秋津のゲーム部屋

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白い娘が隠されていた理由~DS3考察~

2016年05月14日 | デモンズ&ダークソウル

 ダクソシリーズやってる人には今更な話なのですが、デモンズも含めて、ダクソシリーズって登場人物が語ったりしない代わりに、アイテムの説明欄で遠回しにストーリーを説明するスタイルになってるんだよね。中でもボスソウルとボスソウルから錬成出来る魔法や武器の説明は超重要で、だいたい「今何が起こっているのか」みたいなストーリーの解説はここに書かれてたりする。

 神喰い途中で引っこ抜かれたエルドリッチだけど、奴はドリン様の記憶から2つの能力をすでに自分のものにしちゃってたらしく、奴のソウルを錬成すると1つはドリン様のサブ武器「暗月の弓」、もう1つは「白い娘が持っていた生命狩りの鎌」になる。
 白い娘で鎌持ってるときたら、ダクソ1やってた人なら「もうあの人しかいない…!」ってなるよね。そう絵の中の世界に1人佇んでいた「半竜プリシラ」さん。



 当時から存在が謎な人だったんだけど、今回の騒動でグウィンドリンの記憶の中にしっかりと存在している事が分かったおかげで考察の手がかりが出来たですよ。
 まず言えるのが、プリシラの存在はグウィンドリンはじめ王家公認であった事。
 にも関わらずその存在を公には出来なかったという事だよね。
 グウィンが隠すように指示したのをドリンが引き継いでいたのか、それともドリンが存在に気付いて「これはマズい」と絵画世界の中に保護していたのか、今の所それを判断する材料はないんだけど…。
 でもダクソ1の絵画護り達は強くはないけど数が多いしめんどくさい相手ではあったよね。用意周到で厳重な警護の印象からすると、まだ王家の力が強かったグウィンの時代からとするのが妥当な気もする。



ダクソ3でアノールロンドのエリート近衛兵(のはずの)黒騎士さんが見入っていた絵。過去の華やかだった日々に思いを馳せていたのか、それともおっぱいに魅入られていたのか…。


 プリシラは印象に残りやすい不思議なキャラだったせいか、今でもダクソスレで話題になったりしててスクショとかもよく上がるよね。この前上がってたプリシラの写真見て驚いた事があったのよ。
 上の写真は今作ダクソ3のグウィネヴィアの絵なんだけど…プリシラに激似じゃない???


 というか、ダクソ3のグウィン一家はみんな鼻が似てるように描写されてる気がするんだよ。
 グウィン、グウィネヴィア、ヨルシカもそうだよね。ドリンもエルドリッチ戦を録画で見て確認したけど、女性のような細面に鼻だけはちょっと生意気な感じの上向きで、その辺はお姉ちゃんや妹と似てる雰囲気だったよ。長子は顔全体が見える造形じゃないんで分からないけど、顔の上半分はグウィンの面影がある…ようにも見える。
 つまり、鼻に特徴があるプリシラも王家の血を引く1人なんではないかと。



上がダクソ1、下がダクソ3の時のアノールロンドのメイン聖堂。1の時はまだ像に金箔が残ってたりして栄華の名残があったんだな…


 問題なのは、王女の1人に間違いなさそうなのになんで存在が隠されていたのかって所だよ。
 長子達とドリン達が異母兄弟なのは今作ではっきりしたし、グウィンが側女に産ませた子、くらいの出自なら隠す必然性が薄いと思うんだよなー…。特にグウィンはワンマンな王様っぽいし、グウィンが一言、これは俺の子って認知すれば誰も文句言わなさそうなのにね。
 プリシラの片親は竜族…しかもいろんな状況証拠からシースの可能性がめっちゃ高いと思われるから、それを踏まえて可能性のある組み合わせを考えてみたですよ。

