無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自給稲作セミナー 美味しいお米を育てよう!(自然農法センター)

2017-02-20 11:58:39 | 自然菜園スクール
本日、

今日は、久々にブログの更新です。
今年の2月は関西での講演会、地域の活動など、いつもの年とも違っており多忙を極め、先週風邪をひき寝込んでいた関係もありブログ更新ができませんでした。

風邪というのはその時辛いですが、(今回は高熱&3日間断食になりました)
過ぎてしまうと身体がスッキリし、身体も軽くなりますし、なにより今回は空腹を味わうことにつながりとても良い休暇・養生になりました。
食べない身体は、食べた時の身体と異なる仕組みで動くようで、無肥料栽培と肥料のある栽培で野菜が違う仕組みで動くのが想像しやすくなりました。




三木さん

今回、自然菜園スクール『自然稲作・発酵コース2017』の一環でもある自給稲作の勉強会を(公財)自然農法国際研究開発センターにお邪魔して、
今の稲作の師匠である三木先生を講師に「自給稲作セミナー美味しいお米を育てよう!」を開催しました。


取り上げるテーマは、去年の自然菜園スクールで課題となった3つ

1.草対策
2.水管理
3.お米の食味の成り立ち


高品質のお米は、部分的なテクニックだけでなく、一貫した健康な稲の栽培にあるので、それらを3つのテーマごとにおって勉強しました。


1.草対策では、
それぞれの草の特徴、役割、弱点を学びました。


例えば、同じヒエの種を播いた試験ポットでも、土の条件が違うだけで、ヒエの生え方が左右写真で歴然と違います。

土が肥えてくれば、それだけでヒエは生えにくくなるようです。
その代わりコナギが生えてきていますね。


コナギの特徴を学んだあと、コナギの発芽条件が土に稲ワラをどのように還元(土に還したか)でこんなにも違います。

生のワラを鋤き込んだ場合、明りで発芽しやすいコナギが、暗くても47%も発芽し、発芽しやすくなることがわかります。

一方ワラがしっかり土になっている田んぼでは、明るくしても35%しか発芽いないことがわかります。


コナギが生えている田んぼは、稲にとっても良い環境だとわかります。

如何に、コナギを抑え、稲が元気に育つようにもっていけるかがワラの還し方が重要かが想像できます。



例えば、無農薬稲作では、様々な除草、抑草技術がありますが、


米ぬか除草は有名ですね。

米ぬかを田んぼ表面に施すことで、表面にある草は発芽が抑制され、深くに根を張った稲は悪い影響を受けず、
表面に糸ミミズなどを増やし、トロトロ層をつくることで、さらに抑草され、養分は深く稲の根にいく、
一石二鳥の除草方法です。


ところが、2度代かきを行い、米ぬか除草をした同じ処理の田んぼでも、

左の写真のように、コナギが一面に増え、稲が寂しいくなったり、
右の写真のように、稲が元気になり、草を抑えてしまっています。

つまり、同じことを行ったにもかかわらず、全く違う結果になっております。

このように、米ぬか除草もそうですが、テクニック(技術)を駆使しても、それが発揮できる環境の田んぼになっているのか、それまでのかかわり方が大切だとわかります。


セミナーでは、同じ管理をしても違う結果がもたらされることをたくさん事例を見せていただきました。





2.水管理にかんしてまとめていただきました。

去年友人知人、生徒さんの田んぼを観ていて思ったのは、水管理が適当だっということです。

水管理で、稲の除草・抑草も、稲の生育向上、品質向上もできます。

水管理をマスターは重要です。
水管理ができれば、今までの管理が生きてきて、とても楽になしますし、増収させることもできるからです。

逆に、水管理が上手くいかないと、生育が悪くなったり、草が生えやすくなったり、収量を減ったり、稲刈りが大変になったりします。


そういう意味でも、「中干し」といわれる技術はとても大切です。

大切ですが、「中干し」の時期ややり方を間違えると稲の生育を抑制してしまったり、根を痛めることもあるので、
「中干し」は、一長一短なので、よく学んでから行うといい結果をもたらします。





