闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

K堂の新居のまわりをぶらつく

2009-08-14 23:46:54 | 翻訳への道
今日はアルバイトが休みだったので、10時過ぎのブランチの後、まず近くの図書館にいき、翻訳のなかでよくわからないことを資料で確認。
その後、例によって近くの大学生協で翻訳をコピー。
資料探しとコピーが終わって自室に戻ると2時近くの半端な時間になっていたが、まずは翻訳について意見をきくため、大学時代の友人にコピーを送る。
それからあちらこちらへ電話したり、部屋のなかを整理しているうちに、おもいついて、K堂の新居を見に行くことにする。
まだ正式な契約が済んでいないので部屋の鍵も受け取っていないが、駅からの経路や距離を確認したり、まわりの商店街を確認したりはできる。先日内見したときは、物件そのものに気をとられて、こうした周囲の様子をあまりよく見ていなかったのだ。
ということで、地下鉄から小田急線を乗り継いでK堂に着いたのが4時少し前。予定どおり、新居の周辺や商店街を小1時間ほどぷらぷらと回った。
おもしろいことに、この新居をルームシェアすることになっている友人は、道路から物件までのアプローチの小道の雰囲気がとても気に入ったと言っているのだが、私にはそれがほとんど印象にない。今日あらためてそのアプローチを確認して、なるほど彼が気に入ったのはこの小道の雰囲気だったのか、それはとても彼らしい反応だと納得。ちなみにこの小道は、同じテラスハウスで背中合わせに住む隣の住人と2世帯で共用することになっていて、小道の奥を曲がったところに新居があるのだが、そのエントランスがガラス戸になっていて、隣の世帯からわれわれの部屋がまる見えなのだ。不思議な設計だが、それが、われわれより先にこの物件を内見した他のひとたちが決定するにいたらなかった要因の一つではないかともおもう。もっともこうした構造自体は図面を見て最初からわかっていたことなので、私はあまり気にしていないが、プライバシーの保持や用心という観点からはやや気になる。いずれにしても、隣家には早めに挨拶しておく必要がある。
さて新居に隣接する商店街は、私鉄沿線によくあるような商店街で、生活のほとんどはここで用が済みそうだ。大きな店はあまりないが、飲食店、飲み屋、パン屋など、こじんまりしてちょっとしゃれた店が軒を連ねていて活気がある(ちなみに現在の住居の近くは、空き家になっている商店が多く、通りに活気がない)。それと現在の住居の近くには文房具店がまったくなくて私にはとても不便だが、この商店街には文房具店もちゃんとある。古本屋もある。独身者の味方であるコンビニまでの距離も、現在の住居よりもとても近い。要するに、普通に生活する分には、K堂はとても便利そうな町だ。
6時にT大のEさんと会い、先日借りていただいた本を返す約束をしているので、もうあまり時間がないが、いったん新宿に出て、丸井と伊○丹の家具売り場をざっと見て回る。
伊○丹では、おもいがけずも、私が大好きな店員のHくんと鉢合わせしたので、転居の件と出版の件を伝える。ウソかマコトか、本がでたら必ず買いますねと祝福してくれた。
それから御茶ノ水に移動し、6時少し前に、Eさんとの約束の場所にすべりこんだ。
二人で近くのイタリアン・レストランに入り、ピザなどをつつきながら、それから2時間ほどいろいろと雑談した。このあいだEさんとお会いしたときも感じたのだが、チャーミングなEさんと私のような中年男の組み合わせは、周囲から見るといったいどのように見えるのだろうか。Eさんとは、近日岩波ホールで公開される映画『アニエスの浜辺』の監督アニェス・ヴァルダのことなど、いろいろ話をしたのだが、聡明なEさんは、女性であるがゆえに生きづらいこともあるのではないか、だから私のような中年ゲイとも会って話をしてくれるのではないかとふと感じた。
ちなみにEさんが借りてくれた本は、T大が大正年間に買い込んだもので、その後読む人もほとんどなく装丁もかなり傷んでいる。コピーをするときも、最初は、あまり強く読み取り板に押し付けるとバラバラになってしまうのではないかとこわかったが、ちょっと考えて、この本は大正時代に購入されてから読む人もなく私が開くのを待っていたのではないか、もし私が今利用しなければ、この先、利用するひとが出てくるかどうかわからないとおもいなおし、意図的に壊すわけではないので、多少本が傷んでも、コピーが鮮明に見えるように、強く押し当ててコピーした。そのことをEさんに話すと、T大にはそういう本がたくさんあるんですよね、闇太郎さんの考え方は、私もそれでいいとおもいますよ、と賛成してくれた。本は少し傷んだが、その分それをきちんと活用して、痛んだ分を補ってやらなくてはとあらためて感じた。