闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

30年振りで大学の先輩と会うーー中京地区訪問記4

2012-06-30 23:39:57 | 雑記
コンサートのあとは、もう一度会場を変えて懇親会。EさんもKさんも帰ったので、今度は自由に知り合いと話ができる。
今回の中京地区訪問の柱の一つは、実は私が大学に入学したときから同じ授業を受講していた先輩のIさんが中京地区の大学に勤務しており、彼と会い、そのうえで『人間の精神について』の翻訳に不可欠な資料を借りること。
学会の受付のときから、「本日Iさんはお見えですか」と関係者に訊いていたのだが、「午前中はいたが。離席したようで見あたらない」と、なかなか会えずにいた。それが、コンサートが終わるときに「やあ、闇太郎さん」と、先方から声をかけて頂いた。Iさんと会うのはなにぶん30年振りぐらいなので、最初一瞬とまどったが、声も話し方も30年前のIさんそのままだ。たちまちうちとけて、懇親会では、互いの近況や共通の師であるN先生のこと(Iさんによれば、ことしのはじめから、N先生はお加減が悪いらしい)などを話し合った。また、中京地区のいろいろな研究者を紹介してもらった。それでも、せっかくの機会にIさんとだけ話しているわけにはいかないので、途中からは、他の顔見知りの研究者と挨拶したり、はじめて会う人に自己紹介したり、時間を有効に使って、いろいろな研究者と親交を深めた。また当日の報告者とも少し話をして、報告のなかの不明点を確認することができた。
2時間強で懇親会がお開きになると、今度は二次会。残った半分ほどの研究者で、近くの居酒屋におしかけた。懇親会会場と違いこの居酒屋は着席制だったが、私のまわりはたまたま古都の大学の若手研究者たちだったので、古都の大学の人たちと親交を深めるいい機会となった。
さて二次会では、研究分野の垣根を越えて、みんなざっくばらんに近代思想について意見を交わし合った。
私がいつも考えている説は、17世紀の経験論が18世紀になるとフランスでは感覚論へと変貌していくが、感覚論をとなえた思想家たちが自分たちは経験論を深化させているのだという意識をもっていたにもかかわらず、感覚論は経験論を解体してしまったというもの。なぜならば、経験論は、経験する主体の自我の存在を前提とするが、感覚論はその自我を破壊してしまうから(経験は個人を深めていくが、感覚をとおしてはいってくるものは万人共通で「個人」を素通りしてしまう)。また、「個人」の解体と関連して、真理認識のあり方の一つとして、自我を超えた「無意識」といったものが想定されるようになり、この点でも確実性の根拠がゆらぐというもの。この日の二次会でもそうだったが、こういった話を違う分野の研究者、特にイギリス思想の研究者としていると、「それってヒュームの考え方に似てるね」という感想が帰ってくることが多い。そして実際、私が翻訳している『人間の精神について』の著者はヒュームと親交があった人なので、その辺の比較が、私の今後の課題だとおもっている。
こうしてざっくばらんに議論しているうちに夜も更け、話がいつ果てるか見当もつかなかったので、私は一足先に失礼させてもらった。
朝の予定では、ホテルに戻ってからまたゲイバーに行こうかともおもっていたのだが、かなり疲れたことと、せっかく高揚した気分に水をさしたくなかったので、入浴して、そのまま就寝した。

