原題:『ハイ・ヌーン』
監督:坂本太郎
脚本:神戸一彦
出演:玉置浩二/ベンガル/角替和枝/六平直政/家富ヨウジ/青嶋達也
1992年/日本
奇妙な「ゲーム」の雰囲気の作り方について
フジテレビで放送されたテレビドラマ『世にも奇妙な物語』の中の本作を久しぶりに観た。2015年版のリメイクと比較してみるならば、リメイクにおいては、ラストで主人公の男が大衆食堂のメニューを一通り注文した後に、再び壁に貼られたメニューの一番左に書かれていた「親子丼」を注文したことで店内にいた「観客たち」が一斉にブーイングをして、この「ゲーム」の「ルール」を忖度しろという、空気が読めない「男」に対する反感で終わるが、オリジナルでは店内の状況は静止画で処理され、その後「今日の第三試合はまったく何が起きるか全然予想がつきません。大会5日目、本大会初の延長戦に入りました」というナレーションが入り、ずっと店内で流れているラジオの高校野球の実況が効果的に使われており、「けだるい夏の日の午後」の雰囲気が上手く描かれている。
しかし何よりも驚くことは主役を演じた若き玉置浩二のヴィジュアルの気持ち悪さで、それはリメイク版で主役を演じた和田アキ子が男に扮してもはるかに凌駕している。