり、カフェでは子どもにもやさしい食材を使った料理を目指し、自然由来で奈良県産にこだわった喫茶や軽食を楽しむことができる。世界遺産の春日原生林の森をイメージした店内には、樹齢1000年の春日山大杉の切り株をテーブルとして設置。宮大工の技で磨き上げられた切り株テーブルは、境内の鹿や店名をイメージするようなデザインになっている。



また同店は「春日大社国宝殿」のミュージアムショップも兼ねており、神職伝統の神饌菓子「菊ぶと」を型から作ったという「菊ぶと フィナンシェ」や、大杉の年輪をイメージした春日クーヘン「千年の響 鹿音」など、春日大社の歴史にモダンさを取り入れた菓子がラインアップ。開発した青森正之シェフは、「すべて春日大社のためだけに開発したもの。奈良県産の食材が持つ味の力、奈良や春日大社らしさを感じて欲しい」と話した。



そのほか、国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」(10月31日まで開館記念展で公開中)の鞘に描かれた「竹林で雀を追う猫」をデザイン化した公式キャラクターグッズや図録も販売。一面のガラス窓で開放的な空間が広がる「鹿音」は、多くの観光客でにぎわう奈良の新たな憩いの場として注目を集めそうだ。




ランチメニューは3種類で、すべてににゅうめんがセットされている。「四季御膳」(税込み1,600円)のほか、薬膳風弁当の「春日御膳」(同 1,700円)、「いなり寿司セット」(同 1,300円)。私が訪ねたとき(午後1時半頃)には「四季御膳」しか残っていなかった。平日なのに、よく売れているのだ。カフェメニューは充実していて、黒豆パンケーキ(税込み970円)、小鹿プリンセット(同 850円)などなど。



リニューアルされた国宝殿は《王朝の美術工芸、日本を代表する甲冑や刀剣など国宝352点重要文化財971点をはじめ数多くの名宝を収蔵・展示する施設》(同社のHP)で、1階には「春日若宮おん祭(まつり)」で使われる日本最大級の「鼉太鼓(だだいこ)」が展示されている。

第60次式年造替の主な行事は終わったが、外国人や修学旅行生を中心に春日大社にお参りする人は後を絶たない。お参りのおりには、ぜひリニューアルされた国宝殿とカフェ・ショップ「鹿音(KAON)」をお訪ねいただきたい。
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奈良ものろーぐ(7)/考古学の鬼・森本六爾

2016年11月24日 | 奈良ものろーぐ(奈良日日新聞)
 張込み―松本清張短編全集〈03〉 (光文社文庫)
 松本清張
 光文社

奈良日日新聞に毎月1回(第4金曜日)連載している「奈良ものろーぐ」、10月分(10/28掲載)は《森本六爾 桜井市出身「考古学の鬼」》だった。早世したのであまり知られていないが、その短い生涯を考古学の研究に捧げた。

最大の功績は、弥生時代が水田稲作を行う農業社会だったことを発見したことである。松本清張の「断碑」という小説のモデルにもなった(光文社文庫・松本清張短編全集〈03〉所収)。当日の記事全文を紹介すると、

森本六爾(もりもと・ろくじ)をご存じだろうか。彼は磯城郡織田村大泉(現在の桜井市大泉)の生まれだ。《大正―昭和時代前期の考古学者。明治36年3月2日生まれ。郷里奈良県の小学校代用教員をへて、大正13年東京高師の歴史教室副手となる。昭和4年辞職。東京考古学会を創立、「考古学」を主宰した。弥生時代に稲作農耕が存在したことを主張。『日本農耕文化の起源』『日本考古学研究』などが没後刊行された。昭和11年1月22日死去。34歳。畝傍中学卒》(『日本人名大辞典』)。

弥生時代は水田稲作を行う農業社会だったことは、今や常識となっているが、これを最初に主張したのが六爾だった。そのきっかけとなったのは、少年時代に唐古で見つけた土器だった。底に籾(もみ)の圧痕が残っていたのだ。六爾はこの不思議を十数年、温め続けた。

六爾は旧制中学卒であり、経済的にも健康的にも恵まれていなかった。苦難のなかで研究を続けて結核におかされ、早世した。ミツギ夫人も六爾の3ヵ月前に亡くなった。松本清張はそんな六爾の悲劇的な生涯を『断碑』という短編小説に書いた。清張の芥川賞受賞後の第1作だった。


そこには「日本考古学の鬼」となり、力をふりしぼって研究と執筆に明け暮れる六爾の姿が描かれている。六爾の主張は、生前は黙殺されていた。しかし六爾が亡くなった同じ年の12月、国道の新設工事に伴い、唐古池の大量の土砂が掘りとられることになった。