学会と女優ーー中京地区訪問記3

2012-06-29 23:28:24 | 雑記
爽やかな天気のなか、中京地区の都市を東に向かってドライブし、しばらくすると郊外の大学に着いた。この大学は敷地が非常に広く、しかも建物の周りに樹木が多くて、まるで森のなかに学校があるようだ。
その広い敷地のなかから、まずは図書館を探す。私の翻訳の出版に道をつけてくれたAさんが、自分の貴重な蔵書を大学に寄贈し、今回、学会開催にあわせてそのコレクションが特別公開されるのだ。
「あれだ、あれだ」と、図書館にたどり着くと、そこにはカフェが併設されており、コレクション公開までにはまだ少し時間があったので、のどが乾いたというEさんの欲求を満たすために3人でそこに陣取る。するとカフェのなかにたまたま学会の幹事を見つけたので、Eさんを紹介し、今回の学会は3人で聴講させて欲しいと挨拶する。Eさんは構内の雰囲気がすっかり気に入ったようで、「この場所で私をうつしてちょうだい」と、珍しく自分から撮影を要求。
小休憩ののち、貴重書収蔵室に案内してもらい、コレクションを拝見。私はAさんを見つけ、翻訳が順調に進んでいることを報告。Eさんはというと、「昔、実家に同じような革装の本がたくさんあった」と、いつくしむように本に触れている。
コレクション拝見ののちは、近くの校舎内の教室に場所を替えて学会の報告。近世ヨーロッパの舞台衣装についての報告とある宮廷楽長についての報告を聴いた。
学会の初日の夕方は小コンサートが開催されるのがこの学会の恒例だが、今回はコンサート会場が市内のため、バスで会場まで移動。Eさんのために最前列に席をとり、スカルラッティとモーツァルトのソナタを聴いた。どちらの曲も、CDでは聴いたことがあるが実演ははじめてで、特にモーツァルトのイ短調のピアノ・ソナタを興味深く聴いた。
ミニ・コンサート終了後、Eさん、Kさんはそれぞれの予定があるというのでタクシーに乗るのを見届けて別れた。Eさんは、大学の雰囲気、学会、コンサートのいずれにも大満足の様子で、翌日は別々に行動して、翌々日、東京にいっしょに帰りたいと言い出した。こちらの行動がまた制限されてしまうが、たってのたのみというので断り切れない。

『平治物語絵巻』に釘付けーー中京地区訪問記2

2012-06-28 23:50:51 | 雑記
翌23日はゆっくり寝ていたかったのだが、最近の習性で、8時前に目が覚めてしまった。それから入浴したりして多少時間をつぶしたが、手持ちぶさたなので、10時前にホテルを出た。
この日は、大学での学会の前に、美術館と画廊を回ることにしてある。
まずはボストン美術館に向かう。美術館の前で中京地区在住の知人Kさんと会うことにしており、約束の時間まで、美術館に併設されたカフェで待つ。約束の11時にKさん登場。一緒に館内に入る。
この美術館は、その名のとおりアメリカのボストン美術館と提携しており、23日は、ちょうどアメリカのボストン美術館が収蔵している日本美術の里帰展の初日。仏教美術から江戸時代の障壁画まで、さまざまな作品が展示されていた。私はというと、鎌倉時代に描かれた『平治物語絵巻』に、目が釘付けに。現在大河ドラマで描いている平清盛の生涯についての超一級の史料との予期せぬ対面に、興奮がさめなかった。絵巻は、保存状態も大変良く、合戦のありさまが色鮮やかに描かれている。
ところで、中京地区のたくさんの美術館のなかでボストン美術館に行くことにしたのは、実は展覧会を観ることが主目的ではなく、館長を表敬訪問することが目的。受付で館長の都合をきいたが、初日はイベントがあるのでそれに合わせて午後の来館とのことで、残念ながら対面はかなわなかった。
それから、Kさんと一緒に市の中心部に戻る。ちょうど昼時だが、私には思いつく店がない。Kさんの判断にまかせたところ、御園座の裏の東寿司がいいだろうということになり、そこで寿司のランチを食べた。ここの寿司は、さっぱりしていて美味だった。
さて、午後1時には、御園座の向かいのビルにある画廊で女優のEさんと待ち合わせをしており、寿司を食べ終わると、Kさんと一緒にただちに画廊に向かう。
1時少し前に画廊に着き、画廊のオーナーに挨拶して展示品を見せてもらっているところに、オーナーと親しいEさん登場。Eさんからあらためてオーナーに紹介してもらう。これで、直前の「うさんくさいヤツが来た」という雰囲気と、待遇がころっと変わる。画廊の前に、Eさんの宿泊先が差し向けてくれた車が待っており、軽く話をしてから、Kさんを入れて3人で、郊外の大学に向かう。
このころまでには、前日の雨が嘘のように晴れ上がり、中京地区は、初夏のさわやかな陽気になってきた。

