映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

天気の子

2019年07月21日 | 映画(た行)

雨の表現がすばらしい

* * * * * * * * * *

鳴り物入りで始まった新海誠監督新作「天気の子」。
たまたま初日に見たのですが、まわりは若い人ばかりで
若干肩身が狭かったオバサンであります・・・。

離島から家出し、東京へやってきた高校生・帆高。
バイトも見つからず、さっそく行き詰まってしまいますが、
怪しげなオカルト雑誌のライター助手の仕事に、なんとかありつきます。
そんな時の東京は連日雨ばかり。
そんなある日、帆高は陽菜という少女と出会い親しくなっていきます。
彼女は小学生の弟と二人暮らし。
そして彼女には祈ることで空を晴れにできる不思議な力がありました。
二人はこの「晴れ女」の力を利用してビジネスを始めることに。



フリーマケットや結婚式。
つかの間でもいいから明るい日差しがほしいということはたしかにあります。
二人の商売は予想位以上の人気を呼びますが、次第に陽菜が疲れを見せ始めます。
そして、東京を覆う異常な雨雲は一向に衰えを見せません。

雨の日が続き日照時間が極めて短いと聞く、
ここのところの東京の天候と重なり合うようなこの背景。
「晴れ女」が実際にいるなら頼みたいと思う人も多いのでは?



雨や水の表現に長けた新海監督、まさに真骨頂の映像美。
廃墟のビルの光景もまた、雰囲気を掻き立てます。
どんより重く垂れ込めた雲の合間から差し込んでくる光。
いいものですよねえ。



・・・と、この世界観は十分に堪能しましたが、
ストーリーとしてはイマイチと思いました。
あの、男女入れ替えや時間や出会いの不思議、
幾重にも驚きがしくまれていた「君の名は」に比べると
どうしても単調に思えてしまいます。
期待値が高すぎたのかもしれません。
下世話なことながら、洪水はあんな綺麗事じゃないよな・・・ともつい思ってしまう。



まあそれでも付近の若い方々は満足していたようなので、
これ以上言うのはやめておこう。

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の本でカップヌードルのフタをおさえていたシーンは気に入りました!!

<シネマフロンティアにて>
「天気の子」
2019年/日本/114分
監督・脚本:新海誠
声:醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、小栗旬、賠償千鶴子、平泉成
映像美★★★★★
満足度★★★☆☆



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