土手を切り、干あがった池の底に《20台ずつ2連の、蒸気機関車の牽引するトロッコが入れられた。水をおとした池底の泥はどんどん南の方へ運び出された。と、たままち、昨日まで使っていた台所の壺やカメのように、まったく疵(きず)1つない土器や、押し潰されたような笊(ざる)や蓆(むしろ)、石でできた匙(さじ)やヒシャクが、きりもなく顔を出してきた》(藤森栄一著『二粒の籾』)。完形無疵の土器だけでも百個以上が出土した。六爾の主張が裏付けられた瞬間だった。彼の死のわずか11ヵ月後のことだ。



六爾とミツギ夫人をたたえる顕彰碑が大泉バス停付近に建つ。そこには《共に若くして 考古学に殉ず まことに惜しみてもなほ余りあり ゆかりの地唐古池の発掘調査は昭和11年12月に始まり 君の予見適中したるも 相共にその成果を見ることなし 鳴呼二粒の籾もし成長し結実しあらば 今日考古学の盛況を思ひ君の早世をいたむと共に偉大なる功績を顕彰せむとこの碑を建立す》と刻まれている。

六爾ゆかりの唐古・鍵遺跡は平成30年をメドに史跡公園として整備される予定で工事が進み、すでに環濠(かんごう)などが復元されている。ぜひ足をお運びいただきたい。=毎月第4週連載=


末尾に紹介した「唐古・鍵遺跡 史跡公園」は、いつでも見学できる。ぜひ足をお運びいただき、森本六爾の偉業を偲んでいただきたい。

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山口千代子さんの天平衣装は、こんなにスゴイ!/ならめがね 2016秋号 

2016年11月23日 | 観光にまつわるエトセトラ
「和のピントで、奈良を見つめる」と銘打った『ならめがね』(エディッツ刊)をご存じだろうか。同誌のHPによると、
※トップ画像は、同誌のホームページから拝借

「ユルい・まったり・懐かしい」をコンセプトに、ココロほどける優しい奈良を紹介する季刊誌です。書名には、「奈良がよく見えるツール」という意味をこめました。奈良が持っている付加価値の中でも、特に都会生活者が希求する「ほっとする懐かしさ」や「古き良き和の心」にフォーカスし、辛口の地元スタッフが心底ホレこんだハイポテンシャルな観光ネタを、気配のある写真と、書き手の思いが詰まった文章で紹介します。

とてもきれいなビジュアルで奈良の素晴らしさを紹介する季刊誌で、発行人・編集人は松原雄一さん。その最新号(2016年秋号 1,000円)の第1特集は「Fashion of The TENPYO なんと華麗な天平ファッション」。リード文には、

艶やかな色彩、優美なフォルム、ハイセンスなコーデに、ため息がこぼれます。奈良時代の貴族たちが着ていた装束を、現代に再現した「天平衣装」。1300年近く前、遣唐使を通じて平城京にもたらされた唐の最新ファッションは、今見てもモダン。多くの女性の憧れです。

天平衣装といえば、「平城京天平祭」などの天平行列で初めて目にしたという方も多いはず。その衣装製作を手がけているのが、万葉衣装服飾家の山口千代子氏です。

正倉院宝物や仏教絵画など、現存する資料を手がかりとしながら、そこに服飾家ならではの洋裁スキルと、女性のやわらかな感性をプラスして製作される天平衣装は、実にエレガント。見れば見るほど、お洒落心がときめく天平ファッションを特集します。



以下の写真は「万葉ファッションショー」(9/2開催)、衣装製作は山口さん。県大芸術祭のHPから拝借

どんなスゴい衣装かということは、ぜひ本誌を手にとってご覧いただきたいのであるが、勤務先でページをめくっていると、ウチの女子たちが「きれい!」「鮮やか!」を連発していた。ブログ「藤原氏と古代史推進委員会」には、

奈良を紹介している季刊誌『ならめがね』。最新号はなんと、天平ファッション特集です!!平城京天平祭などで衣裳を手掛ける万葉衣装服飾家・山口千代子さんが解説をされており、また普段は行列などで遠くから・着用時・しか見られない衣裳を、衣裳のみページいっぱいに広げた状態の写真でじっくり見られます!

衣裳の各部の名称・解説や、官位・身分によって着用できる色について、小物類を採り上げた写真、衣裳制作裏話など、華やかな衣装が好きな人はもちろん、絵を描く人や服を作る人、歴史好きにも参考になるのではないでしょうか。

個人的には、「制服」が載っているのもよかったです。天平行列でも注目を集める華やかな礼服・朝服のほかに、国の機関で働いた人々のための服(一人一着を貸与)も採り上げられています。これがなかなかシンプルで素敵。“万葉人のポシェット”様のものも紹介されており、やっぱり欲しくなってきたり!また、あの複雑な髪型も何種類かアップで掲載されているのも注目です!








