tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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吾平津媛命(あひらつひめのみこと)を祭る 嗛間(ほほま)神社/毎日新聞「やまとの神さま」第43回

2023年05月14日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2023.5.11)掲載されたのは〈嗛間(ほほま)神社(御所市)/神武天皇の最初の妻祭る〉、執筆されたのは同会会員で桜井市在住の福原康之さんだった。

最近は神武天皇社(御所市柏原)をお参りする人が増えているそうだが、すぐ近くの嗛間神社に足を運ぶ人はまれだ。私は同社総代で、ここを管理する藤井謙昌(よしまさ)さん(会社の先輩)に教えていただいた。ブロック塀の中に小さな祠(ほこら)がある。ご近所で婚礼があった時は同社の前に白い幕を張り、しかも行列は同社の前を避けて通るのだそうだ。では、記事全文を紹介する。

神武天皇の最初の妻祭る
嗛間(ほほま)神社は御所市柏原(かしはら)にある神武天皇社の境外摂社で、神武天皇の最初の妻・吾平津媛命(あひらつひめのみこと)を祭ります。

天皇が東征を果たした後、三輪の媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)を正妃に迎えたため、吾平津媛命が微妙な立場になったことに配慮してか、当地では婚礼の際に神社の前に白い幕を張り、行列が神社の前を通るのを差し控える風習が、近年まで続いていたそうです。

吾平津媛命は宮崎県日南市の吾平津神社でも祭られ、鹿児島県鹿屋市にも吾平の地名が残ります。大隅半島には柏原(かしわばる)の地名があり、神武東征の九州と大和の関連を想像すると、興味を覚えます。

日本書紀には、神武天皇が当地の近くの丘から大和盆地を見下ろし、トンボ(古名は「あきつ」)が交尾して飛んでいる国だとたとえた故事から、日本国の別名を「秋津島」というようになった伝説が紹介されています。

周辺には、石室が見学できる国史跡・宮山古墳(室大墓古墳)や、修験道の開祖・役行者の生誕地とされる吉祥草寺(きっしょうそうじ)などの史跡・寺社が点在しています。

春の一日、古い歴史に彩られ、清酒やしょうゆ、豆腐などの特産品に恵まれた御所市を訪ねてみては、いかがでしょうか。(奈良まほろばソムリエの会会員 福原康之)

嗛間神社の𧙈(ほこら)=御所市柏原で
(住 所)御所市柏原325
(祭 神)吾平津媛命 
(交 通)JR掖上駅から徒歩約10分
(拝 観)日中開扉時は自由
(駐車場)無
(電話)0745・62・2141(同社総代・藤井謙昌(よしまさ)さん)


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