お互いがお互いを認め合いながら受け入れていく、ふんわりとした過程
* * * * * * * *
久しぶりに川原泉さんの新刊が出ていまして、もちろん即購入。
「~があるシリーズ」第2弾とあります。
第1弾も読んではいるものの、ほとんど忘れかけておりますが・・・。
まあ、それはともかく、前巻と同じく、
非常に偏差値の高い彰英高校に在学する高校生たちの
ほんのりした恋模様が描かれています。
ここに登場する高校生、今時の高校生とは思えない、
スカートのまともな長さ、おしゃれっ気ナシ。
何も主人公だけではなくて、皆そうみたいです。
このために超偏差値の高い学校という設定なのかと納得できちゃいます(^^;)
そんな中でも、主役のオンナノコは特にまた、皆の流れから一拍ずれているのです。
でも、周囲もそれを認め、本人もさして気にしていなさそうなのがいいのです。
また、それこそが本人の美徳と気づく異性が登場するところがまたいい。
たとえば、表題の「コメットさんにも華がある」に登場する紗矢さんは、
愛想がなくつっけんどん。
感情が表情に出ないんですね。
人から影で「ツタンカーメン」なんていわれている。
ある日席替えでそんな彼女の前の席になったのは、
父親は映画監督、母と姉が有名女優で、自らも俳優をしているという航くん。
クラスの皆は航のそんな事情をもちろん知っていたのですが、
紗矢は知らなかったのですね。
初めてそのことを知った彼女は、友人に教えられて
彼の出演しているTVドラマをさっそく見てみる。
けれど、意外に彼はめだたず、どこに出ていたのかもよくわからない。
翌日友人に「オーラが乏しくて、華がない・・・」といったのを、
なんと本人に聞かれてしまった!!
実は、航自身がそのことを気にしていたのです。
スターは「恒星」のように自ら光り輝くべきなのに、
自分は彗星(コメット)のように、時たまスターのそばでちゃっかり光るだけ・・・。
でも、本当は紗矢はもっと別のことをいいたかった。
お互いがお互いを認め合いながら受け入れていく、
そういう過程が実にふんわりと描かれていて、
何だか幸せな気持ちになってくるのです。
この空気感が好きで、いつも川原作品を楽しみにしているんですよね。
「グレシャムには罠がある」では、
貧乏な山吹さんが超お金持ちの陣内君に、お金で買われて「部下」となる。
なんと川原作品にあるまじき展開!と思いきや、
陣内君はひもじく体力がなくて倒れた山吹さんのために
お弁当を持ってきたり、看病したり、身代わりにバイトにいったり・・・。
二人は「理念と実情が一致していない」のですが、
いいじゃないの二人が満足なら・・・ということで・・・。
なんと楽しい展開。
やっぱり川原泉作品はやめられません。
「コメットさんにも華がある」川原泉 白泉社
満足度★★★★★
![]() | コメットさんにも華がある (ジェッツコミックス) |
川原泉 | |
白泉社 |
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久しぶりに川原泉さんの新刊が出ていまして、もちろん即購入。
「~があるシリーズ」第2弾とあります。
第1弾も読んではいるものの、ほとんど忘れかけておりますが・・・。
まあ、それはともかく、前巻と同じく、
非常に偏差値の高い彰英高校に在学する高校生たちの
ほんのりした恋模様が描かれています。
ここに登場する高校生、今時の高校生とは思えない、
スカートのまともな長さ、おしゃれっ気ナシ。
何も主人公だけではなくて、皆そうみたいです。
このために超偏差値の高い学校という設定なのかと納得できちゃいます(^^;)
そんな中でも、主役のオンナノコは特にまた、皆の流れから一拍ずれているのです。
でも、周囲もそれを認め、本人もさして気にしていなさそうなのがいいのです。
また、それこそが本人の美徳と気づく異性が登場するところがまたいい。
たとえば、表題の「コメットさんにも華がある」に登場する紗矢さんは、
愛想がなくつっけんどん。
感情が表情に出ないんですね。
人から影で「ツタンカーメン」なんていわれている。
ある日席替えでそんな彼女の前の席になったのは、
父親は映画監督、母と姉が有名女優で、自らも俳優をしているという航くん。
クラスの皆は航のそんな事情をもちろん知っていたのですが、
紗矢は知らなかったのですね。
初めてそのことを知った彼女は、友人に教えられて
彼の出演しているTVドラマをさっそく見てみる。
けれど、意外に彼はめだたず、どこに出ていたのかもよくわからない。
翌日友人に「オーラが乏しくて、華がない・・・」といったのを、
なんと本人に聞かれてしまった!!
実は、航自身がそのことを気にしていたのです。
スターは「恒星」のように自ら光り輝くべきなのに、
自分は彗星(コメット)のように、時たまスターのそばでちゃっかり光るだけ・・・。
でも、本当は紗矢はもっと別のことをいいたかった。
お互いがお互いを認め合いながら受け入れていく、
そういう過程が実にふんわりと描かれていて、
何だか幸せな気持ちになってくるのです。
この空気感が好きで、いつも川原作品を楽しみにしているんですよね。
「グレシャムには罠がある」では、
貧乏な山吹さんが超お金持ちの陣内君に、お金で買われて「部下」となる。
なんと川原作品にあるまじき展開!と思いきや、
陣内君はひもじく体力がなくて倒れた山吹さんのために
お弁当を持ってきたり、看病したり、身代わりにバイトにいったり・・・。
二人は「理念と実情が一致していない」のですが、
いいじゃないの二人が満足なら・・・ということで・・・。
なんと楽しい展開。
やっぱり川原泉作品はやめられません。
「コメットさんにも華がある」川原泉 白泉社
満足度★★★★★