青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

越生梅郷、盛りの春に。

2023年03月25日 23時00分00秒 | 東武鉄道

(梅花薫る駅で@東武越生線・武州唐沢駅)

既にカレンダーを眺めれば弥生三月も終盤戦、時ならぬ暖かさが続いてとうに東京の桜は満開・・・という時期にもかかわらず、まだ早春の雰囲気満ち満ちた話をしているのも何とも季節外れではあるのですがご容赦いただきたく。昨年からあまり遠出も出来ない身になってしまったのだけど、名前のない場所にもココロを惹かれるものはあるもので。ふらりと出掛けた八高線沿い、高麗川から北へ向かって二つ目の街である越生の町外れに、素敵に梅の花に囲まれた駅を見付けました。東武越生線、武州唐沢駅。リバイバルカラーの8000系と。

越生と言えば「越生の梅林」で有名な街ですから、この時期そこかしこに梅が咲いていて、ポップコーンのように弾けた白い花を見る事が出来ます。関東山地の東側、特に高尾の辺りから秩父にかけて、梅の花の名所は結構多いんですよね。裏高尾の木下沢梅林や、日向和田の吉野梅郷だったり、名はなくとも、西武秩父線沿いの奥武蔵にも梅の木が多いし、そしてこの越生の梅林とかねえ。そもそも「青梅」なんて名前の市があったりするくらいですから。

そんな越生の街を走る東武越生線。東武東上線の支線として、坂戸~越生間の約12kmを結びます。元々は高麗川の川砂利を輸送する貨物需要に基づき、東武鉄道の出資を受けた越生鉄道によって建設された路線。東武の路線を指折って数えたらたぶん後ろの方でしか出て来ない極めて地味な印象のある越生線ですが、沿線には住宅も多く、大学もあったりしますし、日中でも15分ヘッドのダイヤ。1時間に1本来ればいい方の八高線とは、比べようもない頻繁運転を行っています。

咲き誇る梅を横目に走る越生線の主力車両は、東武ローカルではまだまだ主役の8000系。車体更新の際に6050系とかと同様の横置き角型ライトに変更されてはおりますが、紛れもなく東武のトラディショナルトレイン。そして、日本の私鉄の歴史の中で間違いなく一時代を築いた名車である事は疑いないところ。東武で唯一8000系の原型で残されているセイジクリームの8111Fは未だに動くことなく南栗橋で雨ざらしになっているのだそうだが、何とか復活してくれないかなあって思いますよね。


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