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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アポロ13

2011年04月03日 | 映画(あ行)
あらゆる人の英知と工夫で

             * * * * * * * *

月着陸宇宙船アポロ13号の実話を元に作られた物語です。
アポロ13号は月への飛行中爆発事故が起こり、
電気や酸素の供給システムに大きなダメージを受けてしまう。
このままでは3名の無事な帰還が望めない。
乗組員3名とNASAのスタッフ総動員で、
無事帰還のために力を尽くす感動の物語です。


アポロ11号が人類初の月面着陸を果たしたのが1969年7月。
この時のことは私もよく覚えています。
世界中の人が固唾をのんでTV中継を見守っていました。
その後12号に続いてこの13号が打ち上げられたのが1970年4月。
何故か西洋で縁起の悪い「13」なんですよね。
いやしくも科学の粋である宇宙ロケットで、
「13」を抜かそうとは誰も言い出せなかったのでしょうね・・・。
直前に予定されていた宇宙飛行士の一人が風疹に感染していることが解り、
スタッフを入れ替えたりします。
始めから不吉な展開・・・。
また、アポロ11号の時はあんなにもみなTVにかじりつきだったのに、
この13号では、
船内からの中継もTV放送にならなかったという、世間の冷淡さ。
・・・人のことは言えません。
いま、スペースシャトルからの中継だって、私たちは意識して見たりしませんね。
かろうじて日本人が乗っているときくらいしか。
一度できたことは次にはもう当たり前のことになってしまうんですね。
でも、そんなところに落とし穴がひそんでいる。


それにしても今から40年も前、
コンピューターは今とは比べものにならなかったでしょう。
映画の中でも計算尺で計算をするシーンなどもありまして、
よくこんなので月まで行けたなあ・・・と感心してしまいます。
周りにある物や、あらゆる可能性をフルに活かし、皆の力を一つに。
どんなに機械の性能がよくなりコンピューターが発達しても、
最後に頼りになるのは人間の英知。
今、福島の原発で起こっている恐ろしい事故も、
このようにあらゆる人の英知と工夫が必要なのだと思います。
そしてそれを指揮する強いリーダシップも。
作品中ではエド・ハリスがそのリーダーとして好演していました。
全体的にも決してオーバーではなく、
綿密な取材と押さえた演出により、
静かな緊迫感をうまく表しています。


人類はもう月面には立たないのでしょうか。
子供たちはすでに、いつか人が月面を歩いたことも知らない
なんてことになっています。
一般庶民にとっては、月はやはり遠い夢・・・。

アポロ13 [DVD]
トム・ハンクス,ケビン・ベーコン,ビル・パクストン,ゲイリー・シニーズ,エド・ハリス
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


「アポロ13号」
1995/アメリカ/141分
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、ビル・パクストン、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリス