tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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観光地奈良の勝ち残り戦略(4)県観光強化に求められているもの

2007年04月07日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
奈良コンベンションビューロー理事長の箸尾達哉氏(奈良パークホテル代取会長)が「県観光強化に求められているもの」というタイトルの提言を、(上)(下)2回にわたり奈良新聞(4/5~6)に寄稿された。

業界代表者の提言であり、最近このブログで議論していたこととも重なるので、以下に要約して紹介したい。

【1.外国人観光客:ニーズの多様化進む 大阪はアジアに人気】

・小泉前首相が提唱した「ビジット・ジャパン・キャンペーン」により、昨年の訪日(インパウンド)観光客数は過去最高の733万人となった。しかし関空を起点とする「国内ゴールデンルート」(大阪→奈良→京都→名古屋→箱根→東京)に依存してきた奈良や京都は、外国人客の訪問率がここ数年低下している。

・その背景には、東アジア(韓国、台湾、香港、中国)系旅行者が、同様の歴史・文化を持つ奈良や京都を敬遠することや、リピーターが増えて新しい刺激が求められるのに、それに十分応えられていないことが挙げられる。

・一方、大阪への訪問客は増えている。これはショッピングや繁華街散策、グルメなど「都会的な雰囲気」を楽しみたいアジア系旅行者のニーズに応えているからである。

・国内旅行では「果物や野菜の収穫体験」「陶芸・木工などの工芸体験」「ガイド付き体験ツアー」などが注目されている。

・インバウンド向けには「日本的な歴史・生活文化に触れたい欧米人」「都会的な雰囲気や観光スポットを好むアジア系」「ゴールデンルート重視の中国人」など細分化が始まっている。

【2.広域連携の必要性:大阪との相互補完を 全県統一組織が急務】

・今や、観光客のニーズを1つの地域で満足させることは不可能になっている。そのために必要なのが広域連携で、都会的な雰囲気の「大阪」と歴史・自然・文化に富む「奈良」は補完的関係が成り立つ(京都と奈良は観光資源が同質のため、差別化が困難=排他的関係)。

・大阪と奈良は、近鉄・JR、第2阪奈・南阪奈・名阪国道で密接に結ばれている。関空→大阪→奈良→関空(またはその逆)という新たなゴールデンルートの開拓も夢ではない。

・国内客に人気の「果物や農産物の収穫体験」は、アジア系の関心も高い。県内には柿、梨、ブドウ、イチゴ、メロンなどの産地が幹線道路沿いに点在するほか、にぎり墨、鬼瓦づくり、そうめん作りなどの体験施設も多い。

・問題は、どこが大阪の観光関連組織との橋渡しをするか、である。大阪は観光施策の効率化を図るため、組織の一本化を進めるようだ。奈良県も、従来のタテ割りを廃し、全県横断的な観光組織に一本化(再構築)する必要がある。

・大阪などとの交流やインバウンド情報の収集などを新組織で一元的に推進しなけれぱならない。それが奈良県の観光基盤向上や競争力強化につながる。

要約は以上である。私見では、農産物の収穫体験は気温や天候に左右されるのでリスクが大きいし、工芸体験などは県内にさほど受け入れ施設が充実しているとは思えない。しかし大阪との広域連携や組織の一元化は賛成である。

大阪との連携については、このブログ(観光地奈良の勝ち残り戦略1~3)の「奈良活性化考え中」さんや「はじめまして」さんの意見と重なる部分が多い。

最後の「新組織」については、八坂豊氏(奈良ロイヤルホテル支配人)がNHKテレビで提案されていた「奈良ランドオペレーター」の発想と共通する部分がある。

ブログ読者の皆さんのご意見は、いかが?

※参考:観光地奈良の勝ち残り戦略(3)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/3bf1c47822c1b82568aeaaac234795b5

※写真は、今春の桜(平城宮跡・朱雀門前)
コメント (5)
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