闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

瓢箪からブランシック、もしくは類は友を呼ぶ

2007-11-07 16:26:33 | 雑記
私の住んでいる賃貸マンションの大家さんのお母さん(80歳超)には、ときどきほんとうに驚かされる。先日の夜、気分転換に大家さんの部屋を訪ね、大家さん、お母さんと気軽な雑談をしたのだが、今日はここでその一部を再現してみたい。

   ☆    ☆    ☆

私「このあいだの台風の日、おかまの学会ができるというのでいってきましたよ」
大家さん&お母さん「何それ?」(ものすごく関心ありげ)
私「おかまというか、専門用語ではクィアっていうらしいですけど、ともかく東大におかまとかの変態を研究する講座ができて、そこの先生や他の大学の先生があつまって、まあともかくこれから一緒におかまを研究していこうって学会みたいでしたよ」
大家さん&お母さん「ふ~ん…」(やはりものすごく関心ありげ)
私「でね、開会の言葉をクレア・マリィさんていう津田塾の先生が読んだんですけど、中味もりっぱだったし、それに日本語がとてもうまくて感心しちゃった。ときどき言い違いもあったけど」
お母さん(津田塾出身)「津田にもそんな先生がいるの?」
私「うん、どうもオネェ言葉を研究してるみたいですよ。津田でオネェ言葉を教えてるんじゃないですか(笑)」
大家さん「でもオネェ言葉って不思議よねえ。日本語はともかく、男女の言葉の違いがあまりない英語やフランス語もオネェ言葉ってあるんでしょ。私はよくわからないけど」
私「フランス語は形容詞を女性形にすればそんな感じになるとおもうけど、英語の方はどうなるんでしょうねえ」
大家さん「不思議よねえ」
お母さん「で、その会はどんな感じだったんですか?」
私「台風が来てたというのに、予定してた会場に入りきれないほどおかまやレズの人が来て、急遽モニターで別室に中継するほどでしたよ」
お母さん「東大も変わったわねえ」
私「クレア・マリィさんもメンバーみたいだから、そのうち輪番で津田塾でもやるんじゃないですか」
お母さん「あら、そうかねえ。ふ~ん。でも、そういえば、あたしが通ってたころもそういう人たちがいましたよ。とても勉強のできる人たちでねえ、あの人たちどうなったのかしら」
私「ふ~ん、それはまあ、昔からいたことはいたでしょうねえ」
お母さん「そうそう、昔っていえば、あたしはそれとは知らずブランシックに行ったことがあるのよ」
私「え!!!三島の『禁色』の舞台のモデルになったっていう、あのブランシックですか?」
お母さん「そうよ。たしか最初は友達に連れられて行ったんだとおもうけどねえ。いつもきれいな男の人がいて、すごいわねえ、不思議だねえってずっとおもってた。あとからそれはそういう場所だったんだって知ったのよ」
私(唖然として)「う~む、すごいですねえ。それはどの辺にあったんですか」
お母さん「銀座四丁目の角を築地の方に少し行ったとこ」
私「三越の裏のあたり?」
お母さん「そうじゃなくて反対側ね」
私(たじたじしながら)「ふ~ん、そうだったんですか」
お母さん「でも、あたしは三島の作品はあまり好きじゃない。田辺聖子の方がずっといいわ。力んだところがすこしもないし」
私「田辺聖子といえば、こんど『ジョゼと虎と魚たち』貸してくださいよ。前から一度読んでみたいとおもってるんです」
お母さん「いいですよ。いつでもどうぞ」

   ☆    ☆    ☆

ということで、大家さんのお母さんには、今度ブランシックについてまた教えてもらうことにしよう(今日の記事は、できれば、背景に大島弓子もしくは川原泉の絵を想像しながらお読みください♪)。