映画と本の『たんぽぽ館』

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TOO TOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

2017年01月06日 | 映画(た行)
長瀬智也さんの貫禄が光る



* * * * * * * * * *

冒頭のバス転落事故シーンのために公開延期となったというのも、
まだ記憶に新しい作品です。



平凡な男子高校生大助(神木隆之介)は、
修学旅行中のバス転落事故で死亡し、地獄へやって来ます。
まだ高校生で、気になる女の子とまだキスもしていないのに・・・。
悔しがる大助に、地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカル&ギターで、
地獄農業高校軽音楽部顧問の赤鬼、キラーK(長瀬智也)は、
現世に蘇る方法がある、と言います。
それはロックフェスで勝つこと。
大助は時折インコやザリガニなどの姿で転生し、現世の様子を見守りながら、
ギターの地獄の猛特訓を受けますが・・・。



地獄の一週間が現世の一年に当たるということになっています。
そのため大助が動物の姿で現世と行きつ戻りつする間に、瞬くように時が過ぎてゆく。
知っている人が成長し、老いてゆく姿を目の当たりにします。
こんなロックギンギンの作品でありながら、さり気なく漂う無常観。
う~ん、シビれます。
カッコイイ。



キラーKの生前というのがまたいいのです。
ミュージシャンを志しながらも芽が出ない落ちぶれた存在。
長瀬智也さんが、すっかりオーラを消し去って演じています。
彼は7回転生してしまったので、鬼の姿になり、もう現世に戻ることはできない。
けれども彼には現世で気になることがある・・・。
だから大助は転生するたびに自分の好きな相手のこととともに、
もう一組の家族のことも確認するわけです。
なかなか、いいやつじゃん。



そして、現世のさえなさぶりと打って変わって、
赤鬼になった長瀬智也さんのなんともカッコイイこと!! 
何やら貫禄とゆとりさえ感じられるこの地獄の赤鬼ぶり、
う~ん、ロックですなあ・・・!
つい、長瀬くん、と言いたくなってしまうのですが
本作のこの貫禄ぶり、さすが長いキャリア
見直しました!



劇場だと多分大音響で私には辛かったかもしれない。
個人的には自宅にてDVD鑑賞が正解だったと思います。
内容的にはさすがクドカン、面白かった!



「TOO TOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」
2016年日本/125分
監督:宮藤官九郎
出演:神木隆之介、長瀬智也、尾野真千子、森川葵、桐谷健太、古田新太
ユーモア度ロック度★★★★★
無常観★★★★☆
満足度★★★★☆


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