天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

なぜ龍樹菩薩は出家をしたのか?

2012-09-18 16:49:03 | 天真寺

毎週日曜日は、朝7時からみんなの日曜礼拝が勤まります。
正信偈・和讃繰り読み・御文章・法話という流れになっております。

担当は龍哉。
今週から高僧和讃の龍樹菩薩を讃えるご和讃に入りました。

本日のご和讃と御文章は、
ご和讃:高僧和讃「本師龍樹菩薩は」より6首
御文章:信心獲得章

お話は、「龍樹菩薩の出家の理由」と「空」についてでした。

こちらの写真は、七高僧様の掛け軸に奉懸されている龍樹菩薩のお姿です。




龍樹菩薩は、南インドのご出身であり、西暦150~250年頃にご活躍されました。 「大智度論」「中論」「十二門論」「十住毘婆沙論」などたくさんのお書物が残されております。。また、龍樹菩薩は、歓喜地とよばれる修行者が目標としている第四十一段の不退の地位に到達したといわれます。以前、龍樹菩薩がいらっしゃった南インドのナーガールジュナコンダを訪れましたが、真っ赤な太陽に照らされ、気温は40度、とても暑かったです。

その龍樹菩薩が出家をした理由は何か?

龍樹菩薩は、南インドのバラモンの家に生れました。当時のあらゆる学問を身につけ、教養があり、秀才であると評判が高かった。そんな彼は3人の友人と隠身の術を習った。透明人間になる方法を身につけたのです。そしてある日、王宮に忍び込み宮中の美女を誘惑します。しばらくすると彼らの悪事が噂になります。王は宮中の床に細かい砂を撒かせます。なぜならば、透明人間になっても、歩けば足跡が残ります。3人の友人は次々と殺されてしまいました。彼は、王のすぐそばに身を潜めていたので、危うく一命をとりとめました。 その経験から、欲望にふけることは、かえって苦を招く事になると深くさとり、出家することを決意したといいます。

人間の欲望が満たされると、一時的に満足した気持ちになります。でも最終的には、苦しみを招くことになる。なぜならば、満たされることを知らない自分の姿があるからです。それでは、本当にやすらぎのある人生とはなにか?龍樹菩薩の教えは「中観」「空」という教えに集約されます。そして、『十二礼』では、阿弥陀さまのお徳をお讃えになっております。

最後に一つ、花山先生曰く、空の教えについて一言で言えば「執着を離れろ」。ついつい自己中心的な見方になってしますが、仏様の教えを中心に考えると、違った見方があることを教えて下さります。私の人生も、仏様の教えを中心に考えると、全く違った人生になります。


【みんなの日曜礼拝とは】
天真寺本堂では、毎週日曜日朝7時から日曜礼拝がつとめられます。
天真寺住職をはじめ衆徒が輪番制にてお勤めをしております。
毎月第1週の日曜日は、僧籍をお持ちの方、仏道を志している方(例えば、中央仏教学院通信講座を卒業。または、通学している)、天真寺門信徒の方に調声をしていただく参加型の「みんなの日曜礼拝」です。 

(龍)

 

 

 


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