MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ブリス、マイ・スウィート・ホーム』

2018-07-14 23:55:40 | goo映画レビュー

原題:『God Bliss Our Home』
監督:ナウルズ・パギドポン
脚本:ナウルズ・パギドポン
撮影:ナウルズ・パギドポン
出演:ナウルズ・パギドポン
2017年/フィリピン・韓国
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018

 パーソナルなドキュメンタリー映画の「甘さ」について

 「ブリス」とはマルコス政権時代に建てられた集合住宅の名称である。パギドポン監督はフィリピン大学卒業後も故郷のミンダナオに戻ることなくマニラで映画製作という夢を追い続けているのであるが、原題「神は僕たちの家をすごく幸せにする」という意味がマルコス政権に対するアイロニーとして使われることはなく、このドキュメンタリー映画は都会にこだわる監督と故郷に戻って来て欲しいと願っている彼の母親の諍いがメインテーマとなる。
 アニメーションなども駆使して工夫は施されているのだが、ストーリーがそれほど盛り上がらない理由は、最後まで監督と母親のわだかまりが解消されることがないからであろう。だから本作は敢えて「未完」として「和解」するまで2人の関係を描き続けるべきではないだろうか。


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