同誌では3ページにわたり、山口千代子さんへのインタビューが掲載されている。一部をピックアップして紹介すると、

(天平衣装を作り始めたきっかけは)仏像が大好きで、奈良国立博物館で12年間、解説ボランティアをしていたのですが、毎年秋の正倉院展を見ているうちに、出陳される宝物の衣装や装身具にすっかり魅了されました。

(作り方は)正倉院に残っている服飾関係の宝物のほか、仏像や仏教絵画、中国(隋・唐)の古墳壁画、文献資料などを参考にして作っています。ただ、ディテールがよく分からないことも多く、そこは服飾家としての知識や技術、私なりのイマジネーションで補うようにしています。

(衣装再現のポイントは)やはり文様ですね。正倉院宝物に見られる「円花文(えんかもん 唐花文)」などを使って再現するようにしています。



赤地唐花文錦(あかじからはなもんのにしき 復元品)の文様。宮内庁のHPから拝借

(生地を探すのも大変では?)はい。だからたまに逸脱します(笑)。というのは、古着の着物と袋帯を使うのですが、特に紫色は、なかなかぴったりするものがないんですよ。

(天平行列を見るときのポイントは)奈良時代の風俗として見ていただければいいかなと思います。元明天皇の「平城遷都の詔」に参列するという設定なので、天皇たちが着ている衣装はすべて、重要な儀式の際に着用する「礼服」、その他の官人たちが着ているのは、朝廷に出仕する時の公服である「朝服」です。庶民の衣装はありません。


まばゆいばかりの天平衣装の数々が約40ページもの誌面を飾る。これはさながら、山口千代子さんの天平衣装の集大成、一大作品集である。ぜひ、本誌を手にとってご覧ください!

※11月24日追記 今回『ならめがね』に掲載された衣裳の展示会が、来年(2017年)1月の1ヵ月間、「南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館」で開催される。なお山口さんのホームページは、こちら(大阪材料株式会社・万葉衣装企画)である。
コメント (2)
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奈良市の彩(いろどり)マーケット(第6回)/11月23日(水)開催!(2016 Topic)

2016年11月22日 | お知らせ
いよいよ明日(11/23)、奈良市内で生産された農産物を生産者が直接販売する「彩(いろどり)マーケット」が奈良市役所噴水広場で開催される。午前11時からは300食限定の「豚汁の無料ふるまい」(月ヶ瀬産の野菜と奈良市産の豚肉を使用)も!奈良市のHPによると、

第6回「彩(いろどり)マーケット」を開催します!
奈良市産の農林畜産物や加工品等の販売・PRをとおして、生産者と交流するイベント、彩マーケット 今年は過去最多の20団体が集結し、奈良市の旬のおいしい!を販売します! ご家族、お友達をお誘い合わせのうえ、ぜひお越しください!!

【開催日時】 平成28年11月23日(祝 水)午前9時~午後2時 ※小雨決行・荒天中止
【開催場所】 奈良市役所噴水広場
【ちらしダウンロード】
 表面(開催日時、同時開催イベント他)(PDF538KB)
 裏面(出店団体、出店物、ブース配置、会場地図他)(PDF686KB)
【内容】
●市内で生産された農林畜産物・加工品などの販売
●いろどり豚汁の無料ふるまい 奈良市月ヶ瀬産の野菜と奈良市産の豚肉を使用
  午前11時頃~ ※一日300食限定   実施団体:月ヶ瀬温泉ふれあい市場
●木とふれあおうコーナー ひのきの木の玉がたくさん入ったプールや、奈良市都祁の間伐材を利用して作成した、木馬や木製ベンチなどの設置を予定しています。
●奈良市ポイント対象イベント 奈良市ポイントをさしあげます!※奈良市ポイントに関するお問い合わせは、奈良市環境政策課(電話:0742-34-4591)までお願いします。
【出店団体・主な販売物】
 植村牧場:米粉パン、米粉ドーナツ、飴類、牛乳、コーヒー牛乳
 NPO都祁:都祁産野菜、都祁産米、都祁産こんにゃく、他
 大野橋直売所末広屋:野菜、赤飯、草餅、山菜おこわ、ちらし寿司、他
 かぶらの会:野菜、おさつフライ
 グリーンウェーブ月ヶ瀬:お茶、お茶まくら、草餅
 高円朝市:みたらし団子、豆腐、湯葉、いなりずし
 田原やま里市場:野菜、りんご、ブルーベリージャム、茶、米、焼菓子、他
 直売所コスモス:野菜、草餅、こんにゃく、他
 月ヶ瀬温泉ふれあい市場:野菜、草餅、こんにゃく、油揚げ、漬物、他
 つげの畑高原屋:野菜、トマトジュース、こんにゃく、ゆず味噌、串こんにゃく
 奈良オーガニックマーケット:旬野菜、大和茶、和紅茶
 奈良県農民連北和センター:野菜、農家弁当、ジャム、干し野菜、ごへいもち  
 奈良市エコファーマー有志の会:野菜、米、茶
 奈良市農業研究会連合会:野菜、こんにゃく
 奈良市養鶏組合:鶏卵、鶏肉
 奈良市4Hクラブ:いちご、野菜、米、月ヶ瀬産大和茶、古都華クッキー
 奈良の郷:奈良市産野菜、米の販売
 ほたるの里大柳生直売所:野菜、柿、かき餅、餅、こんにゃく
 村田商店:郷pork、郷porkのオープンサンド、郷porkの予約販売
 大和高原日の出マーケット有志の会:米、米粉、焼菓子、玄米コーヒー
 ※販売物などの内容は変更になる可能性があります。あらかじめご了承ください。
昨年度の様子はこちら


