(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

フラクタル EPISODE01 出会い

2011年01月24日 | 視聴済アニメごった煮
派手さはないが実におもしろそうだ。

 そんな今回のお話は…
 フラクタルシステムがかつての勢いを失ってから千年。人々はその恩恵による究極の個人主義的生活を送っていた。
 主人公クレインはそんな世界に生きる14歳の少年。古い機械の収集や解析が趣味で、第二の自分・通称「ドッペル」を持たないちょっと変だけど、ごく普通の男の子。
 ある日クレインは謎の飛行船に追われる一人の少女を助ける。シスター服を着たその少女はフリュネと名乗った。
 初めて触れ合う生身のニンゲン、女の子―、彼女との出会いがクレインの日常を変えてゆく。
 以上公式のあらすじ。

 実にのどかな感じのお話ではあったものの、物語の序章としてとても良く出来ていた。
 基本的にはボーイミーツガールであるのだが、働かなくても喰っていける、人と触れ合わなくても暮らしていける、そんなフラクタルシステムが確立して千年。そんな時代の少年が、初めて出会った生身の人間の女の子。追われていた彼女は一夜にして主人公クレインの前から姿を消す。謎のデータを残して。
 何の不安もない生活だが少し退屈。そんな彼の世界に起こったこの出来事は、今後、彼の運命を大きく変えていく事を予感させる。
 またフリュネという少女も、どこか世間擦れしているし、「この時代の人々は」などと意味深な事を言っていて、しかも何者かに追われている。と謎が多く、彼女が何者なのか、どうして追われているのか、クレインに託したデータはなんなのか、どうしてクレインの前から姿を消したのか。とてもミステリアスなのも興味を引く。
 クレインが、フリュネが、そして今回ラストに姿を現したドッペル(アバター)であるネッサがこれからどうなっていくのか。何か派手なアクションがあったわけでもない今回ではあるが、退屈な世界で過ごす少年に訪れた、今までの事が少し変わるきっかけとなった出来事を実に丁寧に描いていたと思います。

 そんなお話もさることながら、その上記「出来事」を中心に、さりげなく世界観を説明しているのが上手い。
 どこかでその世界観を語るナレーションが入るわけでもなく、少年クレインの生活と行動そしてモノローグで、それらを語らず説明している技量は素晴らしく、見ていて分かるようになっているというのは、それだけ上手く作ってあると言える。
 上手く作ってあると言えばクレインもそうだろう。人と触れ合う事を必要としない世界で初めて出会った異性にドギマギしている男の子を見事に体現していて微笑ましい。
 そんな彼がフリュネと出会い、少し印象的な言葉を放っていて、フリュネが消えて「勝手に現れて勝手に消える。いつも自分の好き勝手。今の世界は皆そう。でもどうしてこんなに腹が立つんだろう」と言うのだ。
 この世界でみんながそうであるのにフリュネに対して腹を立てている。フリュネがドッペルであったならそうは思わなかったであろうが、彼女はそこに実在し、クレインは直に彼女と触れ合ったのだ。データだけでは得られない何かを感じたからそう思ったのだ。皆そうだと思いつつも彼女に対して立腹しているクレインは、それだけで彼の中に無自覚に心境の変化が起こったことを表している。
 もしかしたらそれは、変わったのではなく彼の中から湧き上がってきた、その世界で忘れ去られてしまった人らしい感情、なのかもしれない。
 かくして始めで出会った生身の少女と別れ、そして彼女が託したドッペル「ネッサ」と出会った彼が、これからどんな事になっていくのか、またどう変わっていってどんな冒険をするのか期待していきたい。

 さて、個人的なお話ですが、やっぱり男の子としては女の子に注目せざるを得ない(笑)。
 メインヒロイン(?)で聖職者っぽい喋り口調で、どこか世間擦れしているフリュネも志摩子さんみたいで良かったのですが、個人的には彼女の追跡者であったエンリがアホっぽくて可愛らしかった(笑)。クレインの家に押し掛けてきた時のコメディは笑わせていただきましたよ。
 公式のキャラ紹介を見ると「ドジッ子」らしいので、その辺も期待して見ていきたい。ネッサは……まだ何とも言えんなぁ。台詞一言「どぁーん!」だけだし。