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エイリアン:コヴェナント

2017年09月27日 | 映画(あ行)
人の心を持たないアンドロイドが、未知の生物と出会ったがゆえに・・・



* * * * * * * * * *

さて、先に「プロメテウス」で予習もしたところで、
いよいよ「エイリアン:コヴェナント」。


2104年。
惑星オリガエ6へ向かう入植船コヴェナント号。
2000人のコールドスリープ中の男女を乗せて運行中に
大きな事故が起きてしまいます。
乗組員たちがコールドスリープから目覚め、船の修復作業を開始。
そんな時、近くの惑星から人類のものらしき信号を受信。
乗組員は小型船を出してその星に降り立ちます。
しかしそのうちの2名が何かに感染したらしく突然もがき苦しみはじめ、
背中がぱっくりと裂けて、異様な生物が飛び出す・・・。
そんな混乱の中に登場するのが、
なんと、コヴェナント号を管理するアンドロイド・ウォルター(マイケル・ファスベンダー)とそっくりな
アンドロイド・デヴィッド(同)だった・・・。



人跡未踏のはずの未知の惑星から聞こえてくるのが
「カントリー・ロード」の曲。
なんていうのは、恐ろしいくらいにミステリアスですね。
でもこの曲、およそ100年先でも「クラシック」として皆に馴染みがあるらしい・・・?
まあつまり、やはり予想の通り、
この星は、あの「プロメテウス」の舞台となった惑星なんですね。
それから10年が過ぎたことになっていて、
デヴィッドの髪が伸びていたりするのですが、なぜ? 
髪が伸びるほどに、人体そっくりにつくってあるというのも凄いですね。



10年たってもアンドロイドは基本皆同じ顔・・・というか
宇宙船にはこのタイプ、みたいな習慣になっているのかも。
しかしデヴィッドがあまりにも人間そっくりで人が気味悪く思うので、
その後の新たなアンドロイドは、少し精度を落としているのだとか。
そして、何故かその後デヴィッドは髪を切り、
ウォルターとそっくりな姿になって現れるようになります。
このあたりが、伏線ですね。



そもそもデヴィッドは「プロメテウス」の時から、何やら危うい雰囲気を漂わせていました。
彼は自身が創造主となろうとしているかのような・・・
かなり「人」に近い、夢のような野望のようなものに取り憑かれてしまったらしい。
それはもしかすると彼をつくったウェイランド社の
社長の気持ちが乗り移ったのかもしれないけれど・・・。



人の心とか魂の抜け落ちたアンドロイドが
「科学」のみを信奉して行動する結果がこの世界。
それはもしかしたら何でもかんでも、
科学や理論で割り切ろうとする現代の社会を暗喩しているのかもしれません。



「プロメテウス」でようやく命をとりとめたエリザベス(ノオミ・ラパス)は、
その後あっけなくまた犠牲になってしまったらしい・・・。
ひゃー、しんどい。
でも本作のヒロイン、ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)、
なんだか妙にオバサンぽい感じで魅力に乏しいと感じてしまうのは私だけでしょうか・・・? 
いくら人妻だからといって、もう少しゴージャスな感じでも良かったのでは。


<ディノス・シネマズにて>
「エイリアン:コヴェナント」
2017年/アメリカ/122分
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ、ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル

ミステリアス度★★★★☆
満足度★★★★☆


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2 コメント

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カントリー・ロード (もののはじめのiina)
2017-10-05 10:09:26
> 人跡未踏のはずの未知の惑星から聞こえてくるのが「カントリー・ロード」の曲。
絶対に怪しい星です。罠が仕掛けられていると警戒しない方がおかしい状況です。
それでも、その星に立たなければ映画になりません・・・。

「プロメテウス」よりは、面白かったです。

Unknown (たんぽぽ)
2017-10-05 19:43:50
>iinaさま
人類を滅ぼすのは、アンドロイドか、エイリアンか。人類自身でないだけマシでしょうか。
どんなに意味深長で、映像が衝撃的な続編ができても、結局第一作の「エイリアン」、あの衝撃は、二度と味わえませんねえ・・・。

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