ランチは、お米の食べ比べをしました。自分のお米をおにぎりにしてもってきてもらい、3つの食べ比べと自分の田んぼのお米を食べ比べてもらいました。

お米の食べ比べを実際に行うことで、お米の食味について学んでもらいました。


3つのお米の美味しさを数値と成分からも学びました。






旨み層の話やお米の等級など基本から学び


お米がどのような時期に、収量に関係するのかなども学びました。

実際に、試験データや資料を元に、三木さんによる解説、質疑応答などを交え、今回も学びの深い1日でした。

まだ田んぼに雪が残るこの時期に、今年1年の計画やイメージができるようになったかと思います。
同時に、わからないことも多くなったのではと思います。

自然菜園スクール『自然稲作・発酵コース2017』では、
この学びを活かして、1年間自給用の無農薬の田んぼの稲作。そしてコムギ・ダイズの栽培による発酵と堆肥造りの発酵を学んでいこうと思います。


いよいよ来週は、神奈川・東京での2日間の講演会。あと若干名はお受けできるようです。


2/25(土)26(日)に神奈川、東京で「自然菜園で自給自足」をテーマに講演会をさせていただくことになりました。

FBイベントページのアドレスは以下の通りです。
公開に設定してありますので、FBに登録していない方でもご覧にいただけます。
https://www.facebook.com/events/1643843115916646/

今年で自然農法を始めて20年。菜園教室を初めて10年目の節目に当たります。
20年間の学びを8年間お世話になった関東、東京でお礼奉公させていただきたいと思います。

今日、イベントを絶ちあげてくれた有志により作っていただいたチラシのデータが届きました。このブログに張ることはできませんでしたが、
是非、観てお誘い合わせで来てくみてださい。お会いできることお待ちしております。

チラシ表
チラシ裏
今年は、関西・関東でそのような機会をいただきました。
興味があり、ご都合がつく方は是非お越しください。お会いできること楽しみでしております。
もちろん、最新刊『自然菜園ハンドブック』も持参致します。





2017年の自然菜園スクールの募集中~ホームページ
来年は、新しい自給稲作コースの増設、自然菜園実践コースのバージョンアップなどお楽しみに~。
自然菜園スクール安曇野校の3月は、菜園プランと緑肥mix蒔きになります。


自然菜園スクールも10年目。
10年間、生徒さんからの率直なアンケートなどのご意見を反映させてきたこともあり、2017年は受け取りやすい教室になったのではと思っております。

菜園教室では、教えきれない移住、田舎暮らし、自分らしい自給生活のノウハウと実体験を学べる
「自給自足ライフスクール」は、1泊2日なので、人数は限られてきますが、その分濃厚な時間を過ごせるスペシャルワークショップ。
半農半Xをテーマに、自給農を極め、自分の才能を開花させるのがテーマです。
今年は、薪のある生活を充実させるために、薪小屋作りやチェーンソーの使い方、ロケットストーブも作ってみようと思います。お楽しみに~

「自然菜園スクール」では、遠方からもより来やすい通いやすいように、土曜日開催の教室も充実させました。
土曜日であれば、安曇野校で開催する「自然菜園入門コース」「自然菜園実践コース」への参加に、前泊も後泊も安曇野地球宿さんですれば通いやすく、
長野校「自然育苗タネ採りコース」「自然菜園見学コース」「自然稲作・発酵コース」にもご参加いただ来やすくなったかと思います。



ちなみに、2月からの城山公民館講座も2回に分けて菜園プランをご紹介します。お楽しみに~
2016年内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

来月は、いつもの第1水曜日に、
3/1(水)-菜園プラン② 菜園プランを強化する


4月からも第一水曜日で、「無農薬・自然菜園入門講座」を行います。お楽しみに~

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24 コメント

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畑穴中草植え (たかみつ)
2017-02-25 12:26:50
畑の中に穴を掘ります。そのまま穴の中に草を栽培します。生えてきた草が肥料になると考えました。

耕された表面の土から雨で地下に流れ落ちてしまった土のミネラル〈鉱物質)が、土の下の方にはたまっているはずです。
玉ねぎ (川原健二)
2017-02-26 13:41:13
玉ねぎ…これが非常に難しいです。
無農薬、無肥料…玉ねぎ育ちません。
まだまだ土が出来てないのは、分かりますがそれだけなんでしょうか?
堆肥も入れず、米糠も控えたのが早すぎたのでしょうか?
苗は今回、購入したものです。
隣の芝は青いとよく言ったもので(笑)
この時期からのポイントなど挽回の余地、方法があれば御伝授下さい❗
えん麦はいつかりとるのでしょう? (もりもと)
2017-02-26 23:22:53
著書にはいつもお世話になっております。


去年の秋口に種をまいたえん麦が背丈60㎝ほどになりました。(全然菜園にはなってないのでしょうか?)
家庭菜園二年目の今年はどういった年間計画を立てて土づくりと、野菜を育てたらよいでしょうか?