1.前王グウィンとシースの子
 ダクソ1時点のアノールロンドにはシース本人が公爵として存在してるんだよね。太陽神族が竜族に勝ってこの世界の覇権を握れたのはシースがグウィン側についたからという設定があるんで、2人が手を組んだついでにいちゃいちゃしちゃった可能性も十分考えられる。
 でも前述の通り、相手が誰でも王様自身が認知すれば別に隠す必要はないわけで…。 




こっこれはあの必ずぶっ壊れ状態で放置されていた太陽戦士像の完全体!?…とプレイヤーが夢中になった所でズガーンと竜が襲いかかってくる仕掛けになってます

2.長子とシースの子
 シースが竜族を裏切った理由の1つが長子にあった、と仮定してみる。
 竜狩り筆頭として先陣切って無双していた太陽神族の若い王子様と、白くなめらかで美しい体を持つが故に孤独だった竜が出会って恋に落ちてしまう。敵同士なのに恋愛感情を抱く葛藤とか同族を裏切るまでの煩悶とかそういうのを乗り越えて、2人は密かに子供をもうける間柄になっていた。それで長子が素直に後を継いだらシースはアノールロンドのお后様になってめでたしめでたしで終わったはずだったけど、当の長子はあっさりと王位継承権どころかシースと子供まで捨てて出奔してしまった。後にはどこにも行き場がなくなった母と子だけが残されてしまった…。
 でもなあ…シースがプリシラの母親ならもうちょっと交流がある気配があってもいい感じだけど、シースからはそういうのは全く感じられないしな…。それともシースなりに気配りはしてたんだろうか。


3.グウィネヴィアとシースの子
 グウィネヴィアはどこか別系統の神族の所へお嫁に行ったってテキストを読んだ気がするんだけどどこだったか…。そもそもシースは男性女性どっちと見るのが妥当なんだろうな。個人的にはシースは女性として描かれてるような気はしてますが。
 この説の最大の難点は、仮にシースが男性で箱入り娘のグウィネヴィアと恋愛関係に陥って妊娠までさせたとして、グウィンがそれで黙っているかという事よね。子供まで出来たなら仕方ない、籍入れてちゃんとしろって普通の父親ならそう言うだろうし、2人に異存もなければそうなってるはずなんだけど…でも実際はグウィネヴィアは別の相手と結婚してアノールロンドから去ってるからなー。
 余談ですけど、グウィネヴィアの結婚って略奪婚とか駆け落ちとかそういう感じっぽいよね。身内しか知らない、みたいな。ドリン様がお姉ちゃんをまだアノールロンドに存在しているように見せかけていた事からもそう思える。


4.ドリンとシースの子
 ダクソ1当時、同時期にアノールロンドに居住してるとはっきり分かるのはプリシラを除けばドリンとシースだけ。グウィンに取り入ったシースが王と長子がいなくなった後暇をもてあまして、若くて美しい王子にちょっかいを出した…というのがこの説の概要です(笑)。

 前項にも書いたけど、ドリン様の立場っていうのは太陽神族の中ではすごく微妙だったという気もしてる。
 女の子として育てられたという逸話はドリン様が身体的に剣や槍を振り回して戦う事が不得意だった事もあるんだろうけど、もう一つ、もろもろの理由で彼には普通の王子のように王位継承権が与えられていなかったという意味も含まれてるんじゃないかと思えるよ。だから自分が上に立つ事はせずにお姉さんのグウィネヴィアの存在を掲げてアノールロンドをまとめようとしてたんじゃないかなあ。
 そういう立場のドリン様とシースがオネショタ状態に陥ってうっかり子供が出来てしまったとしたら…内緒にしておくしかないのかなという気もする。
 
 しかしなー。(^^;
 やっぱりドリン様とシースの組み合わせはなんかピンとこないな。ドリン様はグウィネヴィア像をぶっ壊すと激おこになって敵対しちゃうけど、シースを殺っても全然対応変わらないしな(笑)。
 プリシラの外見年齢はドリンと親子というほど離れていないように見えるし、生命狩りの鎌にしても暗月系じゃなくて雷の槍の変形だよねアレ。


