青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

地鉄の深遠

2020年10月28日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(大草原の小さな駅@越中中村駅)

草原の中に、ぽつりとあるホームと待合所。パッと見ると北海道のローカル線の無人駅なのか・・・?と思わせるような広がりの中にあるのが越中中村の駅。様々な顔を見せる地鉄の駅の中でも、とっておきの何にもなさがあるのがこの駅。駅前、と言うには緑が過ぎる駅前なのですが、昔はここに立派な駅舎と変電所があったのだとか。駅と変電所が取り壊された結果、この茫洋とした空き地だけが残って今に至るのだそうで。

ホームの片隅に一つだけ立てられた駅名票。隣駅を表記する部分は錆に覆われて、既に標識としての機能を失っています。この角度も何となく北海道みが強いな。後ろの工場が牧場のサイロだったらもっと雰囲気があったかもしれない(笑)。これも一つの駅の形、かように地鉄の駅は掘り進めば掘り進むほど奥が深く、沼的要素を秘めている。

駅前から切り取ると、このように牧歌的な何もなさばかりが残る越中中村の駅ですが、地鉄の線路とあいの風とやま鉄道の線路が並走する区間。地鉄の電車以外にも時折あい鉄の新型車両やら日本海縦貫線を行く貨物列車が通ったりして、線路の音だけは賑やかです。滑川方からやって来たかぼちゃ京阪の普通電車。利用者は一日10人にも満たない駅だそうですが、どこからともなく現れた高校生が一人乗車して行きました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする