MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『劇場版 MOZU』

2015-11-15 00:11:49 | goo映画レビュー

原題:『劇場版 MOZU』
監督:羽住英一郎
脚本:仁志光佑
撮影:江崎朋生
出演:西島秀俊/香川照之/真木よう子/長谷川博己/松坂桃李/伊勢谷友介/ビートたけし
2015年/日本

「予習」を必要とする佳作について

 誘拐された明星美希と大杉めぐみを救出するためにペナン共和国へ向かった主人公の公安警察官の倉木尚武が殺し屋の権藤たちに捕らわれて、走っているトレーラーの中でリンチに遭ったり、警視庁の警部補である大杉良太が娘のめぐみを助けたまではよかったが、死んでいなかった新谷に頸椎を刺された時にはこれで確実に2人とも死ぬだろうと高を括っていたのであるが、日本に戻って来た2人はかなり元気でラストでは明星も入れた3人でイタリアンレストランで打ち上げとなるところが腑に落ちなかったのであるが、よくよく考えてみると冒頭は一人でバーで飲み過ぎている倉木の眼球が映り(ここも瀧本智行監督作品『グラスホッパー』の「蝉」とネタが被っている)、途中で再びバーで飲んでいる倉木の眼球が映るのであるから、その間は倉木が見ていた夢と捉えるならば辻褄が合うのである。
 大胆な時空間の飛躍などなかなか上手い脚本ではあるが、いかんせん事前にテレビドラマを見ていなければ複雑な人間関係についていけず、良作であるにもかかわらず客層を選んでしまうところが残念である。


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