MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ギャラクシー街道』

2015-11-04 00:59:35 | goo映画レビュー

原題:『ギャラクシー街道』
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:香取慎吾/綾瀬はるか/優香/遠藤憲一/小栗旬/秋元才加/西川貴教/西田敏行/大竹しのぶ
2015年/日本

もはや文句が言える人がいない大御所の脚本について

 ストーリーのクライマックスがどこにあったのか分からなかった作品を初めて見たような気がする。もしも万が一、宇宙でノアが卵を掴むシーンだとしたら余りにも地味過ぎる。ここら辺の演出は微妙なところで最初に卵を取りに向かったキャプテン・ソックスの時にはハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー」内にいる宇宙人たちのツッコミの声が聞こえるのであるが、ノアの時には何故か彼らの声が聞こえない。コメディ映画であることを勘案するならば、それくらいの破綻は良いとしても、例えば作品冒頭においてカエル型宇宙人のズズが座ると椅子が濡れるということでノアがノエに文句を言うシーンがあり、ラストにおいてズズが「The End of the Universe/宇宙の果てまで」を熱唱するのであるが、いつもの三谷監督であるならば、ズズの湿っぽさという伏線を使って、そばで椅子に腰かけているノアとノエをズズが踊りながら放つ水でびっしょりに濡らすという演出をするはずなのであるが、何の工夫もなく呆気なく終わらせてしまっている。
 このように伏線が全く活かされておらず、それぞれの小ネタも特段面白い訳でもなく、だからといってそれぞれの小ネタが大ネタに集束されて爆笑を生む訳でもなく、とにかくキャラクターに頼り過ぎており、とてもあの三谷幸喜の作品だとは思えないような出来である。逆の意味でのこの驚愕をかつて味わったことがあると記憶を辿っていったらビートたけし監督の『みんな〜やってるか!』(1995年)に行きついた。


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