(セメント貨物・桜花の中を@宇賀川橋梁)
満開の宇賀川橋梁、春の日差しを浴びて駆け抜ける三岐のセメント貨物。太平洋セメントの藤原工場で製造されたセメントを、四日市港のサイロまで運びます。同じ荷主の東の秩父鉄道は、3月中旬から1ヶ月程度設備点検のために熊谷工場の操業を止めてしまうので、満開の桜の季節には動かないのがレイルファンには泣き所だったり・・・ちなみに、秩父の熊谷工場の再稼働を待って、GW~6月くらいまで藤原工場が設備点検に入ります。当然ながら、その際は三岐のセメント貨物も動きません。グループ全体で生産調整をしているのでしょう。
正規のセメント便の合間に、東藤原に留置している貨車の交番検査のための回送なんかがあったりします。確か、三岐のセメント貨物に使われているタキ1900は川崎貨物かなんかで検査してるんじゃなかったかな。約1,800両が製造された日本のセメント輸送のスタンダードな貨車ですが、最終ロットが1981年って事なのでもう製造してからだいぶ長い年数が経っている骨董モノの貨車。残されたタマは少ないと思われるので、大事に大事に使っていただきたいものです。
花満開。昼を過ぎて光線が横に替わって来たので、並行する道路の橋の上から宇賀川の鉄橋を。ちょうど赤電が富田から戻って来ました。桜の花弁の中からひょっこりと顔をのぞかせる元西武701系。
宇賀川は、鈴鹿山脈の石榑峠に源を発する二級河川で、員弁川の支流に当たります。上流部は「宇賀渓」と言われて、古くから滝巡りや竜ヶ岳へのハイキング、キャンプなどのレジャーで親しまれていた三岐線沿線の観光地でした。そう言えば、少し前までJR富田駅にある使われなくなった三岐線のホームに「三岐鉄道で宇賀渓・藤原岳へ」という観光アピールの看板があって、宇賀渓ってのは、沿線ではそれなりの観光地であったのだなあ、なんて思ったものですが・・・ちなみに大安駅の次の三里駅は、1986年まで「宇賀渓口」という名前で、駅から三岐バスが宇賀渓のキャンプ場まで走っていたそうな。
宇賀渓へ向かう三岐バスの路線は、2010年代に廃止されて久しく。三岐線は元より沿線にさほど有名な観光地もなく、地域輸送の担い手・・・と言うほどには人口集積地を走らず、ただひたすらにセメント輸送を通じて産業鉄道としての使命を全うしてきた武骨な路線。今さらあえて観光需要を求める気がないのもらしいと言えばらしいよなあ・・・。沿線の一番の観光地って丹生川の「貨物鉄道博物館」くらいなもんでしょ?(笑)。
レトロリバイバルの西武401系が、満開の宇賀川橋梁で踊ります。
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