MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『グラスホッパー』

2015-11-14 00:24:30 | goo映画レビュー

原題:『グラスホッパー』
監督:瀧本智行
脚本:青島武
撮影:阪本喜尚
出演:生田斗真/浅野忠信/山田涼介/麻生久美子/波瑠/菜々緒/宇崎竜童/吉岡秀隆
2015年/日本

「グラスホッパー的」な演出について

 ラストで謎だった点がすみれによって明らかにされる本作は、ストーリーに関して改めて説明する必要は感じないとしても、例えば、自殺専門の殺し屋である「鯨」と呼ばれる男が仕事を終えて住居にしているトレーラーハウスに戻った際に、いつの間にか男の顔のすぐ傍に亡き父親が立っていたり、あるいは主人公の鈴木がいる喫茶店を突き止めた比与子たちが車で喫茶店の入口まで乗り付けると同時に、2階にいる鈴木の隣に座っているという演出はなかなか面白いと思った。
 それにしてもその「鯨」を演じた浅野忠信が『岸辺の旅』(黒沢清監督 2015年)に引き続き幽霊にさせられているところは偶然なのだろうが本人が持つキャラクターによる部分も大きいのだろうか。
 被っているのは浅野だけではなくて、本作の本当の「黒幕」が誰なのか明らかにされないところは同時期に上映されている『劇場版 MOZU』(羽住英一郎監督 2015年)と同じである。


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