原題:『Pitch Perfect 2』
監督:エリザベス・バンクス
脚本:カイ・キャノン
撮影:ジム・デナウルト
出演:アナ・ケンドリック/レベル・ウィルソン/ヘイリー・ステインフェルド
2015年/アメリカ
韓国とフィリピンのヴォーカリストの違いについて
コメディー作品としては間違いなく面白いのであるが、ネタがゲス過ぎて笑いが苦くなってしまう作品として本作は『テッド』(セス・マクファーレン監督)と並び称されるであろう。
そういうことなのでストーリーに関する詳細な言及は避けるが、ゲイのジョン・スミスと一緒にア・カペラ大会のコメンテーターを務めているゲイル・アバーナシー=マッカデン=フェインバーガー、つまり本作の監督であるエリザベス・バンクス自身がフィリピン代表の「ザ・フィルハーモニック(The Filharmonic)」のパフォーマンスが終わった後に発した、「韓国の代表は退屈だ」という発言に注目してみたい。
監督の発言が本音であるとするならば、「カラ(KARA)」や「少女時代(Girls' Generation)」のアメリカにおける知名度は無きに等しい。逆に言うならば、シャリース・ペンペンコやアメリカのロックバンド「ジャーニー(Journey)」のリード・ボーカルとして知られているアーネル・ピネダのようにフィリピン出身の歌手はよく知られているということになるのである。しかし「バーデン・ベラーズ」のメンバーの一人であるリリー・オナクラマを演じているハナ・マエ・リーは韓国系のアメリカ人なのであるが、彼女の役は小声でビートボックス担当であるから、韓国人にヴォーカリストのイメージはないのかもしれない。こうなるとヴォーカリストとしての日本人に対するイメージも知りたいところなのだが、続編『ピッチ・パーフェクト3』で描かれるだろうか?
メンバーたちが2015年のア・カペラ国際大会が催されるデンマークにある「ハンス・クリスチャン・アンデルセン・ハウス(Hans Christian Andersen House)」を訪れる際に、パトリシア・"ファット・エイミー"が『スター・ウォーズ』シリーズに出演している「ヘイデン・クリステンセン(Hayden Christensen)」と聞き間違える。「Hans Christian Andersen」を「早口」で言うと「Hayden Christensen」にならないことはないが、さすがにこれはギャグだと思う。