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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブルーバレンタイン

2012年01月28日 | 映画(は行)
結婚に大切なのは価値観を共有できること



                 * * * * * * * *

たいていの物語は、男女が出会い、恋をして、いささかの障害を乗り越え、
めでたく結ばれる。
そこで終わります。
けれどもこの作品はその先を描いています。
愛の破綻の物語。
まあ、考えてみればこれだけ離婚がほとんど日常茶飯事の世の中ですから、
決して珍しい話ではありません。
・・・ただ私などは、やはり映画には日常を離れた夢とかロマンとか感動とか驚き、
そういうものを求めたいと思うので、
ここまでリアルなストーリーは、できれば避けたいと思う方です。
でも、ろくにリサーチもせずにみてしまったので・・・(^^;)



初めは単に倦怠した夫婦のストーリーかと思えたのです。
けれど二人の結婚には、やや複雑な事情もあったのです。
二人の思いが食い違いかみ合わなくなっていく合間に、
若い頃の二人のハッピーな物語が挿入されていきます。
このふたりだからこそ、末永い信頼と友愛に満ちた家庭となるのでは・・・と、
いかにもそう思えるのですが。



妻シンディはこつこつと勉学に励み、医師の資格を得て働いています。
一方夫ディーンはぱっとしない現業職で、
でもそれには満足し、ひたすら妻と娘を愛し、家庭が平和なら大満足。
彼にとってはそれが人生の目標でもある。
シンディにとっては、それがなにやら物足りない。
もう少し何かにチャレンジし向上心を持って欲しい。
これはお互いの価値観の違い。
これまでの二人の家庭環境とか学歴とか・・・
根本的に向いている方向が違うということなのでしょうね。
結婚まではそういうことがあまり見えないけれど、
日々の生活の中では、そういう違いがとても大きくのしかかってくるのでしょう。
どちらが悪いというわけではないけれど・・・
非常に苦い現実が描かれています。



私の価値観で言えば、家族をひたすら愛し尽くそうとしてくれるこのディーンは好きですけどねえ・・・。
一応きちんと仕事もしているのだし・・・。
ダメですかねえ・・。
朝からお酒を飲んでもできる仕事。
ナイスでは? 
しかもこの別れは一方的にディーンにだけ不利なんですよ。
だって結婚生活は彼の生きる糧で、それを失ったら何も残らない。
シンディはたぶん、ますますと活き活き生きていくのでしょうね。
やっぱり女性は強い。


「ブルーバレンタイン」
2010年/アメリカ/112分
監督:デレク・シアンフランス
出演:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ウラウディカ