映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

春画先生

2024年03月27日 | 映画(さ行)

笑って楽しもう

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肉筆や版画で人間の性的な交わりを描いた「春画」の研究者、
「春画先生」こと芳賀一郎(内野聖陽)。
妻に先立たれて以来、世捨て人のように研究に没頭する日々を送っています。
春野弓子(北香那)は、まるで吸い込まれるように芳賀の誘いに乗り、
春画鑑賞を学ぶことに。

弓子は春画の奥深い魅力にのめり込み、
そしてまた、芳賀に恋心を抱くように・・・。

芳賀が執筆する「春画大全」の完成を急ぐ編集者・辻村(柄本佑)。

そして、芳賀の亡き妻の姉・一葉(安達祐実)。

ねじれた性愛の行き着く先は・・・?

ちょっと危ない雰囲気の題名に、若干見るのを躊躇していたのですが、
実際に見てみると、やっぱり・・・でした(!)
でも、作中で江戸時代には「春画」は、もっとカラリとしていて、
皆で笑い楽しんで見るものだった、という先生の説明があります。
すなわち本作も、そのようにカラリと笑い飛ばしながら見るのが正解なのでは、
と思いました。

春画といえば、いかにもあからさまなその部分にばかり目が行ってしまいますが
その他の部分によく目をこらせば、
さまざまな技巧に尽くされた仕草、表情、小道具など
計算された表現。
ちょっと興味が湧いてきます。
あまり表に出ない、これも貴重な日本文化でありましょう。

 

弓子役は北香那さん。
私、Snow Manの渡辺翔太さん主演ということで
『先生、さようなら』いう深夜枠のドラマを見ていたのですが、
そこに登場する由美子先生が、この北香那さんであります。
本作の弓子とはかなり雰囲気が違う。
というか、こんな体当たりの役もこなす方だったのだなあ・・・と、ちょっと驚きました。

この方、今後有望だと思うので、要チェックです。

<Amazon prime videoにて>

「春画先生」

2023年/日本/114分

監督・原作・脚本:塩田明彦

出演:内野聖陽、北香那、柄本佑、白川和子、安達祐実

性愛度★★★★☆

満足度★★★☆☆