情報としては、
菜園は1メートル×5メートルが三本あります。
当方は愛知県の山と海にかこまれた比較的暖かい地方です。粘土質なのですが、去年夏は枝豆ととうもろこしを育ててみました。とうもろこしは背丈が低く全滅でした。
秋からは、一区画(5メートル)のみえん麦とクリムソンクローバーを、植えて、
もう一区画は、九条太ネギが1メートル×2メートルほど、植えてあります。あとは、ニンニクも同じ広さで植えてあります。打木源助大根は、綺麗に育ちました。


緑肥をどう利用すればいいのか(時期もやり方も背丈がどれくらいになればやっていいのか…)、わからずご相談させていただきました。

よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2017-02-28 09:43:46
たかみつさんへ

そうですね。
申し訳ございませんが、実際にやってみておりませんので、よくわかりません。

もしやってみてその後、どうなったか検証できたら教えてください。
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2017-02-28 09:56:17
川原健二さんへ

そうですね。
タマネギは、元田んぼや粘土質で肥沃だけど水はけが良い畑などの元々育ちやすい場所があります。

そのため、元々タマネギが育ちにくい畑
1)痩せている土
2)火山灰土のように、土のリン酸がタマネギが使いにくくなっている特殊な土
3)砂地のように、化学肥料で追肥型なら育ちやすいが、養分が流れやすく特性があるため、タマネギの有機栽培では、工夫がいる土
のように、タマネギが育ちにくい畑では、その畑でタマネギが良く育つようになるテコ入れや補いが必要です。

①リン酸不足の土の場合、畝立ての際に、バッドグアノ(天然リン酸)とクン炭、完熟堆肥でテコ入れいが必要です。

②痩せた畑や養分が流れてしまう畑では、リン酸などをタマネギを育てる養分のバランスが良い、米ぬかを中心に、植えた際に草マルチとたっぷりの補いか、梅が咲く頃に、ボカシを追肥(補い)する必要があります。

③一度よく育ったタマネギの場所は貴重なので、連作することで、ますます毎年育てやすくなります。

私が安曇野(火山灰土)でタマネギを栽培していた時は、①~③を同時に行っていても、最初の3年位は、ピンポン玉サイズでした。

4)購入苗は、抜きたて新鮮なもので、購入後根が乾かないようにし、即日丁寧に植えてしまうことが大切です。

タマネギの苗は根が乾燥したら終わりです。

本当は、タマネギの育苗から行い、よい苗を抜きたてで植えるのが一番です。

ただし、タマネギの育苗こそ、一番難しいものなので、まずは葉ネギ(根深ネギ)など普通のネギの苗を育てられるようになると近道ですよ。
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2017-02-28 10:20:08
もりもとさんへ

4日間東京に出張していたので、ご返信大変遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

難しいご質問ですね。

緑肥作物は、通常、花が咲く直前の青いうちに土に鋤き込み畑で育った草をその場で堆肥化し土を肥えさせる(緑肥)ものです。

自然菜園の場合、緑肥作物の利用方法は、以上の通常に加え
①通路の邪魔にならないところに、緑肥mixとい形で、通路は通常固くなってしまいますが、通路が生き物のオアシスになるように緑肥作物を育て、伸びた緑肥作物は、常に刈って野菜の畝に敷いて、草マルチとして利用する方法

②土の改良のためや、次回の作物が育つようにするために、空いている期間緑肥作物を育てる方法
ですね。

もりもとさんの場合、どの用に活用したいかだと思います。

また
1)えん麦が背丈60㎝ほどになっていること、粘土質なこと、エダマメが育つこと、トウモロコシが育たないこと、打木源助(青首短小型)ダイコンがそだつことから、

2)土を掘ってみるとわかると思うのですが、土に固い層があり、根が深くまで張れない

3)エンバクはライムギと違い、1mを超えない比較的小さな麦です。50㎝以上であれば、よく育っていると思います。ですから土に対しても表層(10~30㎝)を中心に生育に合わせて根が耕してくれ、土を団粒化してくれます。

