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田中利典師の「蔵王供正行/第9日 沐浴身体 当願衆生 身心清浄 内外無垢」

2024年03月04日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈蔵王供正行9日 「沐浴身体 当願衆生 身心清浄 内外無垢」〉(師のブログ 2015.5.9 付)である。利典師は水行(沐浴)のとき、この「沐浴身体…」を唱えるのだそうである。
※トップ写真は、写真家・野本暉房(てるふさ)さんの撮影 、名付けて「行者と炎と祈祷札」

「沐浴身体…」はリズムがあるので、偈(げ=経典のなかの詩句の部分)のようなものだろう。この日も東京と吹田(大阪府)からご参拝者があった。師の風邪は、まだ治りきらないようだ。では、全文を紹介する。

「沐浴身体 当願衆生 身心清浄 内外無垢」
蔵王供正行9日目(5月9日)。晴れのち曇り。今日の一日。

5時前に起床。
5時半、第17座目蔵王権現供養法修法 於脳天堂
7時、本堂法楽・法華懺法      於本堂 
9時、第18座目蔵王権現供養法修法 於脳天堂
10時半、本堂法楽・例時作法     於本堂
12時半、水行           於風呂場
13時、法楽護摩供修法       於脳天堂
14時、本堂法楽・法華経読誦    於本堂
    参拝者2名。

****************

「沐浴身体 当願衆生 身心清浄 内外無垢」
昨日の日記にも書いたように私は30才のときに、最初の参籠修行を自坊の脳天堂で行い、護摩焚きを49日間行った。実は18才で、四度加行という正式な密教行者にとっては基本中の基本となる経歴行階の修行を果たし、護摩を修法する資格と技術を取得したのだが、その後の学生生活などを通じて、すっかり護摩の作法など忘れていたのが本当のところ。

26才で金峯山寺に入寺するが、最初は小僧みたいなものだから、そう毎日護摩を焚くなどというようなことがなかったので、たいそう頼りない修験僧だった。

それで、30才の時に一念発起して、一時、自坊に戻り、護摩行を49日を行ったのである。そして、そのお行以来、私は護摩を修法するときは必ずその前に、水垢離を取るようになった。いちいち滝に入るとなどというようなたいそうなことではなく、その所々のお風呂場で水をかぶって体を清める程度ではある。

でも、もうこの決め事は30年あまり続けていて、それこそ、東京に行こうが、九州に行こうが、護摩を修法するときは必ず水行を行じている。死ぬまで続けるというような覚悟もないし、水行が出来なくなったら護摩をやめるなどというような決意なども持ってはいない。要は私自身の問題として、いまは水行をしているということだ。

「沐浴身体 当願衆生 身心清浄 内外無垢…」と唱えて沐浴するのが行中の定めである。もちろん今回の蔵王供祈願法楽の護摩でも、毎日水を浴びている。一昨日から風邪のせいでかなりへばっている。昨日今日は声が全く出なかった。

それでも、水だけは外せない。ハレとケを行き来するという、私にとっての通過儀礼であり、日常の俗なるケを落として、聖なるハレの護摩行に入るのである。ま、この時期の水行は一番楽ではあるが…。なお、林南院の脳天堂の護摩は、ふだん、一般の方はお堂の外からお参りいただくが、今回の化他行蔵王供法楽護摩では人数さえゆるせば、堂内に入って、護摩の随喜をしていただいている。

かの最福寺・池口恵観和尚が、清原や金本などの有名野球選手をお参りさせて、「護摩行」というパフォーマンスが一般化した感があるが、まあ、いわばあの護摩行体験に近い感じでお参りいただいている。ただし、リングサイドだからといって、某寺のような高額な志納金などは要求しない、…というか無料である。

今日は東京から来山いただいた船田さんと、弘法トレランのトークセッションで話を聞いて吹田から電車で尋ねてこられたYさんに随喜していただいた。船田さんは神仏霊場会や金峯山寺の公式サイト制作を担当していただいてとても親しいので、今日の護摩でも、映像取材をやってもらった。そのうち、どこかで紹介してくれるとのお話である。

みなさんもよろしければ、護摩開始の午後1時より少し前に御来山になれば、ご随喜していただけます。但し、これからの時期、かなり熱いですよ。

今日の写真はまたまた4度目の、野本さんの写真です。名付けて「行者と炎と祈祷札」でしょうか。
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1 コメント

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明治維新ものづくり花神 (グローバル・サムライ)
2024-03-04 14:49:43
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より特殊鋼関係はもとより様々な分野で脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。日本的というか多神教的なこの科学哲学はっどこか懐かしさを覚える
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