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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

堕天使のパスポート

2017年04月18日 | 映画(た行)
不法移民医師のサスペンス



* * * * * * * * * *

15年ほども前の作品ですが、
さて、どうしてこれを見ようと思ったのだったっけ?
としばし考えていたのですが、
つまり、アカデミー賞つながりで興味を持ったのでした。
2004年のアカデミー賞脚本賞にノミネートされた作品。
なるほど~、見て納得しました。
面白かったのです、さすがに。


トルコからロンドンに来た移民シェナイ(オドレイ・トトゥ)は、
いとこの居るニューヨークへ渡ることを夢見ながら、
ホテルのメイドとして働いています。
彼女の部屋はオクウェという男性と時差でルームシェアしています。
そのオクウェ(キウェテル・イジョフォー)は、ナイジェリアからの不法移民で
昼はタクシーの運転手、夜はホテルのフロントとして、
寝る間もなく忙しく働いています。
しかし実は彼は優秀な医師なのです。
そのような彼がなぜ不法移民となり、身を隠すようにしているのか、
そこが一つの謎。
オクウェの存在を嗅ぎつけた移民局職員が、
彼を捉えようと躍起になって彼を探し回ります。


そんな中で、オクウェの勤めるホテルで、
臓器売買のための手術が行われていることがわかります。
臓器の売り手は主に不法移民の人々。
腎臓などを売って、幾ばくかのお金と偽造したパスポートを手に入れることができるのです。
このことに加担しているホテルの支配人は、
オクウェが腕のいい医師であることを知り、彼に臓器摘出の手術をするようにと強要するのです。
そうすれば自身だけでなくシェナイの新しいパスポートが手に入る。
しかし従わなければ、困ったことになると脅して・・・。


この題材もいいですし、
ロンドンが舞台でありながら登場するのは実に雑多な国の人々というのも興味深い。
トルコ、ナイジェリアの他に中国人やラテン系・・・
そして、最後にやむなくオクウェが支配人に屈するのかと思ったら、
思わぬどんでん返し!!


まだまだ未見の良作はあるのですね―。

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スティーヴン・ナイト
ショウゲート


「堕天使のパスポート」
2002年/イギリス/97分
監督:スティーブン・フリアーズ
出演:オドレイ・トトゥ、キウェテル・イジョフォー、セルジ・ロペス、ソフィー・オコネドー、ベネディクト・ウォン
社会問題度★★★★☆
どんでん返し度★★★★☆
満足度★★★★☆