映画と本の『たんぽぽ館』

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ヒキタさん! ご懐妊ですよ

2020年11月14日 | 映画(は行)

涙ぐましい妊活

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作家ヒキタクニオさんが自身の体験をもとにした同名エッセイを映画化したもの。

49歳、作家・ヒキタクニオ(松重豊)は、かなり年下の若き妻・サチ(北川景子)と暮らしています。
子どもは作らないことにする、と2人で決めていたのですが、
「ヒキタさんの子どもの顔が見たい」というサチの言葉をきっかけに、妊活を始めることになります。
しかし、なかなか結果が出ません。
クリニックで検査の結果、不妊の原因はクニオにあることがわかります。
そこで人工受精を試みることに・・・。

人工授精や体外受精と一言でいってみても、
実のところどうするのか、私たちはあまりにも無知でした。
本作ではその詳細が描かれています。
なかなか大変なことなのです。
それを毎月毎月繰り返す・・・。
それでもやっぱりなかなか結果が出ない。
さらなる奥の手は・・・。

これは本当に夫婦そろって協力し合わないとダメなのです。
途中で嫌になることも多分にありそうです。
男性が、妊活のためにどうするかって?
つまり精子の活動率を上げるために、ひたすら健康的な生活に努める。
規則正しい生活。
ジョギングで体力を付け、お酒もやめる・・・。
そして風水やら、迷信やら、おまじない、とにかくできることはすべてやる。
作中ではヒキタ氏がひたすら真面目にそういうことに取り組むのが涙ぐましい。

これを見ると、妊娠がどれだけ奇跡的なことなのかよくわかります。
これぞ生命の奇跡。
それなのに、せっかく生まれた子どもを虐待したりする、
というのは全く生命の冒涜に他なりませんね。

 

ではあるけれど、実に簡単にあっさりと妊娠してしまう夫婦や女性がいることは確かですね。
それは不公平のようでいて、作中では「とても公平」だと言っています。
ある程度の年齢や職業、貧富の差、社会的地位などに関わりなく、
できる者はできる。
できない者はできない。
確かに、潔く「公平」です。

本作で、松重豊さんは映画初主演だそうです。
すごく意外な感じがしますが、名バイプレイヤーとして引っ張りだこでありながら、
「主演」があまりないわけなのか・・・。

 

<WOWOW視聴にて>

「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」

2019年/日本/102分

監督・脚本:細川徹

原作:ヒキタクニオ

出演:松重豊、北川景子、皆川樹時、山中崇、濱田岳、伊東四朗

 

生命の奇跡度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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