4)クリムソンクローバーは、マメ科なので、チッソを固定し、リン酸などの吸収を促進させてくれます。つまり土が肥えます。

5)そのため、今年えん麦とクリムソンクローバー
の区画を何を育てたいのか、によってどうしたらいいかが決まると思うので、何を育てたいか決まったら再度、ご質問ください。
ライ麦後 (浜屋)
2017-02-28 13:16:54
昨年からセスバニア、ライ麦と緑肥をリレーして土を改善してきました。ライ麦の後は夏野菜を育てる予定ですが、ライ麦は細かくしてすきこめば良いですか?
それとも根は残して草マルチが良いですか?
ご質問ありがとうございます。 (竹内 孝功)
2017-02-28 14:24:52
浜屋さんへ

そうですね。状況によると思います。

1)緑肥栽培してみて、とても良い状況でしたら、ライムギを穂が出るまでに刈って、畝立て後、畝に敷いてワラマルチとして菜園を始めることができます。

2)元水田や、土質に腐植が足りない場合は、ライムギは青いうちに、米ぬかやクン炭など土質を改良できる資材と共に浅く耕し、2週間後に、さらに完熟堆肥と共に鋤き込むとよいと思います。

鋤き込む際は、ライムギの背丈と耕運機の規模によって、無理なく鋤き込める工夫をしてみてください。

①例えば、ライムギがまだ小さく乗用型トラクターであれば、そのまま2段階に鋤き込むことが可能ですし、

②例えば、ライムギが大きくて穂が出る直前のもので、小型の耕運機しかない場合は、ライムギをほとんど買って持ち出し、無理なく鋤き込める分の細かいものだけにし、大部分は、敷き草や堆肥造りにする方法もあります。

いずれにせよ、現状とその後、どんな野菜を育てるか土と野菜にとって一番いい組み合わせがいいと思います。
野菜を育てたいです。 (もりもと)
2017-02-28 21:50:23
言葉足らずで失礼しました…。


お忙しい中お返事いただきありがとうございます!

結論を先に伝えますと、
野菜が育てられる状況であれば野菜を育てたいと思っています。(アロイトマト、八丈オクラ、みやま小かぶの種を今年注文しました)

その判断や緑肥がある状態からの転換方法がわからず相談した次第です…。


5メートル×1メートルの区画が3本あり、
畔板でその畝を囲って固定してあります。
各間の通路は80㎝ほどあり、
現在通路には何も生えておらず、カチカチの硬いままななので何かほどこさなければいけないとは思いつつも出来ておりません…。

えん麦とクリムソンクローバーは、
新しく秋から開墾したその内の1区画にみっしりとはえています。(耕しました)
なので、野菜を育てたことはありません。


他の区画は去年の夏に開墾しており、とうもろこしと枝豆を育てました。(ここでとうもろこしが育たなかったので新しい区画には緑肥をうえました)
冬からは大根やレタスを育て、おおむね綺麗に育ち、
現在はニンニクとネギが少しずつ植わっています。(土が丸見えのところもあり、草マルチは足りてないように感じます)


いずれは、
1区画を固定畝、もう2区画を冬畝と夏畝にして、回したいです。どれを固定畝にするかは決まっていません。


なので、もし今の状況で野菜がうえられるのであれば、えん麦とクリムソンクローバーのはえてる区画をいつどのような手順で、
野菜を植えるようにもって行ったらいいのか教えていただきたいです。



緑肥の意味あまりよく理解しておりませんでした…
緑肥としてすきこんでも、マルチとして使ってもどちらにも活用する…なんてことは出来るのでしょうか?


文章が長くなってしまいました…
意味のわからない文になってしまってないでしょうか…
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
追記です。 (もりもと)
2017-02-28 21:55:33
現在、30㎝ほどまでしか耕せれてないということですよね…
野菜の根がもっと深くまではれるように外の他の方法も行った方が良いのでしょうか?
野菜を育てながら土を改善していくことも出来るのでしょうか?

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