原題:『Last Child』
監督:シン・ドンソク
脚本:シン・ドンソク
撮影:イ・ジフン
出演:チェ・ムソン/キム・ヨジン/ソン・ユビン
2017年/韓国
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018 審査員特別賞)
韓国の埋められない「格差」について
インテリアデザイナー業を営むスンチョルと妻のミスクは去年の2016年の8月に高校生だった息子のウンチャンを水難事故で亡くしていた。ウンチャンは溺れている友人のキヒョンを救おうとして代わりに犠牲になったのである。
ある日、スンチョルは友人たちにいじめられているキヒョンを見て、自分の会社にアルバイトとして雇い入れる。それだけでなく資格を取らせるために参考書を購入し、キヒョンは彼らの期待に応えて資格試験に合格するのである。
ところがキヒョンが急に仕事に来なくなり、心配したミスクがキヒョンの家に訪れるとキヒョンが驚くべき話を始める。実はウンチャンは友人のジェチョンに連れられて自分たちのグループと諍いになり、ジェチョンの代わりにウンチャンがいじめられキヒョンが溺死させたというのである。
驚いたミスクとスンチョルはグループのリーダー的存在だったギョンソクを中心としたグループのメンバーを警察に告発したのであるが、メンバーたちは既に口裏を合わせており、ギョンソクの父親は会社の社長ということで捜査は打ち切りになるのである。
絶望したスンチョルとミスクは会社を畳んで自殺する決心をする。最後にキヒョンと共にピクニックに出かけるのであるが、怒りが治まっていないスンチョルはキヒョンと2人きりになったところで首を絞めて殺そうとするのであるが、止めを刺すことはできなかった。その直後キヒョンは近くの川に向かい、服に石を詰めて川に向かって歩いて溺れているところを後から追いかけてきたミスクに助けられて命を救われるのである。
いまだに埋められない韓国の格差社会が描かれているように思う。