青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夕映えの 空は茜の 丹生川で

2020年09月09日 17時00分00秒 | 三岐鉄道・北勢線

(南濃の輪中に湧く@海津温泉)

午後を養老鉄道の沿線で過ごした後は、海津市にある海津温泉へ。濃尾平野に湧く天然温泉としては、長島温泉や蟹江温泉なんかが有名ですが、ここ海津温泉も地下800mから汲み上げた天然温泉です。茶褐色で、塩分と鉄分が強いなかなか濃厚な温泉です。大昔の海水が地中深く封じ込められた化石海水系かな。現在でも0m地帯ですし、太古の昔はこの辺りも海の底であった可能性は高いのでしょうね。この手の施設はソーシャルディスタンス対策で大変なのでしょうが、猛暑の平日の午後という事で客入りは疎らでした。火照りの出そうな塩分の強い温泉はそこそこに、ダラダラと水風呂で過ごしてしまった私。最近リニューアルされたようで、きれいでしたね。

すっかりと日差しも西に傾いた夕方、丹生川の田園地帯に戻って来ました。太陽はもうすぐ鈴鹿山脈の山の端に掛かりそうな頃合い。日中のあの殺人的な暑さも幾分か和らいで、遠くでは夕方の作業に精を出す農家の人が、一枚一枚の田んぼを丁寧に見て回っていました。空の雰囲気の変化を愉しみながら、色付きを増した穂波にカメラを向けます。

田んぼの真ん中の踏切の鐘が鳴り、今日この日の最後の光を浴びて、三岐リバイバルが駆け抜けて行きます。青緑の車体も、この時ばかりは黄金色。三岐線がこの塗装で走っていた何十年も前から変わらないであろう丹生川の圃場の風景。猛暑に耐えて、今年も良い実りを迎えていただきたいものです。

太陽は山の向こうに消え、北勢の田園地帯に夕暮れが迫って来ました。セメント5便の時間なので、ミルクロード俯瞰に登ってみます。道路までは上がらずに斜面の中段から。果たして5便まで運転されるかどうか分からなかったのですが、さすがにお盆も明けたせいか荷動きも活発のようです。夕映えの空に藤原岳の稜線もくっきりと浮かぶ中、ED45の重連がいつものようにセメント貨物を牽引して行きます。コタキのボディが、空を反射して赤く染まりました。


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