【ボストン美術館サイトより絵巻の解説ページ】
http://www.boston-nippon.jp/highlight/02.html

栄地区のホテルにチェックインーー中京地区訪問記1

2012-06-27 23:23:43 | 雑記
23日と24日の2日間、中京地区の大学で私が所属する学会の年次大会があり、それに参加するため、22日から25日まで、中京地区の大都市に行ってきた。以下、数回にわけてその報告を行いたい。

     ☆     ☆     ☆

すでに書いたように、22日、中京地区に出かけようとしていた朝、デートを約束していた美大生のダイちゃんからメールがあり、彼は中京地区に来ないことになった。
当初、デートに間に合わせるために仕事先から中京地区に直行するつもりだったが、デートがないならば無理に重い荷物を抱えてアルバイト先に行く必要もないので、いったん寓居に戻ってから中京地区に出かけることにした。
昼休み、アルバイト先から予約していた和食のレストランにキャンセルの電話をいれた。
仕事が終わると急いで寓居に戻り、シャワーを浴びて着替えてから、6時30分過ぎに出発。7時30分過ぎの新幹線に乗る。弁当は、行き先にあわせて「味噌カツ&ひつまぶし弁当」にした。9時過ぎに中京地区の大都市に到着。中京地区に来たのは久しぶりなので、駅の雰囲気が変わっていることに当惑して、ホテルまでの移動の地下鉄の乗り換えにちょっと戸惑った。
市の中心部、栄地区のホテルには9時30分過ぎに到着。ホテルは安さで選んだ全国チェーンのホテルで、良くもなければ悪くもない感じ。昨年2度古都に行ったが、その時に滞在した2つのホテルのちょうど中間くらいの雰囲気だ。
着替えてすこしぼおっとしてから、サウナに行くかゲイバーに行くかしようとおもいたつ。しかし今回はどちらも予定していなかったので下調べをしていない。そこでまずネットカフェを探して、そこで行き先を決めることにした。
ネットカフェはホテルの裏にすぐ見つかり、結局、御園座の裏のゲイバーに行くことにする。ゲイバーではビールを2本あけ、カラオケをしたらだいぶ遅くなったので、そのまままっすぐホテルに戻り、次の日にそなえてただちに就寝した。

ぶじに予定を消化

2012-06-24 22:26:36 | 雑記
栄のネットカフェからの投稿。

ダイちゃんとは会えなかったが、中京地区訪問の本来の目的である学会参加は、ある意味で予想以上の収穫をあげて本日夕刻ぶじに終了した。
中京地区に到着した金曜日の夜以降、天候も非常によく、快適な中京旅行だった。
明日は、中京地区でやりのこしたことが生じた場合の予備日にとキープしていたのだが、その必要もなく、最後の一日をゆったり過ごせそうだ。

急遽、デートの予定が取りやめに

2012-06-22 18:24:49 | 雑記
今、世田谷K堂の家から投稿している。
今朝早く、ダイちゃんからメールが届き、すべては予定変更となった。

     ☆     ☆     ☆

おはようございます。
先ほど病院から帰ってきました。
結論から言うと、本日中京地区へは行けません。
本当に申し訳ありません。
友達の容態が悪くなり、付き添う人がいる事、親が海外でまだ帰国出来ていない事のためです。今、彼の病状を知っているのは僕だけなので、自分としても目を離せる状態では無いです。
連絡遅くなり申し訳ありません。
追って、また連絡いたします。
また東京にこちらから出向きます。
急な予定変更、申し訳ありません。

     ☆     ☆     ☆

事情が事情だけにやむをえない。
このため、無理をして仕事先から中京地区に直行する必要はなくなったので、寓居に戻っていったん休息し、これから中京地区へ向かう予定。
中京地区の様子は追って。