 可能性のありそうな4通りを挙げてみましたが、じゃあおまえは一体どの説を推すのよと問われたら…。
 あたし的には2ではないかと確信してるです。
 長子の子ならグウィン王家直系という事になるし、神喰いを目指してたエルドリッチがヨルシカをほっといて先にプリシラに目をつけたのも頷ける。グウィンドリンの記憶からプリシラの存在を見いだしたっていうなら、先に実妹のヨルシカを見つけないはずないもんね。やはり神格としてはプリシラの方が上って事ではないかと。




無名の王。めっっっちゃ強くてかっこいい…この人が王家に残っていればどうなっていただろうかと考えずにはいられないほど。戦い方はまんまオンスタ。いやオンスタがこの人に倣ってたんでしょうが。


 まったくの妄想ですが、過去の出来事をまとめてみたですよ。


グウィン、火の扱いについて古竜族と意見対立。火の簒奪を目指して攻撃開始
↓ 
長子も竜狩り筆頭としてぶいぶい言わせまくる。が竜族も強くてなかなか捗らない

シース、無双している長子を見初めてラブラブに。竜たちは自分に冷たいし彼のために裏切っちゃお☆

シースのおかげで太陽神族勝利! 太陽万歳! 
そして長子とシースはアノールロンドでいちゃラブ 長子はシースから世界の成り立ちや古竜時代の話を聞くようになる
「おいおいちょっと待て…もしかして古竜の方が正しくね? 俺たち取り返しのつかない事をしてしまったんじゃねーのか?!」

グウィンパパ「勝ったんだからもう余計な事考えるな」
シース「ダーリン赤ちゃん出来ちゃった☆」
長子「…あんたらはバカだ大バカだ。これ以上は付き合いきれねえ俺は抜けるぜ」

長子出奔グウィンパパ大激怒
シース「お腹の子共々どうしたらいいの…しくしく」
グウィン「仕方ない…公爵としてずっと身分保障するから子供は隠しとけ」

グウィン「火がヤバい責任とって継ぐから後は頼むなドリン」
ドリン「…承知しました」(前途多難過ぎるだろ…でもボクにも王子の意地がある…!)
シース「はあ竜は壊滅状態だしダーリンにも捨てられて孤独…もう子供とかどーでもいい研究改造に没頭じゃ~フヒヒヒ」

時は過ぎ、北の施術院に1人の亡者が捨てられる…ダクソ1のお話開始




火を継がないという選択は太陽神族の滅亡とその時代の終焉を意味する。涙を流しているような日食を見ていると、グウィンドリンとヨルシカの行く末を思わずにはいられなかった…。この先の時間軸できっと2人に会えますよね…?


 ダクソ3やってやっと理解したですよ。ダークソウルの物語は「グウィン・サーガ」なんだなって。 つまりグウィン王家の興隆と滅亡の物語だったんだよ。読者もといプレイヤーは終盤の王家衰退の章から読み始める仕様になってて、その時点のストーリー的な主人公と言えるのは「陰の太陽グウィンドリン」という事なんだろうな。もっと言えばダクソ1と3は世界を太陽神族側の視点から語るストーリー、2は古竜側からの視点(の予定だった)なんだと思う。

 そう考えてみるとダークソウルのストーリーは鳥肌が立つほどすごいな…これがもし小説だったら圧巻のダークファンタジー巨編って帯がついて本屋の棚一列を埋めてたに違いない。それにマジでエルリック・サーガに激似ですよ。どっちも最初に滅びありきの世界観…支配者には不向きな心優しい華奢な王子の苦悩の物語…。
 でもあたしはダークソウルのストーリーとドリン様の方が好きですけどねv


ダクソ1設定集から。本当はもっと大きい、飾っておきたいほど美しい絵です。