青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

偉大なるスタンダード。

2023年03月27日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(雲間から、こぼれる日差しに@武州唐沢駅)

武州唐沢駅の梅林を抜けるリバイバルカラー編成。この何ともレトロで独特なカラーリングは、8000系の登場時の塗装であるらしい。ロイヤルベージュとインターナショナルオレンジという組み合わせなのだそうだが、どちらも聞いたことのない色ですねえ(笑)。昭和30~40年代の鉄道車両の色彩感覚、国鉄車両はいわゆる「国鉄色」として画一化されていたのだけれど、何故だか私鉄の車輛はどうにも理解しにくい色使いのものが結構ある。「何でそんな色になっちゃったの?」というツッコミを食らわしたくなるというか・・・いわゆる「総天然色」系の色とでも言えばいいのだろうか。

毛呂川橋梁を渡るリバイバルカラー。森林公園の検車区には、越生線と東上線の末端区間(小川町~寄居間)で使用される8000系の4連が所属していて、このリバイバルカラーの他にもセイジクリーム色、フライング東上色があります。どこでどう走っているかはその日の運用次第のようですが、運用範囲はそう広くないのでコンプリートは比較的難しくなさそうですね。

越生線は現在全便8000系の運行なので、思う存分昭和~平成中期くらいの「あの頃の東武」的なノスタルジーを味わう事が出来ます。前面のデザインは変更されましたが、戸袋なしの田窓が続くサイドビューは健在。ボディの車両番号の独特のフォントも、いかにも「東武だなあ」という感じがしますよね。今は何でもかんでもデジタル表記になってるし、大手の鉄道会社はどこもホームドアの導入を推進していて、車体に書かれた書き文字を見る事も少なくなっているのですが。700両以上が作られた8000系だけに割り当てられた5桁のインフレナンバー。現在東武では日比谷線直通車両の70000系まで新造されていますけれども、次の80000系は既に附番されているので、おそらく90000系になるんだろうなあ・・・。

何の変哲もない車内の設え。凝ったところ、変わったところがある訳でもなく、「たくさんの人を乗せて運ぶ」という通勤車両に一番求められる役割にフィックスしたインテリアではないだろうか。最近の車両は座面が一人ずつに分かれているし、どちらかと言えば座り心地が固めの座席が多いのですけど、8000系は柔らかめのスプリングの効いたモケット。冬になると座席の下からのヒーターで火傷しそうになるやつだ。

越生駅の八高線ホームから眺めるリバイバルカラー。この駅は、かつては東武鉄道がJRに駅業務を委任する形で管理されていましたが、今は東武鉄道が社員を置き、JRの方は乗り換え通路にタッチ式のICカードリーダーが置かれているだけで無人化されてしまいました。駅舎は改築されて観光案内所併設の新しいものに建て替えられてるんですけどねえ。最近の鉄道業界、とりあえず信用乗車を認める方向になりつつあるのだけど、運賃の取りっぱぐれよりそれを管理する人件費の方が高いという妙な開き直りがあるように見受けられて宜しくない。


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