喜びの種☆

yoshicoの徒然日月
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いつむゆななやここのたり、、ももちよろず
天の数歌

トシワケ・オニヤラヰ

2021-01-30 14:07:45 | こよみ
ウイナメヱ(冬至満月)から月のひとめぐり、晩冬の満月です。
シワス・モチ(旧暦12月17日望・西暦2021年1月29日)、
ここから次の満月(旧暦1月16日望・西暦2月27日)にかけて、旧暦では年末年始となります。

さて、現在、日付の変わり目は午前零時です。
この「縄文カレンダー」においても、現在の基準に合わせ、満月としています。
では、ヲシテ時代の一日の始まりはどうだったのでしょうか?
一日の単位を「カ」というということは、ご来光時刻だったのではないでしょうか?
そうすると、月の満ちる時刻が未明の時には日付は前日になります。
今回の満月は午前4時16分、実際、17日(西暦1月29日)に昇る月はすでにかけています。

さてさて、それでは、年の変わり目は現在大晦日ですが、
ヲシテ時代のトシワケはいつだったのでしょうか?
ヲシテ文献『ミカサフミ』の「タカマナルアヤ」の記述では、

ハルタツヒには
もとにきて ひとたびもとの
ほしにあい つきはおもくて
ソミノリお おくれヒにあふ
ついたちぞ ほしにソミあふ
アメはヱナ ヒツキヒトみな
アメのエナ そとはタカマノ
ハラまわり

とあります。

1年365日は、ヒ(太陽)の巡りです。
その始まりの基準は「ハルタツヒ」(立春)です。
月の12ヵ月では365日に満ちず、
月は重くてソミノリ(13ヵ月)、遅れて「ツイタチ」になります。
すると、トシワケは「ハルタツヒ」の前日ということになります。


一方、『ホツマツタヱ』の「ヒコミコト・チオエルのアヤ(25アヤ)」の
ウツキネ(山幸彦・ホオテミ)とトヨタマヒメの出会いの場面の記述では、


ツクシウマシの         
はまにつく かもあみすてゝ   
ゆきいたる ソヲハデカミの   
ミツカキや うてなかゝやく   
ヒもくれて ハヱバユヅリハ   
しきもして いねもせでまつ
   


ツクシウシマの浜に着いたウツキネは、カモフネにカタアミを残し、
すぐにソヲ(霧島山)の麓に向かいました。
ハテカミのミヤ(霧島市・鹿児島神宮・ご祭神・彦火火出見尊(別名山幸彦))は、
ミツカキが巡らされ、ウテナ(ミヤの縁台)が夕日に輝いて美しくありました。
日も暮れましたが、ハヱバユヅリハのお飾りに、「幾ら何でも大晦日の夜に、」と遠慮をして、
門の外で夜が明けるのを待ちました。


アマのトも あけてむれでる   
わかひめが まりにわかみつ   
くまんとす つるへはぬれは   
かけうつる おとろきいりて   
タラにつぐ そらつかみかは   
まれひとゝ チゝはみはもお   
のそみゝて ヤヱのたゝみお   
しきもうけ ひきいれまして   
ゆえおとふ
           


夜明けとともに、ミヤの中からワカヒメたちがマリ(水汲みの入れ物)を持ち、
日の出のワカミツ(若水)を汲みに、外に群れ出てきました。
井戸の釣瓶を跳ね上げると、朝日に照らされたウツキネの影が映りました。
元旦早々寒い戸外に若い貴人がなぜ⁈と、驚き急ぎ、タラ(両親)に知らせます。
「ソラツカミ(天皇陛下)のような立派な方が外においでです。」
ハテカミは、ウツキネのミハモ(衣服・身なり)を覗き見て、
ヤヱ(八重)のタタミ(畳)を敷き設けて、丁重に招き入れました。


とあります。
ハツヒマツリの行事では、「ワカメミツクミ」(若女がハツヒの若水を汲む)
とあり、その前日は大晦日と読み取れます。
ハヱバユヅリハのしめ飾りはトシアケの行事です。

ちなみに、アマテルカミ最盛期のイサワノミヤのある志摩や鳥羽では、
現在でも「アラクサ」という行事が残っている地域があり、大晦日に豆まきをします。
豆炒りの時に先を削った木にイワシを刺して、パチパチと火であぶり、
その音と臭気で邪気を払うとされ、魔除けとして玄関にさしておくそうです。





コヨミは、アマテルカミの時代、オモイカネがウリフツキ(閏月)を設け、
太陰太陽暦としての精度が高まりました。
それ以前のコヨミでは「タカマナルアヤ」にあるように、
太陽の巡りのハルタツヒ前日、つまり現在の節分がトシワケであったと思われます。

トシワケは、日の巡りの立春前日か、はたまた月の巡りの大晦日なのか?
現在、「縄文カレンダー」は大晦日をトシワケとしていますが、
トシワケを大晦日と思い込んでいるのは刷り込みなのかも?
果たして、、来年度版にどう落とし込むか、、悩ましいところです。

今年の立春は月の巡りの旧正月(西暦2月12日)よりかなり前に訪れます。
来たる令和3年2月2日の節分前にトシワケの行事をご紹介します。





●トシワケ・オニヤラヰ



としわけのよは
まめおいり みなおにやらふ
かおひらき しめひきふさき
もののかき ほながゆつりは
はゑゆつは むぎにとしこへ
 ミカサフミナメコトのアヤ




トシワケの夜は「オニヤラヰ」。
オニとは、凝り固まった思いや憎しみ、嫉妬心などの事。
 オ:定まる、安定する、凝る、固いなど、、
 ニ:にこやか、煮、憎、熟成など、

オニヤラヰとは、悪い芽が出ぬように豆を炒り、
マ(魔・悪心・障り)のメ(芽)を断つ行事です。
カ(西)をヒラキ(柊)とヰワシ(鰯)で塞ぎます。
ウラジロやユヅリハで〆め飾り、麦を食して年越えのお祭りとします。
麦を食すとは、どんな料理だったのでしょうか?
年越しそばのルーツかもしれませんね。
※む(ム):生じ、き(キ):来たる。
その一旦停止の意味の濁点が、季節の変わり目を意味しているのかもしれません。


参考文献・参照資料
◎ヲシテ文献の世界へようこそ:日本ヲシテ研究所「ヲシテ文献・大意」
◎ホツマ辞典:池田満著・展望社 ◎よみがえる日本語:青木純雄・平岡憲人著・明治書院
◎よみがえる日本語Ⅱ:青木純雄・斯波克幸著・明治書院 ◎ホツマツタヱ勉強会(いせの会)講義資料。
※ヲシテフォントの商標権、意匠権は、日本ヲシテ研究所にあります。


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