待てば海路の…

2012-06-20 23:36:25 | わが酒と薔薇の日々
待てば海路の日和あり。アルバイトから戻ったら、古都のダイちゃんからようやく次のようなメールが届いていた。

     ☆     ☆     ☆

闇太郎さん、こんばんは。
なかなか連絡とれず、申し訳なかったです。
今週始めに友達が緊急入院したので、ほぼ付き添っていました。
容態は落ち着いていて、週末には親も来るみたいですし、今は、金曜日に中京地区に行く段取りをしています。お昼には着いていると思います!
またこちらから連絡しますね。

     ☆     ☆     ☆

よし、これで金曜日にダイちゃんに会える!
最終の新幹線で帰らなくてはならないというのが残念だが、ひさしぶりのデートを精一杯楽しむことにしよう。ネットで検索して予約したレストランがいい店だといいのだが…。
ちなみにダイちゃんには、「若いときの友達は大事にしてやってください」等と、わかったようなわからないような返事を送っておいた。

折れた傘

2012-06-19 23:38:35 | 雑記
私がとても大事にしていて、めったにささないポールスミスの傘があるのだが、今日、友達がそれをもって出かけ、帰宅するときに、台風の大風で壊してしまった。それをきいて私は、口もきけないほどびっくりしてしまったのだが、みなさんならどうしますか?
たかが傘じゃないかと、水に流しますか?
友達がその傘を気に入っていていつもそれをさしているのを黙認していたのだからと、あきらめますか?
それにしても、電車が止まるほどの雨と風なのだから、壊れても惜しくないような傘をさしてくれればよかったのにとおもうのは、モノ惜しみなのだろうか?
風の音を聞きながら、今、とても悩んでいる。

今度は新宿でテーブル探し

2012-06-18 23:23:35 | 雑記
今日はアルバイトの休日。一日ゆっくり休養といきたいところだが、女優のEさんのテーブル探しがまだ済んでいないので、ともかくそれを片づけることにした。

10時過ぎにブランチを済ませ、シャワーを浴びて待っていると、12時過ぎに電話。郊外での仕事が終わりこれから都心に戻るので、午後2時くらいなら会えるという。そこで、伊○丹5階のティーラウンジで2時に待ち合わせを約束する。雑用を済ませ、1時過ぎに寓居を出ると、2時少し前に伊○丹に着いた。

伊○丹でテーブルを探すということになったのには少し経緯があり、先日のテーブル探しで、いったん東○ハンズでオーダーという方針が決まったのだが、Eさんとスケジュールを調整して再度ハンズを訪ねたところ、担当者休みということで空振りになり、それならばと、その足で伊○丹に行ったところから第二幕がはじまった。
Eさんも私も、伊○丹でテーブルを買うつもりはまったくなく、靴や洋服など、Eさんの身の回り品を見て歩いたのだが、Eさんが、突然、ついでだからここでテーブルも見てみたいと言いだしたのをきっかけに、新しい展開になったのだ。
はじめ、とくにあてもなく、家具売り場をあれこれまわっていたのだが、ちょっと気になる商品があっても質問に的確にこたえられる店員がおらず、それならばと、顔見知りの店員Hさんを呼んでもらって相談にのってもらおうと提案したところ、Eさんもそれにのってきた。ところがその日はあいにくHさんの休日で、売り場の人にHさんのスケジュールを確認してもらい、今日のしきり直しが決まった。

