辛口の中にも愛を!!ビデオグラファー愛

赤ちゃんから皇室を撮るカメラマン
そんな自身の創意と意志を伝えるブログ

映像監督 ミシェル・ゴンドリー氏の作品における多重合成と錯覚研究

2017-06-29 09:58:43 | ビデオ制作
彼のミュージック・ビデオ作品は、
アイデアはシンプルであっても、
映像が音に見事にリンクしており、
ミュージック・ビデオとしての完成度が非常に高いものが多い。

中でも、2007年の作品
Kylie Minogue - Come Into My World

Kylie Minogue が、何人も出てきて
交差点をぐるぐる廻るのが面白い。

カメラはモーションコントロールであるのはわかるけど、

一人目のKylie Minogue が落とした荷物を、二人目 三人目と拾い上げるシーンがある。

編集の理屈を分かっている人なら
二人目以降の拾い上げシーンは物理的に無理と思うが
巧みに監督の演出に錯覚している。

そのシーンがこれ

一人目


二人目が拾い上げる


三人目が拾い上げる


と、面白いことがわかった!
100パーセント確約はできないけど、
拾い上げるシーンは、二人目が拾い上げるシーンを繰り返し使っている。

比較すると、三人目の時も二人目と同じシーン(人物配列なのがわかる。)


さらに、カメラはモーションコントロールしているので
編集点、いわゆる2画面ないし3画面をつなげる編集点を探していると
ちょうど、画面を縦いっぱいに遮る電柱がある。

よく観ると、カメラの動きに合わせてワイプのような切り方をしているものの
Kylie Minogueの前後の位置に矛盾が生じていて、
狭い隙間にもかかわらず、スムースに通り抜けているのがわかる。

写真4


写真5


写真6


これで、ミュージックビデオの謎が解けた。

本当
ミシェル・ゴンドリー氏の作品は
飽きさせないし、研究していて発見が多い。


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