キャッチコピーで期待し過ぎた
* * * * * * * * * *
好き過ぎて本当は誰にも教えたくない。
でも同時にもっとたくさんの人に、こんなにこの本を知ってほしい。
そんな気持ちにさせてくれるとても素敵な本です。
どれもこれも早くて2分、ちょっと長くても5分くらいの時間で読める小説&エッセイ集。
まずはパッと開いたページを読んでみてください。
ひとつひとつのタイトルのつけ方が秀逸で、読み終わったあとに、にやっとしたり、
ぞっとしたり、きゅんとしたり、すっと納得できたり。
5分に一度、腑に落ちる爽快感がたまりません!
* * * * * * * * * *
実は私、この本の「帯」のキャッチコピーに捕まりました。
「この本を楽しめないなら他におススメはありません!
ダマされて10~14頁までたったの5頁だけ読んでください。
面白さを確信するハズ」
そうまで言うなら読んでみなけりゃイカンでしょう・・・と、
そういう気にはさせられます。
しかし、私はこの著者を知らない。
1997年ロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。
全曲の作詞とギターを担当。
2005年バンド解散後は作詞家として多くの楽曲を手がける一方、
音楽プロデューサーとして活躍。
・・・で、手がけた曲をならべられても、
私の知らない曲ばかりでピンときません。
残念。
(イヤ、つまり私が最近の音楽に疎いというだけのことですけれど)
さて本巻は、このいしわたり淳治さんの描く
ショート・ショートと、エッセイからなっています。
作詞家というだけあって、さすがに言葉を紡ぐのが上手いわけですね。
人と同じものを見ても斬新な感覚で捉えられる、
そういうところがやはり天性なのだろうなあと感じました。
で、問題の10~14頁というのは、「顔色」というストーリー。
ある青年が女の子と一緒に深夜のカフェでおしゃべりをしているのですが、
彼は彼女のことを「退屈な女」と見下している。
彼女は「人の顔色」を読むのが得意だと言うのだけれど、
彼はバカにしてまともに取り合わない。
やがて二人はそのまま別れて帰宅の途につきますが、
実は彼女は彼の重大な「顔色」を読んでいた・・・。
オチに皮肉が聞いているというこのテイストは、
星新一さんのショート・ショートに似ているかもしれません。
まあ、楽しめます。
けれどひとこと言いたいのは、
「この本を楽しめないなら他におススメはありません!」
などと言うほどではないと思う・・・。
逆にこのキャッチコピーがあるがゆえに
期待が高まりすぎて裏切られたような気になってしまう。
しかし、このコピーがなければ
実際この本を手に取ることもなかっただろうとも思います・・・。
痛し痒しですね。
「うれしい悲鳴をあげてくれ」いしわたり淳治 ちくま文庫
満足度★★★.5?
![]() | うれしい悲鳴をあげてくれ (ちくま文庫) |
いしわたり 淳治 | |
筑摩書房 |
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好き過ぎて本当は誰にも教えたくない。
でも同時にもっとたくさんの人に、こんなにこの本を知ってほしい。
そんな気持ちにさせてくれるとても素敵な本です。
どれもこれも早くて2分、ちょっと長くても5分くらいの時間で読める小説&エッセイ集。
まずはパッと開いたページを読んでみてください。
ひとつひとつのタイトルのつけ方が秀逸で、読み終わったあとに、にやっとしたり、
ぞっとしたり、きゅんとしたり、すっと納得できたり。
5分に一度、腑に落ちる爽快感がたまりません!
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実は私、この本の「帯」のキャッチコピーに捕まりました。
「この本を楽しめないなら他におススメはありません!
ダマされて10~14頁までたったの5頁だけ読んでください。
面白さを確信するハズ」
そうまで言うなら読んでみなけりゃイカンでしょう・・・と、
そういう気にはさせられます。
しかし、私はこの著者を知らない。
1997年ロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。
全曲の作詞とギターを担当。
2005年バンド解散後は作詞家として多くの楽曲を手がける一方、
音楽プロデューサーとして活躍。
・・・で、手がけた曲をならべられても、
私の知らない曲ばかりでピンときません。
残念。
(イヤ、つまり私が最近の音楽に疎いというだけのことですけれど)
さて本巻は、このいしわたり淳治さんの描く
ショート・ショートと、エッセイからなっています。
作詞家というだけあって、さすがに言葉を紡ぐのが上手いわけですね。
人と同じものを見ても斬新な感覚で捉えられる、
そういうところがやはり天性なのだろうなあと感じました。
で、問題の10~14頁というのは、「顔色」というストーリー。
ある青年が女の子と一緒に深夜のカフェでおしゃべりをしているのですが、
彼は彼女のことを「退屈な女」と見下している。
彼女は「人の顔色」を読むのが得意だと言うのだけれど、
彼はバカにしてまともに取り合わない。
やがて二人はそのまま別れて帰宅の途につきますが、
実は彼女は彼の重大な「顔色」を読んでいた・・・。
オチに皮肉が聞いているというこのテイストは、
星新一さんのショート・ショートに似ているかもしれません。
まあ、楽しめます。
けれどひとこと言いたいのは、
「この本を楽しめないなら他におススメはありません!」
などと言うほどではないと思う・・・。
逆にこのキャッチコピーがあるがゆえに
期待が高まりすぎて裏切られたような気になってしまう。
しかし、このコピーがなければ
実際この本を手に取ることもなかっただろうとも思います・・・。
痛し痒しですね。
「うれしい悲鳴をあげてくれ」いしわたり淳治 ちくま文庫
満足度★★★.5?