明日(11/23)は勤労感謝の日。もとは「新嘗祭(にいなめさい、にいなめのまつり、しんじょうさい)」で、宮中祭祀だった。収穫祭にあたるもので、11月23日に、天皇が五穀の新穀を天神地祇(てんじんちぎ)にお供えし、また自ら食してその年の収穫に感謝するお祭りだ。飛鳥時代の皇極天皇の時代に始められた。

そんな日に開催される「彩マーケット」は、グッドタイミングである。皆さん、ぜひ明日は奈良市役所前へ!



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美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所(写真集)

2016年11月21日 | ブック・レビュー
 写真集 美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所
 寮美千子(編) 上條道夫(写真)
 西日本出版社

こんな素晴らしい写真集が出た。タイトルは『写真集 美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所』だ。出版を記念して、編集された寮美千子さんの記念講演会が11/22(火)午後6時半から、奈良県文化会館小ホール(奈良市登大路町)で開かれる。YOMIURI ONLINE(11/20付)「更生へ導く 建築の美 少年刑務所の写真集出版」によると、

重要文化財への指定が決まり、今年度末で廃止される奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)の写真集「美しい刑務所 明治の名煉瓦(れんが)建築 奈良少年刑務所」(西日本出版社)が出版された。明治政府が威信をかけた建物を約80枚のカラー写真で紹介し、独特の更生教育を担ってきた人たちの声を伝えている。(岡田英也)

礼拝堂を思わせるドーム屋根やアーチを備えた表門ひょうもん、天窓の光が降り注ぐ監視所、監房の重厚な木の扉など、刑務所とは思えない趣のある写真が並ぶ。ほとんどは昨年、病気で亡くなった斑鳩町出身の写真家、上條道夫さんが2010年2月に撮影したものだ。

出版を企画したのは今年9月まで9年2か月間、同刑務所で講師として詩の授業を行ってきた奈良市の作家、寮美千子さん(60)。初めて中に入った時、「威厳に満ちていながら、少しも威圧的ではない」建築美に感動したという。

 世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集
 受刑者(著) 寮美千子(編)
 ロクリン社

法務省が建物の取り壊しを検討していると知り、2年前、設計者の孫でジャズピアニストの山下洋輔さんらと保存を求める市民団体を結成。日本建築学会や県議会も、重文指定を求める意見書を国へ提出し、同省は今年7月、閉鎖後は国所有のまま民間ホテルなどとして活用する方針を示した。

写真集の後半には寄稿文や関係者へのインタビュー記事を掲載し、同少年刑務所での更生教育などを紹介。篤志面接委員の落語家、露の新治さんは「実際に出会った刑務所の教官たちは仕事を超えて教育者であることに心を打たれた」と述べている。

寮さんは「建物の美しさだけでなく、更生教育にかかわる熱意ある人たちの姿を知ってもらいたかった。閉鎖後、どのように利用するのが望ましいか考えてほしい」と話す。全国の書店で販売中。B5判、132ページで税別1800円。問い合わせは西日本出版社(06・6338・3078)。

寮さんの出版記念講演会が22日午後6時半、奈良市登大路町の県文化会館小ホールで開かれる。問い合わせは県書店商業組合(0743・53・3823)。


私も奈良市に移り住んだ当初、この美しい刑務所を見て驚いた。保存が決まってひと安心している。内部を見学させていただいたこともあり、露の新治さんの「実際に出会った刑務所の教官たちは仕事を超えて教育者であることに心を打たれた」というお気持ちも、よく分かる。出版記念講演会は明日(11/22)に迫っているが、都合のつく方は、ぜひ足をお運びいただきたい。
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