無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

土づくりについての質問

2012-05-22 05:59:44 | コメントの公開
本日、時々
週末は、シャロムヒュッテであずみの自然農塾でした。
今週末は、Azumino自給農スクールです。


先日、Azumio自給農スクールの生徒さんから以下のような質問が寄せられました。

Q.「土づくりついて質問があります。
現在、農薬・肥料たっぷりで野菜を作っている畑で、
話を聞いていたら、ねずみ対策に「ねずみ殺し」をまいたり、
雑草とりが大変なので、畑の端は雑草取りが大変なので除草剤をまいたりしているという、とても悲しい状態でした。

畑を見に行きましたが、雑草はほとんど生えておらず、スギナがちらほらあるだけ。
野菜自体は、畝を作って、今はじゃがいも・里芋・さつまいも・ねぎが植えられてました。
昔からの農家さんで、おばあさんが一人で耕してます。

このような大変な状態の畑から有機栽培や自然農を目指すには、どんな方法で、何年くらい努力して行えば、
なんとか思ったような土に再生する事が可能でしょうか?」


無農薬栽培を志す方からの質問です。
今までの昔ながらの有機農業が戦後崩壊し、現在のいわゆる慣行農業の農薬・化学肥料・除草剤漬けになって50年以上経ちました。
ご質問いただいたような畑は、日本の至る所にあり、日本の伝統の農業は失われつつあります。

戦後の食糧難に伴なって、食料生産のために、農薬・化学肥料が導入され、
酸性が強く、ミネラル不足の日本の農地に、石灰や苦土石灰、リン酸肥料の多用が推進されいまだに、
その時の指導が基本的にそのまま推進され現在に至っています。

私は科学者ではないので、完全な答えはいえませんし、
残留農薬についてもどの程度残留し、何年で回復するなどはっきりとはわかりません。
しかし、私ならそのような農地をお借りできたなら、以下のように取り組み、現在自然農・自然農を行っています。
参考にしてみてください。

A.私の場合、大きく分けて3つの道を選びます。
1)現状で育てやすいものを育てながら、土づくりを兼ねて草を生やし草マルチをたっぷりし、ゆっくり土を回復させる方法。
2)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、緑肥作物を併用させ、はじめの1年は土の回復に専念する方法。
3)土壌分析などをし、過不足を有機資材で調整し、最初の年は、ネギや麦や大豆など穀類を育て土の回復をはかり、
2年目からは、緑肥作物と野菜を同時に育て、緑肥作物を草マルチしていく方法。

3つの方法はお好みです。

いずれにせよ、今まで戦後の続けられてきた農薬・化学肥料・除草剤で土は疲弊しています。
生き物も単純化したり、激減していることでしょう。
そこで、現状で育てやすいものや、土を回復してくれる作物を優先的に育て、緑を増やします。
緑を増やし、草マルチすることで、生き物も増え、土が回復してきます。
農地の状況によってもことなり、1)~3)のやり方によっても異なりますが、
やり始めて2~3年以上経つと、生えてくる草が変わってきます。野菜の育ちも変わってきます。
火を起こすのに似て、最初は火がつかず、広がるまでに時間がかかりますが、変わり始めてくると一気に変わる時がきます。



以下は、その参考にしてみてください。

1.まずは、養分(化学性)がどの程度偏っているのか、現状を調べます。
ホームセンター・農協などで、簡易でいいので土壌分析をします。
その結果の数値を観て、土の化学性の現状を知ります。

見どころは、野菜が育ちやすいEC(水分に溶けた窒素養分の目安)が1.0~2.0かどうか、
PHが、5.5~6.5かどうか。
などです。

足りなければ、有機肥料を足したり、
過剰であれば、むやみに資材を投入せず、ライムギやネギなど植えて引き算をしたり調整します。

2.次に、土のタイプ(物理性)を活かします。
土には、砂地、火山灰土、粘土土など様々な土質があります。

手でこよりを練ってみて、長く細く伸ばせるようであれば、粘土が強く、肥料や水の持ちが良い重い土の傾向がありますが、
余りに粘土が強いと、水はけが悪く、乾燥するとひび割れるような土かもしれません。

こよりができないようであれば、水はけがよく、肥料分を保持できにくい、砂や火山灰土など軽い土の傾向があり、
農作業はしやすいのですが、肥料切れや乾燥しやすいかもしれません。

いずれにせよ。土に腐植が増え、生き物が増え、土が「団粒構造」と呼ばれるミミズのコロコロしたフンのような土になれば、
水持ちがよく、水はけがよく、肥料保持能力がよくなります。

そのために、堆肥など投入する方法もありますが、草をある程度生やし、根を抜かず、刈った草を野菜の根元に敷く「草マルチ」
をすることで、根は自然と分解され土を柔らかくし、
草マルチはいずれ自然堆肥になり、その下にミミズなどが集まり、土の腐植が富み、団粒化してきます。

3.とにかく、単一の野菜だけを育てようとすると、どうしてもバランスが崩れやすいので、
色々な野菜や緑肥作物など相性を考えながら混植栽培し、草マルチを重ねていけば、生き物が多様化し、
害虫だけでなく、害虫を食べてくれる益虫や、ただの虫などがバランスを自然と整えてくれます。

「土は1日にならず」です。
土づくりというより、野菜が育ちやすい「野良」を畑に再現、復活できるように野菜が育つ環境を育ててみてください。

自然は雄大です。ゆっくりですが、確実に回復します。
その回復を妨げず、促進するような配慮が、「野良仕事」(野を良くする事に仕えること)です。

自然力が回復した畑は、気持ちがよく、野菜も美味しく、育てるのも楽になります。

このブログはその参考になればと思って書いております。
少しでもお役にたてば幸いです。


Azumino自給農スクール
育苗コース、田畑コース、畑コース、田んぼコースを選べます。

「無農薬・ずくなし家庭菜園講座」
カルチャーセンターをはじめ3つの講座。
メルパルクカルチャー、城山教室(長野市)は、5月7日(月)、
NHKカルチャーは、5月9日(水)です。

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コメント (23)
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