MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『エール!』

2015-11-07 00:54:27 | goo映画レビュー

原題:『La Famille Bélier(ベリエ一家)』
監督:エリック・ラルティゴ
脚本:エリック・ラルティゴ/トーマス・ビデガン/ヴィクトリア・ベドー
撮影:ロマン・ウィンディング
出演:ルアンヌ・エメラ/カリン・ヴィアール/フランソワ・ダミアン/エリック・エルモスニーノ
2014年/フランス

実は大御所歌手の再評価を試みる作品について

 早くも『ピッチ・パーフェクト3』を観ているような錯覚に陥った理由は、それは「膣炎」や「初潮」や「ゴムアレルギー」として描かれるものの、意外と「下ネタ」が多かったからである。主人公のポーラ・ベリエの父親のロドルフが市長に立候補した際に、さっそくフランス大統領のフランソワ・オランドが書いた『運命の変化(Changer de Destin)』を読んでいる横で、妻のジジがカトリーヌ・パンコル(Katherine Pancol)が書いた『伝説のジャクリーン(Une si belle image : Jackie Kennedy)』を読んでいるギャグがフランス映画らしい。
 ところで日本人にはあまりピンとこないのであるが、コーラス部の顧問の音楽教師のトマソンが選んで生徒たちに歌わせている楽曲は、ラストでポーラがオーディションで歌う曲として選んだ「青春の翼(Je Vole 私は飛ぶ)」も含めてほとんどミシェル・サルドゥ(Michel Sardou)のものである。ポーラが「Je Vole」を歌うと言った時、審査員も伴奏者も曲を知らなかったようだからミシェル・サルドゥは本国でも「過去の人」なのかもしれない。ミシェル・サルドゥは日本でいえば沢田研二のような存在だと思う。実際に、年齢もサルドゥが一歳だけ年上で、沢田研二はミシェル・サルドゥの曲をカヴァーしていたこともあるのだが、沢田研二の曲を本作のようにコーラス部で歌うことがあるかどうかとなると難しいような気がするから、井上陽水か吉田拓郎あたりかもしれない。


(生徒たちの着ていたシャツにプリントされていたミシェル・サルドゥのアルバムジャケット)


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