さてお茶のあと売り場の人にHさんを呼んでもらうと、10分ほどしてバックヤードからかけつけてくれた。実は、Hさんと会うのは私も2年ぶりくらいなので、まずは「やあやあ」と軽い再会の挨拶。改めて名詞をもらうと、はじめて会った頃はういういしい店員だったHさんが、肩書きつきでとても偉くなっているのにびっくり。ともかくそのあと、EさんとHさんをそれぞれに紹介して、用向きを伝え、テーブルの話をきく。久しぶりに会ったHさんは、気を利かせていろいろ親切にこちらの相談にのってくれたが、簡単に決められる内容ではなかったので、30分ほどでひとまず話を打ち切る。話は決まらなかったものの、EさんもHさんを気に入ってくれたようでまずは安心。
それから、また少しEさんの買い物をして夕方、いったんEさんの家に戻る。一息入れてから、Eさんの家の近くの中華レストランで夕食。時間があったので、Hさんの印象、彼女の仕事のこと、私のことなど、いろいろ雑談した。私のことというのは、髪を黒く染めるなりして若い恋人をつくりなさいという彼女からの提案。彼女自身、これまで身の回りにいろいろ恋人がいたので、それは絶対に必要だというのが彼女の持論だ。そこで私も、実はダイちゃんというカレシがいるんですよと言おうかとちょっとおもったが、まだそのタイミングではないような気がしたので、それを言うのはやめにした。それでも、折をみてダイちゃんはEさんに紹介しておこう。
彼女の仕事のことというのは、今月はオフで空いているが、来月から、N○Kの歴史ドラマの主役級の役の撮影があるのでまた忙しくなり、そうするとゆっくり買い物もできなくなるというものだった。ドラマというのは、東北地方を舞台にした大和朝廷以前の時代の物語らしいのだが、それはとても楽しみなので、買い物ができないくらいいいじゃないですかと励ました。
その後、週末の中京地区でのスケジュールを話し合って、8時過ぎにEさんと別れた。

常磐御前のイメージをカレシに重ねる

2012-06-17 23:04:42 | 雑記
今日は派遣のアルバイトの日曜出勤日。ただし日曜のシフトは原則中番のみで、ふだんより出勤時間が1時間遅いので、出勤が楽だ。とはいえ、朝は私には早すぎて食欲がわかない。ミルクティーを口に入れただけで、何も食べずに家を出る。出で立ちは、昨日○井で買ったTシャツのうえにGブランドの黒いベストをはおり、ボトムは同じくGブランドのスキニーパンツ。あわてて家を出たら、いつも休憩時間に読んでいる『人間の精神について』のテクストを鞄に入れるのを忘れてしまった。まあ、やむをえない。

仕事そのものは可もなく不可もなし。ただし、まぐれで私の班のメンバーがまだ誰もやっていない業務をやってしまったので、今度、班長から酒をおごってもらうことになった。ちなみに、私の班の班長はゲイではないかと私はおもっている。年齢は40歳程度、短髪で昔格闘技をやっていたことがあるという。ともかく、言葉づかいが異常に柔らかいのだ。他人が私をどうおもっているかはわからないので、あまり他人のことは言えないのだが、それにしても、班長が柔らかめなので、私も仕事がやりやすいのは事実だ。いずれにしても、平日の1時間遅れで業務終了。まっすぐ家に戻る。戻るとちょうど7時過ぎで、簡単に夕食。それを8時前に切り上げて『平清盛』を観る。

今回の『平清盛』は、保元の乱の戦後処理も終わったところで、まあ安心して観ていられた。ただし、清盛が「武士の世」の実現を意識しているという設定は、なっとくできない。だいいち、ドラマの展開をすなおに読めば、清盛が目指しているのは「平氏の繁栄」もしくは「平氏の世」であって、源平一丸になっての「武士の世」の実現を考えているようにはとてもみえない。まあ、平氏が繁栄することがとりもなおさず武士の世なのだと言ってしまえばそれまでなのだが、このあたり、何か矛盾があるのではないだろうか。
それでも、清盛が太宰府で宋の飲茶の風習を知り、それで後白河天皇を刺激するというアイデアはおもしろいとおもった。

さて、『平清盛』を見終わって一息ついているうちに、なんとなく常磐御前のイメージをダイちゃんに重ねている自分に気がついた。自分がダイちゃんに何を求めているかと考えたら、癒し以外の何ものでもないような気がする。しかし、はたしてそれだけでいいのだろうかと思いはじめると、悩みはつきない。